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BCN、2006年末のPC市場は「Vista待ちの買い控えが深刻」

株式会社BCN 取締役 田中繁廣氏

12月6日 開催



 株式会社BCNは6日、「『BCNランキング』でみた年末商戦市場動向」と題した記者会見を開催。Windows Vistaの発売を2007年1月30日に控えたPCの年末商戦は、厳しい状況になるとの見通しを示した。

 発表会では、同社取締役 田中繁廣氏がここ1年の売上データ(BCN調べ)を示し、年末市場の見通しを説明した。

 PC販売の台数は、2006年2月から前年割れが続いている。2006年11月のデータでは、デスクトップPCが前年の64.1%と35.9%減、ノートPCが同86.9%と13.1%の減少、市場全体で前年の77%にとどまっている。

 金額ベースでは、11月のデスクトップPCが前年から36.9%減、ノートPCが同20%減。市場全体では26.4%減少しており、Windows Vistaの発売日が告知されてから減り続けている。

 同氏は、「Windows Vistaの買い控えが深刻。9月にはノートPCが戻すかと思われたが、11月には(市場全体の)金額ベースで25%以上減少した。年末は動きそうにない」と、PC市場は厳しくなると予測した。

PCのここ1年間の台数伸び率。2月以降は前年割れが続く(以下、すべてBCN調べ) PCの金額ベースの伸び率。ここ1年間、前年割れが続く状態

 このほか、ノートPCのタイプ別の割合、ノートPCおよびデスクトップPCの平均単価が示された。ノートPCは軽量で基本機能に特化したA4スリムタイプが伸びており、2005年11月にはノートPC全体の43%だったが、2006年11月では55.7%と過半数を超えるまでに成長。平均単価はノートPCが2005年11月の146,000円から134,000円へ下がった。一方、デスクトップPCはこの1年、13万円前後で落ち着いており、2006年11月は129,000円となっている。

 PC関連の明るい話題として、ワンセグで新しい需要が生まれたと紹介。USB接続のワンセグチューナがロジテック、バッファローから相次いで発売されたが、一気に人気商品となり、停滞していたPCのTVチューナ市場を大きく伸ばしたという。発売後の9月からTVチューナ市場が大幅に伸び始め、11月の集計では、金額ベースで対前年比約2倍に。また、売り上げ構成でもワンセグチューナが6割を超えた。

 PCに薄型TV、DVDレコーダ、携帯電話を含めた全体の傾向としては、2006年前半は前年の平均単価を上回っていたが、年末商戦の始まる2006年10月から前年割れとなり、2006年末から個人消費の落ち込みが続くのではないかと分析した。

ノートPCのタイプ別ではA4スリムが躍進。平均単価はノートPCが減少、デスクトップPCは横ばい PC向けTVチューナ市場のデータ。USB接続のワンセグチューナ登場後は大きく伸びている 景気回復が話題になった2006年前半は販売単価が前年を上回っていたが、10月以降は急速に下落

□BCNのホームページ
(12月6日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.computernews.com/
□関連記事
【11月9日】BCN、USBワンセグチューナの販売動向を集計(AV)
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20061109/bcn.htm
【9月28日】BCN、「Windows Vista発売前にPC市場は回復の兆し」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0928/bcn.htm

(2006年12月6日)

[Reported by yamada-k@impress.co.jp]

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