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FPD International 2006 前日レポート台湾FPD産業は垂直統合を強化会期:10月18~20日 会場:パシフィコ横浜 展示ホール 液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(FPD:Flat Panel Display)は、液晶TVやプラズマTV、デスクトップPCディスプレイ、ノートPC、携帯電話機、デジタルカメラなどの中核部品である。このFPDを構成する技術と製品、部品、材料に関する総合展示会「FPD International 2006」が、10月18~20日にパシフィコ横浜で開催される。
展示会前日の10月17日には、昨年と同様に台湾貿易センターが台湾のFPD産業に関する記者会見を東京で開催した。開催の挨拶に立った台湾対外貿易発展協会(TAIRA:Taiwan External Trade Development Council)のPeter Huangディレクターは、台湾のFPD産業は垂直統合を進めていると述べた。 FPDの代表であるTFT液晶ディスプレイはガラス基板、カラーフィルタ、ドライバIC、偏光板、バックライトなどの部材で構成されている。こういった部材を外部から調達するのではなく、自社あるいは子会社、資本提携会社などで製造する動きが台湾では活発である。 今回の記者会見では、垂直統合構造を代表する企業による講演が用意された。液晶パネルメーカー大手のAU Optronics、液晶パネル用バックライトメーカー大手のCoretronic、液晶ドライバICメーカー大手のNovatek Microelectronicsから、それぞれの企業トップが講演した。 最初にAU OptronicsでExecutive Vice Presidentを務めるHui Hsiung博士が、TFT液晶パネルの市場動向と製品動向を紹介した。同社はこの10月1日に同じ台湾のTFT液晶パネルメーカーQuanta Displayを吸収し、台湾ではトップ、世界でもトップ3に入る大手液晶パネルメーカーとなった。 講演ではまず、TFT液晶パネル市場の牽引役がPCディスプレイから民生用機器、具体的にはTVに変わってきているとの現状認識を示した。その結果、従来「クリスタルサイクル」と呼ばれていた1.5~2年周期で成長率が増減するサイクルがなくなり、今後は1年の中で季節要因による需給サイクルの変動が生じると説明した。TVの需要が最も強い時期はクリスマスを含む第4四半期(10~12月)であり、年間需要の40%を占める。ところが次四半期である第1四半期は、需要が年間の16~17%しかない。液晶パネル市場は、こういった季節変動の影響を大きく受けるようになる。 続いてHsiung博士は、AU Otpronicsの事業戦略について述べた。同社は、中小型液晶パネルから大型液晶パネルまで豊富な製品系列を持っており、また応用分野も比較的多岐に渡っている。これまでと違ってみえたのは、液晶パネル事業だけでなく、液晶モジュールや画像処理技術を組み込んだ液晶パネルへと事業領域を広げようとしていることだ。また、液晶パネルを製造してから売りさばくのではなく、顧客の要求を掘り起こすことを重視し出した点が興味深い。 それからTV用大型液晶パネルの技術開発状況を紹介した。見る角度を変えても色が褪せない広視野角技術、動きのある画像のぼやけを低減する技術、色再現範囲を広げたバックライト技術、高コントラスト技術などがある。いずれも液晶TVがプラズマディスプレイTVやCRT TVなどと対抗するには、欠かせない技術だ。
またPCディスプレイ用液晶パネルでは、ワイドフォーマット品が主流になるとの見通しを示した。Microsoftの次期OS「Windows Vista」に対応する、TVをPCで視聴するなどがワイドフォーマット化の理由である。ワイドフォーマット化とともに、外形寸法が大型化する。20型あるいは22型のWSXGA+(1,680×1,050ドット)対応であれば、A4判縦の画像を2画面表示できるようになるからだ。
●LEDバックライトとCCFLバックライトが競う 液晶パネルは発光しない。液晶は光を透過したり、遮断したりするシャッターの役割を果すだけである。光源や光導波路などで構成したバックライトの光が色フィルタと液晶を通過することで、カラーの発色が得られる。この液晶パネル用バックライトで世界最大のメーカーが、台湾のCoretronicである。 記者会見では2番目に、同社のBacklight Business GroupでGeneral Managerを務めるFred Huang氏が、バックライトの技術動向を解説した。 液晶用バックライトには大別すると、光源に冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluoresecent Lump)を使うタイプと、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を使うタイプがある。CCFLはコストが低いが、色再現範囲ではLEDに劣る。ただし改良が進められており、従来はNTSC比で75%前後だったのが最近ではNTSC比で92%と色再現範囲の広いCCFLが登場している。 一方、LEDバックライトの色再現範囲(赤色、緑色、青色それぞれのLEDを使った場合)はNTSC比で105%とCCFLよりも高い。またCCFLを液晶パネルの横に置くサイドライト型(エッジライト型)バックライトに比べると、LEDはバックライトを薄くしやすいという特徴がある。ただしLEDはCCFLに比べるとコストが高い、消費電力が大きいという弱点を抱えている。 ●ドライバICは微細化で高解像度に対応 最後に、液晶ディスプレイ用ドライバICメーカーの台湾Novatec MicroelectronicsでCompany Spokesman兼Head of IRを務めるDavid Chen氏が講演した。 液晶ディスプレイでは、ドライバICを液晶パネルの周囲(2辺)に並べて置く。解像度が高くなるほど、ドライバIC1個当たりの駆動本数は多く、端子ピッチは微細になる。PCの液晶ディスプレイ、液晶TV、モバイル液晶など、液晶ディスプレイの用途ごとに、異なる仕様のドライバICが必要となる。講演では具体的な数字を挙げながら、ドライバICを関連するディスプレイ仕様の動向を示した。 □FPD International 2006のホームページ (2006年10月18日) [Reported by 福田昭]
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