C51XEM2AA-8EKRS2Hは、nForce 590 SLIを搭載するATXマザーボード。FOXCONNというと、あまり自作PCに詳しくない人にとっては聞き慣れない、古くからマザーボードに詳しい人にとってはCPUソケットなどのパーツメーカーというイメージが強いかもしれない。
だが、ここへきて同社はビデオカード事業に進出したり、コンシューマ向けの製品展開を積極的に図っている。国内でもユニスターが代理店として取り扱いを開始したことで、店頭での露出が増えてきた。
このマザーボードについて特筆すべきは、NVIDIAのリファレンス扱いとなっている点だ。NVIDIA自身はマザーボードを製造しないため、評価にあたっては、大手マザーボードメーカーの製品をリファレンスボードとして評価者に配布している。これまでの例ではASUSTeKなどの製品がリファレンスに認定されていた。しかし、nForce 590 SLIについては、C51XEM2AA-8EKRS2Hがリファレンスとなっている。
nForce 590 SLIでは、GeForce 7900 GTX利用時にPCI Expressの帯域幅を向上させる「LinkBoost」機能や、EPP(SLI Ready)メモリ利用時にオーバークロック向けパラメータを自動設定する機能など、ニッチではあるがハイエンドユーザーにウケの良い機能を提供している。一部メーカーはそれらの機能を利用せず、自前のオーバークロック技術などを搭載しているのだが、C51XEM2AA-8EKRS2Hは、nForce 590 SLIの機能を網羅している。
当然、NVIDIAによる動作検証も行なわれており、本製品は機能面、信頼性の面でも、同社のお墨付きを得た製品と言っていい。
そのほかの仕様面では転送速度800MbpsのIEEE 1394bを搭載しているのがユニーク。ヒートシンクは、大型のものを採用する製品が多い中、小型のものを使っているが、ファンレスでない点がやや残念。とはいえ、静音PC向け製品ではないので、弱点とはならないだろう。
LANはGigabit Ethernetを2ポート装備し、同時利用することで2Gbps相当の転送が可能なほか、どちらか一方に異常が発生しても、残りの片方だけで動作させる冗長機能もある。オーディオは8ch対応でS/PDIF出力も備えるが、できれば入力端子も欲しかった。
オーバークロック設定は充実しており、CPU/メモリ/チップセットなどの電圧や、クロックを細かく調整できる。前述の通り、EPPメモリであれば、自動的に最適なパラメータが設定される。
付属品についても、すべてのオンボードコネクタ用のケーブル/ブラケットが同梱されていおり、好感が持てる。
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