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Intel、米本社でCore 2 Duoのローンチイベントを開催7月27日(現地時間)開催 米Intelは7月27日(現地時間)、カリフォルニア州サンタクララの同社本社内特設会場で、Core 2 Duoプロセッサシリーズのローンチイベントを開催した。 本誌でも既報のとおり、時差の関係から日本国内での発表が先行しているが、会場には米国内を中心とした報道関係者やパートナー企業の関係者が多数訪れた。
イベントの冒頭、登壇した米Intelのポール・オッテリーニ社長兼CEOは、「今から13年前にあたる'93年に登場したPeutium以来、最大の革新的製品となる」とCore 2 Duoシリーズを紹介した。 発表されたのはデスクトップ向けのCore 2 Extremeが1製品と、Core 2 Duoが4製品。さらにモバイル向けのCore 2 Duoが5製品で、計10モデルのラインアップ。いずれも、先日行なわれた日本国内の発表と同一仕様となる。米国においても、Core 2 Extremeは同日より店頭での購入が可能。デスクトップ向けのCore 2 Duo(E6000シリーズ)は8月初旬には店頭に並ぶとのことで、モバイル向けのCore 2 Duo(T7000/T5000シリーズ)は8月下旬に出荷を開始する予定だ。 オッテリーニ社長は'93年以降の世界的なPC(CPU)の需要増に言及。'93年時には年間4,000万台(個)であったものが、'99年には1億台に達し、2005年には2億台を数えることになった。これから出荷が始まるCore 2 Duoプロセッサに関しても、'93年当時で例えれば年間にあたる需要を約7週間で消化することになると述べ、Core 2 Duoシリーズの生産能力と安定した供給についても強調した。
オッテリーニ社長に続いて、同社のSales & Marketingグループのトップ、ショーン・マローニー副社長が登壇し、Core 2 Duoの革新性や技術的な背景についての紹介といくつかのデモンストレーションが行なわれた。 技術的や背景や個々のデータ的な数値に関する要素については、日本国内での発表会やIDFをはじめとする技術的なレポート、そして本誌でもここ連日掲載されているCore 2 Duo関連記事がより詳細な情報を伝えている。それ以外で特に強調されたのは、消費電力あたりのパフォーマンスの向上というビジョンに取り組みはじめた'99年当時の社内資料と、その後のぶれることのないロードマップ。そして市場のニーズに応える技術の方向性といった部分だろう。 同社によればインターネットへのアクセスというコンシューマによるメディアの消費は、数あるメディアの中でもトップを占める。同時にインターネットユーザーと携帯電話ユーザーの急激な拡大は、セミコンダクタ市場拡大の原動力に直結している。 世界のインターネットユーザーのうち5億人は2000年までのダイアルアップアクセスが主流の時代に獲得された。さらに5億人の上乗せはブロードバンドの普及によるところが大きい。そして2010年に向けてさらに5億人を上乗せするのに必要な要素が、次世代の主流となるWeb2.0、Web Video、Mobileという『Personal Internet』になると同社は考えている。この、より高パフォーマンスと低消費電力が必要なメディアへの需要を支え、そして実現するのがIntel Coreマイクロアーキテクチャになるというわけだ。
ステージでは、Pentium DプロセッサとvProプラットホームのCore 2 Duoによるビジネスアプリケーションとウイルススキャンなど複数のアプリケーションを組み合わせるお馴染みの速度比較のデモなど行われた。また、ゲームのデモンストレーションにおいては、UbiSoft Entertainmetが今秋に発売を予定しているファンタジー系のFPS「Dark Messiah of Might and Magic」が披露された。
ステージデモに登場したのは、そのUbiSoft Entertainmentがスポンサードしている女性によるプロゲーマーグループ『FragDolls』。こうした3Dパフォーマンスのデモでゲームが登場するのは定番中の定番だが、プレイヤーもスピーカーもいずれも女性というFPSのデモというのはかなりインパクトが強いものになった。 もう1つの3Dデモは、NVIDIAによるリアルタイムレンダリング。ファンタジックなキャラクターを操作してのリアルタイムレンダリングのほか、MPEG-4/AVC(H.264)のスタンダード、そしてハイディフィニションにおける映像のエンコード/デコードに必要なパフォーマンスの差が8倍にも及ぶことを数値で示してみせた。 Centrinoプラットホームのデモでは、2人の男性がCore 2 Duoと Core Duoのノートブックを手にサンフランシスコからニューヨークを旅客機で横断。機内でゲームなどに興じる様子をお笑いビデオ風に仕上げたものが上演された。映像では、シカゴの手前あたりで残念ながらCore Duoユーザー側のバッテリ残量がなくなり、Core 2 DuoユーザーがPCでソリティアをするかたわらで、機内サービスのトランプを手にする様子などが映し出されて、会場の笑いを誘った。 終了後に行われたQ&Aセッションでは、AMDによるATI買収に関連して「CPUとGPUを統合した製品についての将来の展望は」といった質問も飛び出したが、オッテリーニ社長は「単純に答えるなら、それは“イエス”だ。でも、いまはそれ以上の答えを返すことは出来ないな(笑)」と明言は避けている。 また、今回発表されたCore 2 Duoは、Apple Computerの次期Pro向けデスクトップ製品をはじめ、同社の将来の製品群への搭載が確実視されているが、この件に関しては会場内での言及はなかった。 ローンチイベントの終了後は、デモエリアでそれぞれにデモンストレーションが行なわれた。日本国内の発表会で展示されていたマザーボードやチップ単体の展示はなく、Extreme、Viiv、vPro、Centrino、そしてServerといったプラットホーム別にスタンドを設けたデモンストレーションとなっている。
□Intelのホームページ(英文) (2006年7月28日) [Reported by 矢作晃]
【PC Watchホームページ】
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