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「Core 2 DuoはPentium以来最大の革新」
~インテルCore 2 Duo発表会

Core 2 Duo

7月27日 開催



 インテル株式会社は27日、デスクトップ向けデュアルコアPC「Core 2 Extreme」、および「Core 2 Duo E6000」シリーズを出荷開始したと発表した。

 モデルナンバー/動作周波数/1,000個ロット時の価格は、Core 2 Extreme X6800/2.93GHz/115,900円、Core 2 Duo E6700/2.66GHz/61,490円、E6600/2.40GHz/36,660円、E6400/2.13GHz/25,990円、E6300/1.86GHz/21,230円。

 いずれも65nmプロセスで製造され、2億9,100万トランジスタを集積し、ダイサイズは143平方mm。FSBは1,066MHz、L2キャッシュはX6800/E6700/E6600が4MB(共有)、E6400/E6300が2MB(同)。

 なお27日現在、Core 2 Extremeについては既に秋葉原の一部の店頭で発売されているが、Core 2 Duoシリーズが店頭に並ぶのは8月初旬としている。

「Core 2 Duo T7000/T5000」シリーズ

 同時に、コードネーム“Merom”ことモバイル向けデュアルコアCPU「Core 2 Duo T7000/T5000」シリーズも発表された。

 モデルナンバー/動作周波数は、Core 2 Duo T7600/2.33GHz、T7400/2.16GHz、T7200/2GHz、T5600/1.83GHz、T5500/1.66GHz。FSBは667MHzで、L2キャッシュはT7600/T7400/T7200が4MB(同)、T5600/T5500が2MB(同)。駆動電圧は1.0375V~1.3V。

 なお、価格の発表は8月下旬を予定している。

●Core 2 DuoはPentium以来最大の革新的な製品

Core 2 Duoを手にする吉田正和共同社長

 同日に都内で開催された製品発表会の冒頭では、同社 代表取締役共同社長 吉田正和氏が、「本日は待ちに待ったCore 2 Duoシリーズを発表することとなった。これにより当社はサーバー/デスクトップ/モバイルの全てのセグメントにおいて最新のマイクロアーキテクチャを提供できるようになり、'93年のPentium登場以来、最大ともいえる革新的な製品を供給することになる」と挨拶した。

 同氏は、Pentium登場以来、PCの利用形態が多様化し、多くのPCがインターネットに繋がるようになった。今後、HDビデオやオンラインコンテンツなど、ますますPCの利用形態が多様化することにつれ、より高い処理能力が必要になるとし、「Core 2 Duoはこの多様化するニーズに応えた製品になる」とした。

 また、近年は性能だけでなく、Centrinoプラットフォームのような消費電力にも重視した市場のニーズも増えているとしており、「Core 2 DuoはNetBurstマイクロアーキテクチャとモバイルアーキテクチャの2つの特長を持ちあわせ、高性能と低消費電力のニーズを両立させた」と説明した。

絶対性能と低消費電力に対するニーズの増加 Core 2 Duoの高性能と安定供給をアピール 製品のダイ写真も公開

 加えて、「Core 2 Duoシリーズは65nmプロセスや歪みシリコン、8層の銅配線インターコネクト、low-k絶縁材料などの最先端技術を採用しつつ、世界最大規模の生産能力を持つ我々の工場で生産され、世界市場の要求に応えられる。第2四半期のPC市場は低迷しているが、Core 2シリーズにより、市場の活性化を目指したい」と抱負を語った。

●Viiv/vPro/Centrinoの核となるCore 2 Duo

 続いて同社 マーケティング本部長 阿部剛士氏がCore 2シリーズの特長などについて説明した。

 同氏は、i486からこれまでの製品の進化を紹介し、「マイクロアーキテクチャが486→P5→P6→NetBurst→Coreと推移してきたように、これまで性能を向上させた指針となったのがマイクロアーキテクチャだったが、Coreマイクロアーキテクチャは、Pentiumと並んでこのロードマップの中でも歴史に残るマイルストーンになるだろう」と語った。

 加えて、「ムーアの法則により、'93年のPentiumでは310万個のトランジスタを搭載していたが、Core 2シリーズは2億9,100万トランジスタを集積し、約100倍の数を達成した。8008と比較すると10万倍に近い」と説明した。

マーケティング本部長 阿部剛士氏 アーキテクチャの進化

 Core 2シリーズに搭載されている技術についても説明。最大のポイントとなるのは、14パイプライン/4命令同時実行が可能な“ワイドパイプ”と、複数の分岐命令などを1つの命令にまとめる“マクロフュージョン”を採用した「ワイド・ダイナミック・エグゼキューション」を搭載した点で、最大で33%の性能向上が得られるという。

 メモリのアウトオブオーダー機能の「スマート・メモリ・アクセス」についても説明し、依存性のないデータをプリロードすることによりメモリのレイテンシを隠蔽できるとした。加えて、「アドバンスド・スマート・キャッシュ」では共有L2キャッシュにより、コアごとの負荷に応じてそれぞれのコアが利用するキャッシュ容量を動的に調節できるのが特長。

 また、128bit長のSSE命令をこれまで2サイクルで実行していたが、「アドバンスド・メディア・ブースト」により1クロックで実行できるようになり、単純計算では2倍の性能が得られるようになる。

 消費電力についての取り組みとしては「インテリジェント・パワー」機能が取り上げられ、使用されていないブロックをまめにOFFにすることにより消費電力を抑えられるとした。

「ワイド・ダイナミック・エグゼキューション」では、14パイプ/4命令同時実行のワイドパイプと、2つ命令を1つの命令に単一化するマクロフュージョンを搭載 メインメモリのアウトオブオーダーによりレイテンシを隠蔽 共有型L2キャッシュにより各コアの負荷に応じたL2容量を利用できる
使用されていない各ブロックをOFFにできる「インテリジェント・パワー」 128bit長のSSE命令は1サイクルで実行可能に

 これらにより、Pentium D 960(3.60GHz)とCore 2 Duo E6700との比較では、40%の性能向上と40%の消費電力削減が実現した。実機によるデモも披露され、性能の高さと消費電力の低さをアピールした。

E6700はPentium D 960と比較して40%の性能向上と40%の消費電力の削減に成功 【動画】CineBenchによるレンダリングベンチマークも披露。左がPentium D 960で、右がCore 2 Duo搭載マシン。結果はPentium Dが約45秒、Core 2 Duoが約30秒(WMV形式/643KB) ピーク時の消費電力も約50W削減された

 続いて、プラットフォームへの展開としては、コンシューマ向け「Viiv」、ビジネス向け「vPro」、モバイル向け「Centrino」について取り上げ、「Viivでは性能向上によるユーザー体験の向上、vProでは仮想化などによるセキュリティ機能の向上、Centrinoでは64bit化のサポートなどのメリットがある」とした。

 Viivに関しては、同時に発表された「Intel G965 Express」チップセットにより、新しいデジタルホームプラットフォーム(コードネーム:Bridge Creek)が構築され、ビデオ機能の強化および低消費電力化/静音化に成功した。

 Centrinoは、ユーザーとしては新たに4MBのL2キャッシュと64bitのサポートが大きなメリットとなる。なお、64bit機能は従来の「EM64T」から「Intel 64」と名称変更になった。一方メーカー向けとしては、Intel 945GM Expressとのピン/バス互換が保たれ、開発が容易になっている。

 また、vProに関しては2006年後半に詳細を明らかにするとしている。

Intel G965 Expressの概要 Core 2 DuoはvProプラットフォームのコアになる
モバイルプラットフォームのロードマップ。チップセットは既存のもので対応 Meromの主な特徴 Pentium Mと比較して100%の性能向上と28%の消費電力削減に成功した

 最後に同氏は、「現在さまざまなメーカーから協賛をいただいており、Core 2 Duo搭載PCは2006年後半から提供される。ぜひ期待していただきたい」と語った。

東芝 執行役上席常務 PC&ネットワーク社 能仲久嗣氏

 株式会社東芝 執行役上席常務 PC&ネットワーク社 能仲久嗣氏も登壇し、「コンシューマはHD DVDやブロードバンドコンテンツ、地デジの登場により、高性能なPCへのニーズが高まった。当社ではCore 2 Duoを搭載したQosmioで市場のニーズに応えていく。また、ビジネス向けにはSatelliteで対応していく」と語り、Core 2 Duo搭載ノートを開発していることを明らかにした。

 会場では、未発売のIntel G965 Express搭載マザー、Merom搭載ノートPC、バッファローのネットワークメディアプレーヤーなどが展示された。

G965 Express搭載picoBTXマザー「DG965OZ」 P965 Express搭載ATXマザー「DP965LTC」 G965 Express搭載ATXマザー「DG965RY」
参考出品されたMerom搭載ノートPC Core 2 Duoを搭載し、Viivに対応した超小型PC Viiv対応PCがコンテンツを共有し、バッファローのDLNA対応ネットワークメディアプレーヤー「PC-P3LWG2/DVD」で再生

□インテルのホームページ
http://www.intel.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press2006/060727a.htm
□製品情報
http://www.intel.co.jp/jp/products/processor/core2/
□関連記事
【7月27日】Intel、Conroeの価格とMeromのスペックを公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0727/intel1.htm
【7月14日】インテル、Core 2 Duo/Extremeの詳細情報を公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0714/intel.htm
【5月9日】Intel、次期CPU“Conroe/Merom”の製品名を「Core 2 Duo」に決定
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0509/intel.htm

(2006年7月27日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]

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