6月6日　開催

荒川執行役員

　レノボ・ジャパン株式会社は6日、都内で「Lenovo 3000 V100 Notebook」の製品発表会を実施。発表会では、同社 ビジネス開発事業担当 荒川朋美 執行役員が製品投入の目的や戦略について説明した。

　同氏は登壇直後に「V100の投入により、Lenovo 3000シリーズはラインナップが全て出揃った。このV100はその締めくくりとして、“なんといっても”Core Duo搭載のB5サイズノートPCでありながら129,990円という価格の安さをアピールしたい。これまで当社は価格を前面に出すことはなかったが、今回を皮切りに今後は価格戦略にもフォーカスしていく」と述べ、方針を明らかにした。

　同社の戦略について同氏は、「IBMはこれまで、大企業の要望にあわせた柔軟で大規模、カスタマイズ可能なソリューションを提供してきた。しかし、これは新製品をいち早く入手したいというSOHOや中小企業のニーズにはかけ離れたモデルとなってしまった。そこで当社は、組織を小売向けのビジネス開発事業部(Transactional Sales)とエンタープライズ事業部(Relationship Sales)に分けることで、今後各々のニーズに合わせた異なるビジネスを形成していけるようになる」と述べた。

129,990円を大きくアピール	現在の営業体制	2種類のビジネスモデル

　荒川氏は2005年7月からアジアパシフィックのマーケティングに出向を任命され、Lenovo Chinaのマーケティングサポートを担当していた。同氏は、競合相手としてDellを引き合いに出し、「Dellは直販のみであるため、価格変更や在庫管理は容易で、チャネルを通じて販売を行なうLenovoは、販売店への伝達や在庫の把握など、複雑な仕組みとなっているため不利なはずである」と説明。

　しかし、中国市場ではDellよりもLenovoのほうが市場に浸透しているとし、「これはDellがクイックレスポンスに応えられなかったことに加え、Lenovo Chinaが販売店との強力な販売体系のノウハウによる要因が大きい。今後はLenovo Chinaで得られたノウハウを日本の市場にも生かし、市場拡大を目指したい」とした。

　また、「ビジネス開発事業部は内部に価格調査を行なうチームが存在しており、低価格にもチャレンジしていく。低価格競争への参入によりシェアを獲得していきたい。ビジネス規模についてはエンタープライズ事業とビジネス開発事業は最終的に半分ずつとなるだろう」と述べた。

石田執行役員

　Thinkブランド製品との差別化について、同社 広報・マーケティング&ストラテジー担当 石田聡子執行役員が説明にあたった。

　Lenovoの製品価値に対する概観については、ThinkブランドもLenovoブランドの製品ともにCore Duoを搭載しているが、「デュアルコアであるがゆえに高性能を提供できるという単純な概念ではない。デュアルコアの登場により、さまざまな使い方が生まれ、これまで考えられなかったような使い方が可能になるのではないか」と語った。

　一例としてIntelのvProを取り上げ、「これまではバックラウンドのタスクでウイルスチェックなどのセキュリティの向上を図ってきたが、今後は仮想化技術などにより、バックラウンドにもう1つのOSが実行されそのOS上でウイルスチェックを行なうといったことが可能になる。こういった技術が必須となった時には、ThinkブランドでもLenovoブランドでも同様の標準を提供できるようにしたい」と説明した。

　両製品の比較については、「Lenovo製品はスタンダードを提供していくが、Think製品はさらなる付加価値を与えることで差別化を行なう。Think製品は時代を先取りし、その時点で一番チューンナップされたものをユーザーに提供することで、革新的な使い方を提案していくのが役目。そのため当社はテクノロジーリーダーシップとは名乗らず、イノベーションだと自負している」とし、Think製品独自の戦略を紹介した。

ユーザーの利用方法が年々増加	Intel vProも取り上げられた
Thinkシリーズはこれまでも常にイノベーションを提供し続けてきた	ノートPC開発所を世界各国に配置

　最後に、「長期にわたって同一製品が提供できる“イノベーションの”Think製品と、短期間で新テクノロジをいち早く提供できる“価格の”Lenovo製品は、各々のニーズにあったユーザーに提供していき、今後両立していく」と述べた。

レノボ・ジャパンのホームページ
http://www.lenovo.com/jp/ja/
□ニュースリリース
http://www.lenovo.com/news/jp/ja/2006/06/0606.html
□製品情報
http://www-06.ibm.com/jp/pc/notebooks/3000/v100/lv30v100a.shtml
□関連記事
【6月6日】レノボ、12万円台のCore Duo搭載B5ノート「Lenovo 3000 V100 Notebook」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0606/lenovo1.htm
【3月30日】レノボ、SOHO向けCore Duo搭載「Lenovo 3000 N100 Notebook」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0330/lenovo.htm
【3月6日】レノボ、“Lenovo”ブランドPCを国内に投入
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0306/lenovo1.htm

(2006年6月6日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]