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Belkin、IEEE 802.11nドラフト準拠製品を国内販売
~理論値150Mbps/実効速度75Mbpsを実現

「N1 Wireless Router F5D8231-4」

8月上旬より順次発売



 米Belkinは、IEEE 802.11nドラフトに準拠したワイヤレスネットワーク製品「N1 Wireless」を8月上旬より順次発売する。

 価格および発売時期は、ワイヤレスルーターの「N1 Wireless Router F5D8231-4」が19,800円/8月上旬、PCカードクライアントの「N1 Wireless Notebook Card F5D8011」が12,800円/8月上旬、USBアダプタクライアントの「USB Adapter Card -F5D8051」が未定/10月以降。

「N1 Wireless Notebook Card F5D8011」

 同シリーズは、2007年夏ごろに標準化される予定のIEEE 802.11nのドラフト1.0に準拠し、IEEE 802.11b/gと下位互換を持った製品。Atheros Communicationの無線LANソリューション「XSPAN」を採用し、3本のアンテナを備えた空間多重式MIMOを採用し、3送信×3受信の構成を備える。

 周波数は2.4GHz帯で、転送速度の理論値は40MHz幅を利用した場合最大で300Mbps、実効速度は約150Mbps。しかし、2006年5月現在日本では40MHz幅での使用が禁止されているため20MHz幅を使用しており、理論値が150Mbps、実効速度は約75Mbpsとなる。MIMOの採用により転送距離も長くなっており、最大426mを実現した。

 N1 Wireless Router F5D8231-4は、CPUにIntel IXP 420を採用した有線/無線LANルーター。本体上部にネットワークに接続された無線LAN/有線LANクライアント、ルーター、モデム、インターネットの状況を示すLEDインジケータを配置し、問題が発生している部分をグラフィカルに通知。加えて、背面のポートの色分け、グラフィカルなインストールガイドとインストーラなどを採用し、ユーザビリティに配慮した。

 ISPプロトコルは静的/動的IPアドレス、PPPoE、PPTPに対応。プロトコルはTCP/IP、UDP、CSMA/CD、DHCP、AppleTalk、IPX/SPX、NetBEUIをサポート。セキュリティ面ではWPA/WPA2-Personal、64bit/128bit WEPに対応する。

 インターフェイスはWAN×1、LAN×4で、ともに100Base-TX。有線LANのルーティングスループットは最大95Mbps。設定はWebブラウザ上から行なえるが、付属の簡単インストールソフトウェアの対応OSはWindows 2000/XP、およびMac OS X 10.3.9~10.4.x。

 本体サイズは297×261×106mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.4kg。

 N1 Wireless Notebook Card F5D8011はWindows 2000/XPに対応したCardBus用無線LANカード。暗号化はWPA/WPA2-Personal、64bit/128bit WEPに対応。ネットワークリスト/プロファイル/接続リンク/電力消費/セキュリティの参照/設定が行なえるユーティリティが付属する。

N1 Wireless Router F5D8231-4 背面のポートは色分けされておりユーザビリティに配慮 N1 Wireless Notebook Card F5D8011
実際の利用シーンを想定した展示も

●日本法人設立で本格的にアジア市場の拡大を目指す

 30日に都内で行なわれた製品発表会では、同社アジアパシフィック担当 バイスプレジデント Eric Tong氏が今後の戦略について説明した。

 Belkinは'83年にアメリカで設立され、これまで主に北米市場向けに製品を出荷してきた。北米では知名度が高いものの、アジア地域ではあまり知られておらず進出していない。しかし近年アジア地域での売り上げが無線LAN製品を中心に向上し、2006年には同社総売上の約3割になると見込んでいるという。

 同氏は、「2005年10月にアジア太平洋地域の本拠地であるBelkin Asia Pacificを発足し、2006年5月におよび中国・香港/深センに現地法人を設立した。2006年7月には日本でも“Belkin KK”が発足され、成長と需要が高い日本市場を中心にフォーカスさせる。将来は売り上げの5割をアジア地域が占めることになるだろう」という見解を明らかにした。

 なお、日本法人設立後もマーケティングや販売は引き続きシネックスが行ない、Belkin KKは日本でのブランド認知度を高め、シェアの拡大に注力する。

 質疑応答では、IEEE 802.11n正式策定後の対応について質問がなされ、Eric氏は「ドラフトに大きな変更を加えるのは70%以上の支持が必要になるうえ、これまでの経緯からしても考えにくい。N1 Wirelessシリーズはフルアップグレードが可能なファームウェアを備えており、アップデータの提供により対応できると考えている」と答えた。

アジアパシフィック担当 バイスプレジデント Eric Tong氏 アジア地域における同社のシェア アジア地域の売り上げは総売上の約3割を占めるようになる

□Belkinのホームページ
(5月30日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.belkin.com/jp/
□関連記事
【4月3日】【元麻布】超高速無線LAN規格IEEE 802.11nへの期待
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0403/hot417.htm

(2006年5月30日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]

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