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スピーシーズ、インターネットを利用したコンテンツ配信ロボット「ITR」4月3日発表 スピーシーズ株式会社は3日、インターネットに接続してコンテンツをダウンロードすることを前提とした小型ヒト型ロボット「ITR」を開発し、記者発表を行なった。事業者向けには5月末から、今秋からは一般向けへの販売を目指すという。 ロボットの身長は約33cm、重量1.5kg。自由度は22。胸と手の先に合わせて168個のLEDを持ち、スピーカーを2個搭載している。手先に2つ、胴体上に3つ合わせて7つのスイッチが付いていて、クイズの返答など、ロボットへの入力ができる。CPUはRPU-50(双葉電子工業製)SH3 133MHz。OSはSpeecysOS Rev.2.0。無線LANはIEEE 802.11g。初期設定等にはPCが必要となる。
「ITR」とは「Internet Renaissance」あるいは「インターネット・ロボット」の略称。ロボットの中には基本的には、何も入っておらず、モーションや各種コンテンツなどを全て無線LAN経由で常時接続したサーバーからダウンロードして利用するようになっている。 記者発表では「ココ」と「タロウ」と名づけられた2体のロボットが掛け合い漫才やダンスなどのパフォーマンスを行なった。
スピーシーズの春日知昭社長は「家庭用ロボットは仕事をするよりも、情報を提供することに徹したほうがいいんじゃないか」と述べた。家庭用ロボットを1)価格、2)大きさ・重さ、3)利用目的、4)コンテンツのアップデートという4つのキーワードから考え直し、今回のITRを発表したという。 「従来のロボットは単体でクローズドなものが多かったが、コンテンツをサーバーに入れれば、たとえば男性キャラクターから女性キャラクターに変わることも出来る」と語り、「ITRは世界初のロボット型インターネット・ブラウザ、モーションブラウザだ」と述べた。 ロボットは、サーバー内の新しいコンテンツの有無をロボットが自分でチェックしてユーザーに知らせたり、ロボットから携帯電話にメールを送ったり、携帯電話からサーバー経由でユーザーがロボットを操縦することも可能だ。コンテンツ配信は有料化も検討するが、基本的にコマーシャルを使って無料で行ないたいという。
ロボットの動作等は同社が独自に開発したRTML(Robot Transaction Markup Language)言語で書かれることを前提にしている。「他社とも協力し、RTMLを標準化することで業界を活性化していきたい」(春日社長)という。 ITRは、まずは5月末を目標にして限定300セットの企業向け開発キットを50万円で販売する。それを踏まえて9月上旬には5本の有料コンテンツが付属した一般向けロボットを19万円で販売していく。年内出荷予定台数は3,000台。2年後には30,000台の普及を目指すという。 春日社長は「最終的にはプラットフォーム・ビジネスをやっていきたい」と語る。「コンテンツとロボットを組み合わせることで『第5のメディア』とし、ビジネスを立ち上げたい。そのためにオープンプラットフォームとした」と述べた。他のネットワーク・ロボットの標準化団体との協力については、RTMLの考え方を受け入れてもらえるかどうかだと答えた。同社では今後、キャラクタービジネスなどへの応用も視野に入れてビジネスを進めていくという。 □スピーシーズのホームページ (2006年4月4日)
[Reported by 森山和道]
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