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スピーシーズ、燃料電池搭載二足歩行ロボットを発表スピーシーズ株式会社は28日、燃料電池をロボット用に最適化したロボット用複合燃料電池システム「Speecys Composite Fuel Cell System(CFCS)」を開発し、同システムを搭載した2足歩行ロボット「Speecys-FC」を7月1日から受注開始すると発表した。価格は262万5,000円。 「Speecys-FC」は同社が開発した「Speecys」をベースにしている。Speecysは身長およそ50cm、重量3.7kg、23自由度のロボット。プロセッサユニットに双葉電子工業製の「RPU-100」(CPUはPowerPC 400MHz)、OSにNetBSDをベースに歩行制御エンジンなどを搭載した「SpeecysOS」を使っている。サーボは双葉電子工業製のロボット専用サーボ「RS601CR」。主に研究者向けだが、一般向けにも販売されている。価格は498,000円。 今回発表された「Speecys-FC」は、手首の回転軸、クビの自由度やカメラ・マイクなどを削って軽量化し、燃料電池を搭載したもの。予定販売台数は年間10台で、主に研究用途。同社では本格的な二足歩行ロボットに燃料電池を搭載したのは世界初としている。
ロボットが搭載している燃料電池はパッシブ型固体高分子燃料電池。両肩に2個ずつ、背中に1個搭載されたている。ロボット用にセル数、スタック数を調整したもので、小型燃料電池の研究開発を行なっている株式会社FC-R&Dとスピーシーズ株式会社が共同開発した。定格出力は9.6V、25W。ピーク電流は5Aで、水素消費量は2分/リットル。燃料電池で30分~1時間程度駆動するという。 ロボットは負荷電流が大きく変化するだけではなく、瞬間的に大電流が必要になるときもある。また燃料電池は瞬時に大電流を使うと復活に時間がかかるため、そのままではロボットに使えなかった。そこで5つの燃料電池スタックのうち1つを補助用のアシストスタックとして負荷電流の変動に対応、一方、瞬間的なピーク電流が必要なときには小型ニッケル水素電池を使うことで、ロボット動作時の電流変動に対応する複合燃料電池システムとした。
水素吸蔵合金を使った水素ボンベは頭部にセットされており、そこから燃料電池スタックに水素を供給し、空気中の酸素と反応して発電する仕組み。生成される水は微量なので蒸発していく。 なお水素がなくなったらボンベを同社に送りかえし、詰め直す必要があるという。 スピーシーズの春日知昭社長は、燃料電池をロボットに使ったことについて「ロボットには、ご飯をあげるようにカートリッジを追加するほうがより雰囲気が出る」と述べ、今後は「燃料電池の特性を知ってもらい、利点や問題点を多くのユーザーが把握して、今後の燃料電池メーカーや材料メーカーでの開発促進に期待したい」と語った。 □スピーシーズのホームページ (2005年6月29日)
[Reported by 森山和道]
【PC Watchホームページ】
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