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シチズン、超小型サッカーロボット「Eco-Be!」公開3月6日公開 シチズン時計株式会社は6日、超小型サッカーロボット「Eco-Be!(エコビー)」を公開した。大阪大学大学院工学研究科との連携により、6月にドイツのブレーメンで行なわれる「2006年度ロボカップ世界大会」にエキシビションとして参加する予定。 今回の提携は、大阪市が2004年11月に開設したロボット産業の創出機関「ロボットラボラトリー」の仲介によって実現した、産学連携のプロジェクトとなる。 Eco-Be!は、シチズンの腕時計用小型ステップモーターを内蔵する小型ロボット。従来から同名のロボットは存在したが、今回はさらに小型化を図った。赤外線通信で命令を受信し、前進、後進、右折、左折の動作が可能。移動速度は25mm/秒。機体それぞれにIDが割り当てられており、複数の機体を同時に制御できる。これにより、Eco-Be!同士のサッカーをデモする予定。 本体サイズは18×18×25mm(幅×奥行き×高さ)。今回のモデルはプロトタイプのため重量は未定で、今後、素材を変更して軽量化を図るという。バッテリはコイン型リチウムイオン電池(CR1616)を使用する。 将来的には赤外線制御ではなく、ロボット本体にカメラや加速度センサーを搭載し、自律制御とBluetoothによるロボット間通信によって競技を行なえるようにするという。 前述のとおり、当初は2006年のロボカップで開催される「ロボカップ・シチズン・エコビーリーグ」にてエキシビションとして出場させるもので、競技は行なわない。2007年以降を目処に、競技化を検討する方針。 エキシビションモデルへの取り組みとしては、シチズンが全体機構の設計、部品製作、モータや各デバイスなどハードウェアの提供を行ない、大阪大学大学院工学研究科や株式会社ヴィストンらが制御ソフトウェアなどの開発を行なう。 シチズンはEco-Be!について、同社技術の民生への告知ツールであるとともに、新開発部品の試作向けとして位置付けており、現モデルをそのまま、何らかの実用ロボットに応用するようなことは考慮していないという。
6日に大阪で実施されたシチズンと大阪大学による提携調印式には、大阪市長(ロボカップ大阪大会開催委員会会長)の關淳一氏、大阪大学大学院工学研究科教授 浅田稔氏、シチズン時計株式会社 代表取締役社長 梅原誠氏らが出席した。 關大阪市長は、今回の連携について「ロボットテクノロジーを初めとした次世代産業を育成していくことは、都市経済の活性化にとても重要な意味を持つ」と挨拶。「大阪がロボット産業の先進都市となって発展していくようにしたい」などと発言した。 大阪大学大学院工学研究所教授の浅田氏は、「昨年、ロボカップが大成功を収めたのをきっかけに、ロボットに対する大きな夢をどう展開していくか、ということの1つとして、今回の話を大阪市に仲介していただいた」と経緯を説明。ロボットの技術をロボカップを通じて世界に広めていくため、今回の提携に至ったという。 また同氏は「ロボカップと言えば大きめのロボットを使って行なうことが多く、それなりに広い場所が必要になってしまう。Eco-Be!なら、家庭やオフィスなどでも気軽に動かすことも可能で、研究用途だけでなく、遊び感覚でロボットを学ぶきっかけにしていきたい」などと語った。 シチズン代表取締役社長の梅原氏は、「ロボットを通じて、人間というものは何か、ということを学ぶことができる。こうした研究への熱意は東西関係なく、日々、世界に向けて情報が発信されている。このような中で、大阪においてこうしたプロジェクトが実際されるのは大変うれしい」、「アイザック・アシモフの著書にもあるように、ロボット三原則では、ロボットが人を傷つけないということが挙げられている。そういう意味では国際平和や親善にも役立つのではないか」などと語った。 □シチズンのホームページ (2006年3月7日) [Reported by kiyomiya@impress.co.jp]
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