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TSMC、ムーアの法則は9nm世代まで有効
12月20日 開催 台湾ファウンダリ企業TSMCの日本法人ティーエスエムシージャパン株式会社は20日、都内で記者懇親会を開催した。懇親会には代表取締役社長 馬場久雄氏が出席し、同社の現状や今後のロードマップなどについて紹介した。 同氏はまず台湾本社について紹介し、「2005年度は売り上げが順調に伸び、シェアも拡大した。TSMCでは11の工場が稼動しており、200mmウェハ換算で年間600万枚の生産能力を誇るが、2005年度は100%にほぼ近い稼働率となり好調だった。300mmウェハはFab 12とFab 14についても順調に量産を開始しており、45nmプロセスまで生産の目処が立っている」と説明した。
また、「TSMCでは開発投資も積極的に行なっており、1つの工場へ総額35億ドル(約4,200億円)、新世代プロセスの技術開発へ10億ドル(約1,200億円)以上の投資を行なっている。今後、新プロセスの開発費用はこれまで以上に膨らむ見込みで、ファウンダリ企業各社(の投資額)によって新プロセスの実現時期は異なってくる。(TSMCのような)力のある企業が新技術を他社に先駆けて開発し、業界全体をリードしていく必要がある」と語った。 次世代プロセス開発について、「CMOS技術は現時点で9nmプロセスまでの開発目処が立っており、2024年~2028年頃に実現する見込み。これは過去15年間で10分の1に縮小できた露光技術を、今後20年かけてさらに10分の1に縮小するということではあるが、ムーアの法則は9nm世代まで持続することになる。9nmプロセスの実現には、電力削減のための回路やアーキテクチャーなどに対するイノベーションも必要だ」と話した。
日本国内の現状や今後の展開について同氏は、「世界的に2005年度はグローバル向け半導体の要求が高く、市場が成長したが、日本は国内向けの半導体製品が多く、需要が少なかったため、市場全体が低迷した。そのため当社の売り上げも不振だった」とし、「NVIDIAやATIなど、ファブレスの企業でファウンダリを活用して世界的に成功を収めた企業が多数存在するが、日本ではこうした企業がまだ存在しない。製品をグローバル市場にフォーカスさせ、戦略的にアウトソーシングを活用すれば、日本の半導体産業の発展に繋がるのではないか」とし、ファウンダリの活用を提唱した。
□TSMCのホームページ(英文) (2005年12月21日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
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