NECおよびNECパーソナルプロダクツは、10月22日、23日の2日間、山形県米沢市の米沢市すこやかセンターで、「NECハイテクものづくり教室」を開催した。 米沢市を中心とする山形県内の小学4年生から中学3年生を対象に参加者を募集し、選ばれた親子がそれぞれ15組ずつ、2日間に渡ってノートPCの組み立てに挑んだ。 これは、米沢市産業まつり実行委員会が主催している「第11回米沢市産業まつり テクノフェスティバル2005」の一環として、NECが実施したもの。米沢市に、PCの生産拠点を持つNECパーソナルプロダクツの米沢事業場の社員が、初めての試みとして企画した。
9月15日から10月7日までの期間、米沢市内の小学校、中学校の児童、生徒を対象に約8,000枚のチラシを配布。さらに、市外の企業などにも同様のチラシを配布して、応募のあった先着30人で締め切った。30組のうち、11組が女児の参加。PCを触ったことはあるが自分のPCは持っていない、という子供が多かったようだ。 組み立てたのは、ノートPCの「LaVie A(LA700/DD)」。NECダイレクトでは、約20万円で販売されているが、今回の参加費は10万円としたほか、メモリを512MBから1GBとした組み立てではプラス15,750円、HDDを80GBから100GBへアップグレードした場合には5,250円というオプションサービスも用意した。 さらに、筐体カラーには、市販品のブルー、WEB販売限定のレッドに加えて、今回の組立教室限定カラーとしてオレンジを特別に用意。参加者の約半分がオレンジを指定した。オレンジ色は、今後も発売の予定はないという。 22日は午後1時から15組の親子が参加してスタート。冒頭挨拶に立ったNECパーソナルプロダクツ米沢事業場責任者である長俊太郎氏は、「米沢市から、次代を担う子供たちが参加できるものを企画してくれないか、と言われ、今回のPC組み立て教室を企画した。テクノロジーと物づくりに興味を持ってもらう内容にすること、科学的エッセンスを盛り込んだものにすることを前提とした。今回のみなさんが作ったPCは、ぜひ愛情を持って、使ってほしい」とした。 最初の45分間は、長氏が指摘した「科学的エッセンス」として、NEC基礎・環境研究所の山城緑氏による「形状記憶バイオプラスチック」を使った実験となった。 NECは、世界初となるリサイクル可能な形状記憶プラスチックを開発しているが、その実績を訴える一方、今回は一般的な形状記憶プラスチックを使用した実験を行なった。 会場では、参加者全員にサンプルが配られ、これをお湯につけると、指で折り曲げるだけで形状が簡単に変化することを体験。さらに、これを再度、お湯につけるとプラスチックが元に戻ってしまうことに子供たちは驚いていた。
その後、PCの仕組みの説明を挟んで、PCの組み立てが始まったのが、午後2時5分。2組に1人のインストラクターがついて、参加者の組み立て補助を行なう形で進行した。 最初は、初めてとなるPCの組み立てに、子供たちの間にはやや緊張感が漂っていたが、ドライバーの扱いに慣れ、さらに、自分だけのPCが完成に近づくに従って、目の色がイキイキとしてきたのが印象的だった。 ちょうど2時間を経過した午後4時5分に全員のPCが組み上がり、参加者の間から自然とわき上がった拍手で、お互いの完成を祝った。
だが、完成後には、自分で電源を入れ、動作検査を行なうという工程が用意されており、一瞬の喜びもつかの間、自分で作ったPCが本当に起動するのかどうか、ここが1番の緊張の瞬間となった。指導員の「心の準備ができた人から電源を入れてください」との言葉に、一瞬、会場の雰囲気が和んだ後に、全員がスイッチをON。無事、全員のPCが起動した。 この後、Windowsの初期設定を指導員の指示のもとに行なったほか、基本的な機能が動作するかどうかを全員で確認した。
動作確認までのすべてが終了したのが5時25分。その後、参加者は、NECパーソナルプロダクツPC事業本部開発生産事業部 松原清隆事業部長から修了証を受け取って、すべてが終了した。 参加した中学生は、「配線部分などに細かい作業が多く、その接続が難しかった。また、普段、カナヅチを使って釘を打つことはあっても、ドライバーとネジを使って作業をすることがなかったので、ドライバーに慣れるまでが難しかった。完成したPCは、祖母と一緒に使いたい」と話していた。
今回の組み立て教室の準備を陣頭担当したPC事業本部開発生産事業部の小野寺忠司事業部長代理は、「テクノフェスティバルは、2年に1度の開催だが、今回の経験をもとに、組み立て教室は、年に1回程度は開催していきたいと考えている」と話した。
□NECのホームページ (2005年10月26日) [Text by 大河原克行]
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