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IDF Japan 2005レポート【インテルブース編】

未発表のFuturemark製デュアルコア対応3Dベンチがデモ
~YonahやVTの実機など多数の新技術/製品も展示

Intel Multi-Core Zone

会期:4月7日~8日
会場:ホテル日航東京



 IDF Japan 2005の会場では、「デジタルホーム」、「デジタルエンタープライズ」、「モビリティ」というテーマに分けて、50社以上が展示を行なっている。インテルは各ゾーンに多数のブースを構え、デュアルコアを始め新技術を搭載した製品の実機を展示し、積極的にデモを行なっている。本レポートではそれらインテルブースの模様をお伝えする。

●Futuremarkの新ベンチマーク「Mechanoids」がデモ

 「Intel Multi-Core Zone」と名付けられた一角では、HTとデュアルコアにより4スレッド同時実行可能なPentium Extreme Edition(XE)を搭載したPCを多数展示し、ゲームや画像処理などのデモを行なっている。

 最も手前に展示されていたPCにはFuturemarkの未発表のベンチマークソフト「Mechanoids」をデモしている。未発表のため、従来の3DMarkとの違いなどは不明だが、二足歩行のロボットなどが雪原を闊歩する様子などを収めた3Dもので、物理エンジンに「Havok」を採用している。

 一般的に3D描画性能はGPUの性能に大きく依存するが、MechanoidsはPentium XEの4スレッドに完全対応しており、物理計算を4つのスレッドで並列実行することで、パフォーマンスを上げることができる。

 展示されていた2台のPCのうち、片方はPentium XE 840(3.2GHz)を、もう片方はPentium 4 XE 3.73GHzを搭載していたが、Pentium 4 XE機では3fps程度しか出せていなかったのに対し、Pentium XE機では15fps程度の性能を出しており、クロックが下がってもマルチコアにすることで性能が向上することを示していた。

Pentium Extreme Edition 840搭載機 Futuremarkの未発表のベンチマークソフト「Mechanoids」
Pentium 4 XE 3.73GHz搭載機(左)では3fps以下くらいしかでないものが、Pentium XE 840搭載機では15fps程度出ている

 このほか、3Dエンジン「Unreal Engine 3」、物理エンジン「NovodeX」という最新エンジン2つを採用したアクションゲーム「RoboHordes」、3Dレンダリングベンチマーク「CineBench2003」、動画編集ソフト「Premiere」などがデモ。

 HT同様、4スレッドもアプリケーション側が対応しない限り、1つのアプリケーションの性能はほとんど向上しないが、これらのデモを見ると、第2四半期出荷予定のPentium XEに最適化したアプリケーションは、CPUからそう遅れずに登場しそうな気配だ。

CineBench2003の比較の様子。Pentium XE 840搭載機(右)ではレンダリングが終了しているが、Pentium 4 XE 3.73GHz搭載機(左)では終了していない Pentium XE 840は、デュアルコアとHTで論理CPU数は4となる 「Unreal Engine 3」と「NovodeX」を採用したアクションゲーム「RoboHordes」もPentium XEに最適化

●モバイル向けデュアルコア「Yonah」の実機が展示

 2006年登場予定のモバイル向けデュアルコアCPU「Yonah」の実機も展示されている。米国ではすでに3月に開催されたIDFで展示されたが、日本ではこれが初公開。

 Intel Multi-Core Zoneには、マザーボードむき出しの状態で展示。CPUはヒートシンクファンに覆われ、その姿を直接見ることはできないが、ディスプレイには2つのコアが、1,467MHzで動作していると表示されていた。

 また、Yonah搭載のノートPCと超薄型デスクトップPCのコンセプトモデルがあちこちに展示されている。もともとモバイル向けのプラットフォームを利用しただけあり、デスクトップPCはノートPC程度の大きさしかない。コンセプトモデルのため、これがそのまま製品化されることはないが、来年登場するPCの姿を占う展示として要注目といえる。

開発者向けのYonahシステム CPUは1,467MHzで動作していた Yonah搭載ノートPCのコンセプトモデル
Yonah搭載デスクトップPCのコンセプトモデル。大きさはほとんどノートPCと変わらない その実動デモの様子

●「Ruby」プラットフォーム採用のハンドヘルドTablet PC

 「Ruby」プラットフォームと呼ばれる、超小型Tablet PCのプロトタイプも展示された。Intelラボで研究中の小型プラットフォームで、デモ機は、超低電圧版Pentium M 600MHz、5型液晶、キーボードを搭載。PDAよりは一回り大きいが、重量450gで、十分にハンドヘルドと呼べる大きさ。

 Windows XP Tablet PC Editionを採用しているため、PCと同じインターフェイスを利用でき、PDAのようにPCとデータを同期する必要もない。また、ディスプレイやワイヤレスキーボードにつないで、デスクトップPCのように利用したり、Bluetoothヘッドセットを使って、携帯電話として利用したり、メディアプレイヤーとして利用したりと、これまでにない使い勝手や用途を提供する。

 音楽ファイルの再生時は、不要な回路をOFFにし、ディスプレイ出力も最低限にしたりすることで省電力化を図っており、8時間程度の駆動が可能。プロトタイプのため、本体はかなりの熱を持っていたが、今後2~3年かけてさらなる小型化や改良を図り、製品化する予定という。

「Ruby」プラットフォーム採用のハンドヘルド機。液晶は5型のタッチセンサー式 こちらはRubyとは関係ないが、Pentium M/8.9型液晶を搭載した、携帯メディアプレイヤーのコンセプトモデル。書き込み型DVDも着脱できる

●オンキヨーのPentium 4搭載セットトップボックス

 オンキヨーはインテルのデジタルホームのブースの中で、Pentium 4を搭載したメディアサーバーとDLNAクライアントの試作機を展示している。

 メディアサーバーは、PCアーキテクチャを採用しながら、ブロードバンドコンテンツのサーバー機能のみを提供するという変わり種。GUIは独自のもので、操作もリモコンだけで行なう。

 単機能セットトップボックスに高価なCPUを使うことで、どういうメリットが得られるのか興味が湧くところだが、オンキヨーのスタッフがいなかったため、そのあたりの狙いは確認できなかった。

 一方の、DLNAクライアントは、外観こそAV機器風だが、OSはWindows XPをそのまま使っており、CyberLinkのDTCP/IP対応メディアクライアントソフトを搭載。メディアサーバー内のDRMコンテンツをネットワーク経由で再生していた。

オンキヨーのメディアサーバーの試作機(上) 中身はPentium 4だが、ユーザーインターフェイスは完全に家電志向
こちらはメディアクライアント(下) OSはWindows XPで、DTCP/IP対応のクライアントソフトを使いサーバーのコンテンツにアクセス

●Virtualization Technologyの実動デモ

 仮想化技術「Virtualization Technology」の実動デモも行なわれている。デモ機では1台のPC上でWindows XPとWindows CEが動作しており、クライアントから両方のOSに対してPingを送るデモを行なっていた。

詳しい仕様は不明だが、Virtualization Technologyに対応したPC 2つ表示されているコマンドプロンプトは、1つが仮想マシン上のWindows CEで、もう1つがWindows XP

□IDF Japan 2005のホームページ
http://www.intel.co.jp/jp/idf/index.htm
□関連記事
【3月3日】【IDF Spring】Yonahの稼働モデルが公開される
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0303/idf06.htm
【1月24日】インテル、オンキヨーに7億6,000万円の戦略的投資(AV)
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050124/onkyo.htm

(2005年4月8日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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