[an error occurred while processing the directive]

CeBIT 2005レポート【BTXケース編】

バリエーションの増えてきたBTXケース
~総アルミのフルタワーも

会期:3月10日~16日(現地時間)

会場:独ハノーバー市ハノーバーメッセ(Hannover Messe)



 ATXの後継フォームファクターとして2003年秋に発表されたBTXは、2004年末から秋葉原にも製品が出回り始めたが、製品種類は極めて少なく、まだまだ普及にはほど遠いといった感じだ。

 理由の1つは、ケースメーカーはマザーボードの、マザーボードメーカーはケースの対応製品が市場に潤沢に出てくるタイミングをお互いに見計らっているためと思われる。実際、FICの担当者によると、今回展示していたBTXケースは、すでに仕様やデザインはほとんど固まっているが、出荷を開始するのは2005年の年末と語っており、その頃になれば対応マザーボードがそれなりに発売され、ケースも順調に売れると見ているのだろう。

 このように、単品のBTXケースやBTXマザーボードはもう少しマイナーな存在で居続けそうだが、ベアボーンでは事情は少し違うようだ。ベアボーンであれば、対応ケースやマザーボードの心配をする必要はなく、ユーザーに対しても新フォームファクターという差別ポイントを訴えかけることができることなどもあってか、単品より力を注いでいる様子が見受けられる。

●FIC

 FICはIDF Spring 2005にも展示された重箱風のEntertainment PC「Lifestyle PC」のほか、3種類のBTXケースを展示。いずれも縦置きを前提としたスリムタイプのタワーケース。前述の通り、すでに開発はほとんど終了しているが、出荷は年末頃の予定。

Lifestyle PCことAtlas。先だってのIDFでも展示されたベアボーン。フォームファクターはpicoBTXで、縦置きも可能。Intel 945Gチップセット搭載で、Pentium D(デュアルコア)にも対応する microBTXのJacana。黒をベースとしたシンプルなデザインは日本でも受けが良さそう。出荷開始は年末
microBTXのOsprey。出荷開始は年末 picoBTXのSunbird。先の2つのケースより一回り小さく、光学ドライブはノート用を使用する。出荷開始は年末

●Chenbro

 Chenbroは、BTX/microBTX/picoBTXのそれぞれに対応したケースを展示。全メーカー中BTXに最も力を注いでいたメーカーだろう。特にフルタワー型でアルミニウム製のケースは日本のハイエンドユーザーにも受けが良さそうだ。

BTX対応の総アルミフルタワー Media Center PC向けのmaicroBTXケース picoBTX対応小型ケース
microBTX対応タワー型ケース microBTX対応タワー型ケース。デザインや色の違う面板も用意されている

●Biostar

 Biostarは、Intel/AMD両方のプラットフォームに向けたキューブ型のベアボーン「iDEQシリーズ」を展示。独自のCPUヒートシンクとダクトを装備。ケース前面に装備されたメインのファン以外に、ダクトにもシロッコファンを備え、さらにnForce4チップセット搭載機はチップセットファンも備えるなど、BTXにしてはファンが多い。

picoBTXのキューブ型ベアボーンiDEQ 300G MCE-I。Intel 915Gチップセットで、PCI Express x16、PCI、miniPCI、Gigabit Ethernet、7.1chオーディオ、FMラジオチューナなどを搭載。オプションで無線LANにも対応 フロントパネルが上側に開き、内部にアクセスできる。フロントパネルの裏側以外に、CPUヒートシンクからケース後部へと続くダクトにもファンが取り付けられている
こちらはnForce4搭載のiDEQ 330P。主立った仕様は330Gとほぼ同じ。 内部の様子もほとんど330Gと同じだが、チップセットにもファンが搭載されている

●Cooler Master

 冷却機器で有名なCooler Masterも3種類のBTXケースを展示。フルタワー型ケースは電源は別売で、ATX電源に対応。担当者によれば、すでに持っているATXを電源を流用することでユーザーがコストを抑えられるからだという。フルタワー以外にマイクロタワー、スリムタイプも展示され、いずれもすでに量産開始されているという。

BTX対応のフルタワーケースCM Stacker 820。前面に2個、背面に1個の大型ファンを備え、冷却効果は高そうだ
picoBTXの横置きスリムケース maicroBTXのタワーケース

●Gigabyte

 Gigabyteは、キューブ型ベアボーン「CBシリーズ」、スリム型ベアボーン「FCシリーズ」、タワー型ベアボーン「DAシリーズ」の3製品を展示。いずれも共通のデザインで、フロントパネルが吸気用にメッシュ状になっている。

picoBTXのCBシリーズ。展示品はIntel 915Gチップセットを搭載。筐体上部が横側に開く仕組み。CPUヒートシンクはIntel純正と思われ、BTXの仕様の基本に沿った設計となっている
microBTXのFCシリーズ。こちらもIntel 915Gチップセット搭載 microBTXのDAシリーズ。やはりIntel 915Gチップセットを搭載

●そのほかの製品

 そのほか、会場で見かけた製品を写真で紹介する。

In Win Developmentの横置きスリムケース。ベイやコネクタ類をすべて隠したデザイン こちらもIn Win Developmentのタワーケース Jou Jye Computer Gmbhの横置きスリムケース
Hipo mediaの横置きスリムケース Hipo mediaのタワーケース G-Alantic Enterpriseのタワーケース

□CeBIT 2005のホームページ(英文)
http://www.cebit.de/
□関連記事
【3月5日】【IDF】PreslerやFB-DIMMなど次世代製品が多数展示
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0305/idf08.htm
【2004年11月15日】【多和田】10年ぶりのフォームファクター刷新を目指す「BTX」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1115/tawada36.htm

(2005年3月13日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

【PC Watchホームページ】


PC Watch編集部 pc-watch-info@impress.co.jp
お問い合わせに対して、個別にご回答はいたしません。

Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company.All rights reserved.