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マックストア、HDD製品技術セミナーを開催12月20日開催 日本マックストア株式会社は20日、同社HDD製品についての技術セミナーを開催、未発表HDD製品のデモなどを交えながら解説した。 同社カスタマーサポートエンジニアリング シニアマネージャーの齋藤 勉氏は、同社ストレージ製品を「オンライン」、「ミッドライン」、「ニアライン」、「オフライン」の4つの用途に分類。 その中でもHDD製品については、OLTPなど動的データを扱うハイエンドサーバー向けとなるオンライン用途として、パフォーマンスに優れる「Atlas」シリーズを、参照データサーバーなどのミッドライン、HDD同士のデータバックアップが主な用途となるニアライン用途では、コストパフォーマンスにすぐれた「MaXLine」シリーズを割り当てている。 特にミッドライン/ニアラインでは、パフォーマンス以上に大容量であることが重要で、24時間運用が可能な性能も要求されるという。そのため、通常、コンシューマHDD製品のDiamondMaxシリーズでは、年間電源投入時間は、1週間に1日8時間×5日程度を想定しているのに対し、MaXLine/Atlasシリーズでは、24時間365日(8,760時間)の連続運用が想定されている。 また、HDD稼働中、実際にHDDが動いている時間を表す「I/Oデューティー・サイクル」では、DiamondMaxが5~10%なのに対し、MaxLineが10~20%、Atlasは60~80%と高い。
現在、同社のSCSI製品となるAtlasシリーズの最大容量は300GBと、パラレルATA/シリアルATA製品のMaXLineと横並び状態で、ATA製品の容量的なアドバンテージはないが、来年にはSCSI製品に先行して、500GB容量の製品が登場する見込みという。 シリアルインターフェイスの優位性については、簡素化されたバスによる高いデータ転送速度、低ノイズによる高い信号品質、高い拡張性を備えたデータ転送技術、シンプルなケーブル、コネクタなどを挙げた。これらの理由により、シリアル製品への移行は急速に進むが、当面はパラレル製品なども併売していくという。 対応製品が増加している「SATA II」については、シリアルATA 1.0の拡張仕様とされ、全機能の対応が義務づけられているわけではなく、メーカーは顧客のニーズに合わせて各機能を実装している。そのため、対応機能が製品によって異なる可能性があるという。 SATA IIの機能としては、ネイティブ・コマンド・キューイング(NCQ)、フォースユニットアクセス(FUA)、Set Features/Identify Device/DCOコマンドなどについて説明された。 NCQは、ホスト側から送られてくるコマンドを、ドライブ側で実行順位を並び替えて最適化し、高速化をはかる技術。パラレルインターフェイスでは、デバイス側からコマンドの終了を通知する手段がなく、実現できなかった。 FUAは、電源障害時のデータ消失を防止する機能。通常のHDDでは、Writeコマンドの終了通知は、HDDのバッファに書き込まれた時点で通知される。ディスクへは書き込まれていないため、この時点で停電が起きた場合は、バッファ内のデータは失われる。FUAでは、データをディスクへ書き込んだ時点で終了通知をホストへ返すため、停電などによるデータ消失の可能性を軽減できるという。 Identify Device機能は、HDDがサポートしている機能をホスト側に通知するもの。信号速度やNCQなど固有機能の対応状況を通知することができる。Set Featuresはホストの機能がHDDに通知されるもの。DCO(Device Command Overlay)は、ホスト側からドライブの特定機能を無効にできる機能。 エンタープライズ用途が中心となるSerial Attached SCSI(SAS)についても説明された。SASは、SCSIインターフェイスの次世代技術で、従来のSCSIプロトコルをそのまま利用しながら、シリアルインターフェイスによる高速化を実現するもの。 シリアルATA製品が半二重ポートを備えるのに対して、全二重ポートを備え、1ポートで同時にデータの読み書きが可能。また、2本のシリアルインターフェイスを同時に使用可能な、「デュアルポート」に対応し、約600MB/secのデータ転送を可能にする(SATA IIは300MB/sec)。
なお、会場では15,000rpmの未発表SASドライブを使用したデュアルポート機能のデモが実施され、約550MB/secの実効転送速度をアピールした。
質疑応答では、「年間電源投入時間は、OS側でHDDの電源を制御できるならば、同じことではないか」という質問がされ、「確かにその通りで、コンシューマ製品ではそれで問題はない。しかし、エンタープライズ用途では電源が切れることを許容できない用途に利用されることが多く、24時間の稼働が必要になる」などとした。 また、東芝が14日に発表した、垂直記録方式を採用したHDDの製品化については、「待ちに待った技術であり、ようやく実用化されたという感があるが、マックストアとしては、取り組み方がやや異なる。マックストアの製品は3.5インチHDDがメインで、非常に大きいボリュームゾーンがターゲットとなる。そのため、新しいテクノロジには簡単に移行できない。信頼性とコスト面から量産に耐えうると判断した段階で、市場に投入するつもりだ」などと説明し、具体的な投入時期などの明言は避けた。 同社が未参入の2.5インチHDD製品についても、「常に視野に入れてはいるが、なかなか製品化ができない。今は参入タイミングを伺っている時期だが、そう遠くない将来に発表したい」とした。 □日本マックストアのホームページ (2004年12月20日) [Reported by kiyomiya@impress.co.jp]
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