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NEC、個人向けパソコン事業は前年割れ
~中古パソコンは累計出荷1万台に

片山徹社長

7月16日 発表



 NECの個人向けパソコン事業を担当するNECパーソナルプロダクツの片山徹社長は、NECの個人向けパソコン事業の上期実績が前年割れとなる見通しであることを明らかにした。

 2004年度第1四半期は(4~6月)は、前年度の黒字転換から引き続き、パソコン事業全体の黒字化を維持したとするものの、個人向けパソコン事業に関しては、出荷台数ベースで前年割れのマイナス成長になったという。

 「アテネオリンピックの需要を取り込めなかったこと、昨年の冷夏から一転して猛暑となり、エアコンが前年に比べて3倍増の売れ行きを見せていることなど、消費者の関心がパソコンまでまわらないことが影響している」としており、「このままでは上期は前年割れとなるのは確実といえる」との見通しを示した。

 注目されるのは下期からの巻き返しだが、これに関しても、「起爆剤となるものがなく、個人向け製品に関しては、通期で前年比トントンにまで巻き返せるかどうかが焦点」とした。

 2003年度は、下期に回復基調に転じていたことから、2004年度下期で前年対比で巻き返すには悪条件となるが、「なんとか上期の停滞分を、下期で巻き返したい」と意欲を見せた。

 そうした意味で、パソコン事業全体の行方を左右するのは企業向けパソコンの動向。第1四半期の実績では、前年同期比2桁増になった模様で、「企業需要は、今後も安定的な成長が見込める」と期待を寄せる。

 同社によれば、企業向けパソコン事業は、第1四半期の好調ぶりを背景に、当初の事業計画よりも強気の数値へと修正する可能性もあるという。

リフレッシュドPCの出荷推移

 一方、昨年7月から事業を開始した中古パソコン「NECリフレッシュドPC」の累計出荷が、今年7月で1万台を突破したことを明らかにした。

 4月に累計出荷5,000台を達成して以降、現在、月1,000台から2,000台規模の出荷が可能な体制を維持しており、昨年9月の第1号機の出荷開始以来、11カ月での1万台突破となった。

 今後、新たに企業からの回収スキームを用意することで、リフレッシュドPCのベースとなる製品の調達体制を強化。これにより、出荷台数を拡大していく方針を示す。

 NECパーソナルプロダクツPC事業本部マーケティング本部・小沢昇シニアエキスパートは、「パソコン本体の低価格化や、企業の生産性の追求、Windowsのサポート期間といった問題で、今後、企業においても3年から4年でパソコンを置き換えるといった需要が増加することになるだろう。これにより、リフレッシュドPCのベースとなるパソコンをさらに調達できるようになる」としている。

 ディーラーにおいても、新たな製品の導入提案のなかで、使用しているパソコンを買い取る提案が新たに可能になることから、企業ユーザーにおける初期導入コストの低減にも寄与できるとして、ディーラーにも協力を呼びかけていく考え。

 「将来的には、個人向けからの回収よりも、企業から調達したパソコンの比率の方が上回る可能性がある」としている。

 企業から回収したVersaPro、MATEは、企業に販売するのではなく、量販店を通じて個人を対象に販売していく考えで、中古パソコン戦略の対象はあくまでも個人ユーザーだとしている。

 中古とはいえ、企業向けブランドのMATE、VersaProを個人ユーザーにいかに販売していくのかも焦点だろう。

 現在、リフレッシュドPCは、群馬事業場で約20人の社員により再生作業が行なわれているが、調達できる台数の増加にあわせて柔軟に増員できる体制をとっているという。

 また、これまでは、マーケティング、営業、修理のそれぞれの部門ごとにリフレッシュドPCの担当者を置いていたが、7月からは保守サポート事業部のなかに各担当者を統合。リフレッシュドPC事業の責任体制を明確化することで事業を加速する考えだ。

 なお、中古パソコンの初期1年間の収益性に関しては、「赤字にならない程度だった」(NECパーソナルプロダクツ保守サービス担当、群馬事業場責任者 加藤秀章執行役員)としており、2年目は取り扱い台数の増加によって、さらに黒字体質を確実なものにしていく考えを示している。


リフレッシュドPCのパッケージ 出荷を待つリフレッシュドPC 累計出荷台数が1万台に到達

□NECのホームページ
http://www.nec.co.jp/
□関連記事
【4月28日】NEC、PC事業の通期黒字化を達成
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0428/nec.htm
【2003年7月28日】【大河原】IBM vs NEC、2つの異なるRefreshed PC戦略
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0728/gyokai67.htm

(2004年7月20日)

[Reported by 大河原克行]


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