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アップル、PowerBook G4など新製品説明会開催
~銀座店は好調だが、日本法人の売上減少

アップルストア銀座

4月22日 開催

連絡先:Apple Storeコールセンター
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 アップルコンピュータ株式会社は22日、4月13日そして19日にそれぞれ発表したeMacおよびPowerBook G4、iBook G4をはじめとする新ラインナップの説明会を開催した。

 製品説明に先立ち挨拶した同社の竹林賢広報部長は、4月15日に発表された同社の第2四半期(2004年1月~3月)の業績について触れた。公式発表のとおり、世界的にはiPodやiTunes Music Storeなどの好調を受け、前年同期比で3倍を超える純利益4,600万ドルを達成しているが、日本法人としての成果は意外にも前年同期比でマイナスになっているという。

 これは、昨年11月に銀座にオープンした「Apple Store Giza」の経営が米国本社の直轄になっているためで、週あたり100万ドルに達するという同店舗の売り上げが直接米国本社に計上されている。

 同社は現地法人単体での決算は公表していないため細かい数字までは確認できないが、日本法人としての売り上げは減少しているものの、日本市場から得られる売り上げや利益などは横ばいか、あるいはプラスに推移しているものと推察される。

 PowerBook G4およびiBook G4については、ポータブル製品のプロダクトマーケティングを担当する福島哲氏から説明があった。既報のとおり、今回発表されたラインナップはCPUのクロックアップをはじめGPU、メモリ、HDD容量などの強化を中心としたマイナーチェンジと位置づけることができ、外観デザインやインターフェースなどには一切手が加えられていない。

AirMac Extreme ベースステーション(PoEモデル)の紹介をするポータブル製品のプロダクトマーケティングを担当する福島哲氏 説明会会場に用意されたPowerBook G4の新ラインナップ。左から12インチ、15インチ、17インチ。従来モデルとインターフェースの種類、配置などは一切変更されていない

 反面、前モデルでは上位モデルのみだった仕様が全機種に行き渡るなど、機能面やコストパフォーマンスの点では完成された構成となり「近年のポータブル製品としてはまれにみるほど充実したラインナップ」と同氏はコメントしている。

 今回15型と17型のPowerBook G4に搭載されているPowerPC G4のクロック周波数は1.5GHzとなり、レベル3キャッシュの有無などで実際のパフォーマンスは異なるとしても、数字上はG4搭載機としては過去最高だったデスクトップ製品PowerMac G4の1.42GHzを超えるクロック周波数を実現している。また、搭載されるGPUも12型モデルでは、NVIDIA製GeForece FX Go 5200、15型と17型モデルではATI製Mobility RADEON 9700が採用され、すべての製品に64MBビデオメモリが搭載されているのも特徴といえるだろう。

 なお、15型の上位モデルと17型モデルではBTOオプションによってビデオメモリを128MBへ拡張することも可能となっている。その他、PowerBook G4ラインナップの従来モデルとの変更点は表としてまとめた。ちなみにAppleStoreにおける参考価格は、比較しやすいように従来モデルに関しても消費税込みの価格としている。

【PowerBook G4 15/17インチ 新モデル(2004年4月19日発表)】
 は前モデルからの変更点
 15インチコンボドライブ15インチSuperDrive17インチSuperDrive
M9421J/AM9422J/AM9462J/A
CPUクロック周波数1.33GHz1.5GHz1.5GHz
2次キャッシュ512KB512KB512KB
システムバス167MHz167MHz167MHz
搭載メモリ(標準メモリ/最大メモリ)DDR333MHz (256MB/2GB)DDR333MHz (512MB/2GB)DDR333MHz (512MB/2GB)
HDD容量60GB80GB80GB
光学ドライブコンボドライブSuperDriveSuperDrive
グラフィックプロセッサATI MobilityRADEON9700ATI MobilityRADEON9700ATI MobilityRADEON9700
ビデオメモリ64MB64MB(BTOで128MBに拡張可能)64MB(BTOで128MBに拡張可能)
AIrMac Extreme標準搭載標準搭載標準搭載
AppleStore価格(税込み)237,090円293,790円330,540円

【PowerBook G4 15/17インチ 旧モデル(2003年9月16日発表)】
 15インチコンボドライブ15インチSuperDrive17インチSuperDrive
M8980J/AM8981J/AM9110J/A
CPUクロック周波数1GHz1.25GHz1.33GHz
2次キャッシュ512KB512KB512KB
システムバス167MHz167MHz167MHz
搭載メモリ(標準メモリ/最大メモリ)DDR333MHz (256MB/2GB)DDR333MHz (512MB/2GB)DDR333MHz (512MB/2GB)
HDD容量60GB80GB80GB
光学ドライブコンボドライブSuperDriveSuperDrive
グラフィックプロセッサATI MobilityRADEON9600ATI MobilityRADEON9600ATI MobilityRADEON9600
ビデオメモリ64MB64MB64MB
AIrMac Extremeオプション標準搭載標準搭載
AppleStore価格(税込み)262,290円335,790円378,790円

【PowerBook G4 12インチ 新モデル(2004年4月19日発表)】
 は前モデルからの変更点
 12インチコンボドライブ12インチSuperDrive
M9183J/AM9184J/A
CPUクロック周波数1.33GHz1.33GHz
2次キャッシュ512KB512KB
システムバス167MHz167MHz
搭載メモリ(標準メモリ/最大メモリ)DDR333MHz (256MB/2GB)DDR333MHz (256MB/2GB)
HDD容量60GB60GB
光学ドライブコンボドライブSuperDrive
グラフィックプロセッサNVIDIA GeForce Go5200NVIDIA GeForce Go5200
ビデオメモリ64MB64MB
AIrMac Extreme標準搭載標準搭載
AppleStore価格(税込み)188,790円209,790円

【PowerBook G4 12インチ 旧モデル(2003年9月16日発表)】
 12インチコンボドライブ12インチSuperDrive
M9007J/AM9008J/A
CPUクロック周波数1GHz1GHz
2次キャッシュ256KB256KB
システムバス133MHz133MHz
搭載メモリ(標準メモリ/最大メモリ)DDR333MHz (256MB/2GB)DDR333MHz (256MB/2GB)
HDD容量40GB40GB
光学ドライブコンボドライブSuperDrive
グラフィックプロセッサNVIDIA GeForce Go5200NVIDIA GeForce Go5200
ビデオメモリ32MB32MB
AIrMac Extremeオプションオプション
AppleStore価格(税込み)209,790円236,090円

左から12インチiBook G4、14インチiBook G4、eMac。こちらもPowerBook G4と同じくインターフェースの種類、配置ともに従来モデルとの違いはない

 iBook G4はメモリアーキテクチャの改良がポイントになる。オンボードのメモリが256MBとなり、最大1.25GBまで増設可能となった。

 GPUもATI製のMobility RADEON 9200を採用し、32MBのビデオメモリを搭載。無線LAN機能もIEEE 802.11gに対応するAirMac Extremeが新たに利用できるようになっている。BTOでSuperDrive搭載が選べるようになった点も大きい。iBook G4に関しても従来モデルとの比較を表にしてまとめてみた。


【iBook G4 新モデル(2004年4月19日発表)】
 は前モデルからの変更点
 12インチコンボドライブ14インチコンボドライブ14インチコンボドライブ
M9426J/AM9418J/AM9419J/A
CPUクロック周波数1GHz1GHz1.2GHz
2次キャッシュ512KB512KB512KB
システムバス133MHz133MHz133MHz
搭載メモリ(標準メモリ/最大メモリ)DDR266MHz 256MB/1.25GBDDR266MHz 256MB/1.25GBDDR266MHz 256MB/1.25GB
HDD容量30GB40GB60GB
光学ドライブコンボドライブコンボドライブBTOでSuperDriveに対応
グラフィックプロセッサ ATI Mobility Radeon 9200 ATI Mobility Radeon 9200 ATI Mobility Radeon 9200
ビデオメモリ32MB DDR SDRAM32MB DDR SDRAM32MB DDR SDRAM
AIrMac Extremeオプションオプション標準搭載
AppleStore価格(税込み)125,790円146,790円167,790円

【iBook G4 旧モデル(2003年10月22日発表)】
 12インチコンボドライブ14インチコンボドライブ14インチコンボドライブ
CPUクロック周波数800MHz933MHz1GHz
2次キャッシュ256KB256KB256KB
システムバス133MHz133MHz133MHz
搭載メモリ(標準メモリ/最大メモリ)DDR266MHz 128MB/640MBDDR266MHz 128MB/640MBDDR266MHz 128MB/640MB
HDD容量30GB40GB60GB
光学ドライブコンボドライブコンボドライブコンボドライブ
グラフィックプロセッサ ATI Mobility Radeon 9200 ATI Mobility Radeon 9200 ATI Mobility Radeon 9200
ビデオメモリ32MB DDR SDRAM32MB DDR SDRAM32MB DDR SDRAM
AIrMac Extremeオプションオプションオプション
AppleStore価格(税込み)131,040円157,290円178,290円

 ポータブル関連製品として、19日より販売されているPower over Ethernetに対応した無線LANルーター「AirMac Extreme ベースステーション(PoEモデル)」の紹介とデモも行なわれた。最大の特徴は、IEEE 802.3af、PDclass 0に準拠したカテゴリー5のEthernetケーブルを経由して電力の供給を受け稼働することができるという点である。

 福島氏はAirMac Extreme製品のターゲットとして、ホーム、ビジネス、教育の3分野をあげたが、従来製品ではホームにおけるニーズには応えられても、ビジネス、教育に関しては決め手に欠ける点もあったとして、PoEモデルのビジネス、教育市場での需要に期待を寄せた。

Ethernetケーブルのみの接続で稼働しているAirMac Extreme ベースステーション(PoEモデル)。Power over Ethernetを利用するには、IEEE 802.3af PSEに準拠した給電デバイスが必要で、この日はPlanex製のハブを使ってデモが行われた

 ビジネス、教育市場向けのアドバンテージとしては、PoEの搭載で大規模事業所やキャンパスなど広い設置エリアにおいて追加の電源工事などを不要とし、設置位置の柔軟性とコストの削減を図ることができるものとしている。また、現在は競合する他社製品に比べて低価格ということもあり、(AirMac Extremeの設定に必要なMacを最低1台加えて導入しても)ビジネス需要など大量の購入においてはコストパフォーマンスが高いとしている。

 AirMac Extreme ベースステーション(PoEモデル)のパッケージには、こうしたビジネス、教育市場の需要に応えるべく、複数のベースステーションの最適な設置位置をサポートするための「AirMacクライアントモニタ」、複数のベースステーションを一括でリモート管理、モニタするための「AirMacマネジメントユーティリティ」の2つのユーティリティが新たに付属するようになった。これらは、既存のAirMac製品ユーザー向けにも、まもなく同社ホームページからのダウンロードによる入手が可能になる。

 PoEモデルのデザインは従来のAirMac Extreme ベースステーションと全くかわらない。PoEモデルを含めて現行の製品となる3モデルを外観で区別するには、インターフェースの部分の外部アンテナ端子、内蔵モデム用モジュラジャックの有無などで可能だ。PoEモデルには、これまでの上位モデル同様に外部アンテナを接続する端子は用意されているが、内蔵モデム機能はカットされている。

AirMacクライアントモニタは、ベースステーションの最適な設置位置を決めるためのユーティリティ。信号およびノイズの強度などをリアルタイムで表示する AirMacマネジメントユーティリティは、複数のベースステーションを簡単に一括で管理するユーティリティ AirMacマネジメントユーティリティでは、現在ベースステーションに接続されているクライアントの状況をモニタすることもできる
AirMacクライアントモニタのデモ。転送レートが0になっているのは、デモ機のベースステーションが外部に接続されていないため。信号の強度は緑で、ノイズは赤で表示されている AirMacマネジメントユーティリティのデモ。あらかじめ用意した設定ファイルの情報を書き込んだり、稼働状況などのチェックを一括で行なうことができる PoEモデルに限らず、最新のファームウェアを利用するとベースステーションの出力の調整が従来のスライドバーではなく、ミリワット単位で行なうことができる

 eMacに関しては、プロダクトマーケティングの小尾秀男氏からの説明となった。こちらの強化ポイントもCPU関連で、従来モデルでは1GHzだったPowerPC G4のクロック周波数が1.25GHzに、システムバスが133MHzから167MHzへと強化されている。また、GPUにATI製のRADEON 9200を搭載するようになった。

 SuperDriveモデルは、従来の最大4倍速から最大8倍速へと速度アップも図られている。アップル純正の8倍速対応DVD-Rメディアは4月下旬から販売が開始される。これまで、USBアダプタをによる対応だったBluetooth機能も、他のラインナップ同様にBTOによる内蔵が可能になっている。こちらも従来モデルとの比較を表にしてある。

【eMac 新モデル(2004年4月13日発表)】
 は前モデルからの変更点
 コンボドライブSuperDrive
M9425J/AM9461J/A
CPUクロック周波数1.25GHz1.25GHz
システムバス167MHz167MHz
搭載メモリ(標準メモリ/最大メモリ)DDR333MHz (256MB/1GB)DDR333MHz (256MB/1GB)
HDD容量40GB80GB
光学ドライブコンボドライブSuperDrive
グラフィックプロセッサATI RADEON9200ATI RADEON9200
ビデオメモリ32MB32MB
AIrMac Extremeオプションオプション
AppleStore価格(税込み)92,490円115,290円

【eMac 旧モデル(2003年5月7日発表)】
 コンボドライブSuperDrive
CPUクロック周波数1GHz1GHz
システムバス133MHz133MHz
搭載メモリ(標準メモリ/最大メモリ)DDR266MHz (128MB/1GB)DDR266MHz (256MB/1GB)
HDD容量60GB80GB
光学ドライブコンボドライブSuperDrive
グラフィックプロセッサATI RADEON7200ATI RADEON7200
ビデオメモリ32MB32MB
AIrMac Extremeオプションオプション
AppleStore価格(税込み)131,040円167,790円

 今回発表されたラインナップを福島氏の言葉を借りて総括すると、PowerBook G4に限らずすべてにおいて“充実した構成”といえるだろう。初期ラインナップにめだつ上位モデルでは採用されているスペックが下位モデルでは一段階落ちている……といった要素が非常に少なくなり、現在可能な部分は全部入れてあるという印象が強い。言い換えれば“いずれも枯れたスペックになった”と考えられるわけで、ユーザーにとっては、予算に合わせて安心してチョイスできるラインナップになったともいえる。

□アップルコンピュータのホームページ
http://www.apple.co.jp/
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0414/apple.htm
【2003年12月1日】「アップルストア 銀座」がオープン
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1201/apple.htm

(2004年4月22日)

[Reported by 矢作 晃]


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