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マイクロソフト、Tablet PC Edition 2004を来年第2四半期に
~新たなアプリケーションや導入事例を紹介

会場に展示されていた東芝の12型SXGA+液晶搭載Tablet PC「dynabook SS M200」

2004年第2四半期提供

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 マイクロソフト株式会社は、Tablet PC用OS「Windows XP Tablet PC Edition 2004 日本語版」(TPE 2004)を2004年第2四半期より提供すると発表した。

 現行TPEユーザーには無償アップグレードが提供される。また、プリインストール機が2004年夏から発売される。

●入力関連で機能向上

 TPE 2004では、主に手書き入力関連の機能が改良されている。従来、画面下部に固定されていた手書き入力パネルが、入力位置付近にポップアップ表示されるようになり(Auto Pop Up)、長文入力時には自動的にパネルが伸び、パネルで入力できる文字数が増えるようになった(Auto Grow)。

 さらに、入力パネル上でカナ漢字変換ができるようになった(KKC on TIP)ほか、カナ漢字と混在した状態で英文字の筆記体入力が可能になった。

左の画面がTPE 2004、右が現行バージョン。入力位置のすぐ近くに入力パネルが表示される「Auto Pop Up」。現行バージョンでは画面下が入力パネルで隠れてしまうが、TPE 2004では画面下のフィールドにも、スクロールすることなく入力できる 長い文章を入力するときは、自動的に入力マスが増え、一気に入力できる「Auto Grow」 入力マス下のバーでカナ漢字変換ができる「KKC on TIP」
英単語入力モードにすると、筆記体入力が可能になる

 これらの機能は、MS-IMEの機能として提供されるのではなく、OSの機能として提供される。したがって、ATOKなどの入力ソフトでもこうした機能を利用できるという。

●日本では“お絵描き”が人気

 同社は9日、Tablet PCに関する報道関係者向けのラウンドテーブル(質疑応答会)を開催。TPE 2004の概要とともに、Tablet PCの現状、導入事例などを説明した。

 この中で、日本のユーザーに人気のシナリオとして「(Tablet PCで)絵を描く」ことを紹介。これに関連して、エイリアス システムズ株式会社のTablet PC用スケッチソフト「Alias SketchBook Pro」と、株式会社ワコムの筆圧感知ドライバを紹介した。

Alias SketchBook Pro。画面左下のダイヤル状のコントロールで操作する

 SketchBook Proは、ペンによるペイントソフトだが、スクリーンキャプチャ機能やメール送信機能を備え、ビジネスにも使えるよう配慮されたソフト。通常のグラフィックスソフトのようなパレットやボタン群は無く、ペン操作用に開発されたダイヤル状のインターフェイスを持つ。

 価格は24,800円で、12日より発売される。また、15日間限定のトライアル版ダウンロードも12月中に開始される。

 ワコムの筆圧感知ドライバは、Windowsでタブレットを使うためのAPI(wintab)用に開発されたアプリケーションを、Tablet PCに対応させるためのドライバ。ワコムの外付けタブレットで筆圧感知に対応したAdobe IllustratorやAdobe Photshopのようなアプリケーションが、Tablet PCでも筆圧感知可能になる。2004年2月にリリースされる予定。

●大量導入事例もあるが

 Tablet PCの導入事例として、100円ショップの在庫管理や病院の電子カルテ端末、建設会社の検査チェック端末、小学校での生徒用端末としての導入例を紹介。また、事故現場の実況見分調書作成アプリケーションなどの業務用アプリケーションも紹介された。

西松建設の導入事例。建築物の検査用アプリケーション。図面上に要修理箇所と修理内容を入力する。入力する語句はポップアップウィンドウから選択する。導入以前はすべての図面を紙に出力し、検査時の記入内容をコンピュータに入力しなおしていた。導入後は業務時間を50%、紙の量を45%削減できたとしている 三木市立緑が丘小学校の導入事例。生徒に1台ずつ、富士通のTablet PCを使わせている。写真はディスプレイに定規を置いて、Tablet PC上で直線をひいている生徒の様子 タクトシステムズの事故現場実況見分アプリケーション「VisiKenbun」。管内の交差点や、車、人などの要素はあらかじめライブラリとして登録。車などのオブジェクトには、車名、年式、破損状況などの情報をもたせることができる。写真は血痕オブジェクトを配置しているところ

 ただし、紹介された事例はTablet PCの発表前からペン・コンピュータの導入が検討されていた事例であり、いわば、ペン・コンピュータの代替として採用されたものばかり。同社は、業務用途への導入には製品登場から18カ月ほどかかるのが通例としており、登場から12カ月のTablt PCでは、Tablet PCならではの機能を見込んだ導入事例がまだ紹介できる状況にないとした。

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=1789
□関連記事
【2002年8月28日】マイクロソフト、Windows XP Tablet PC Editionを日米同時発売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0828/ms.htm
【11月18日】Microsoft、「Windows XP Tablet PC Edtion 2004」を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1118/ms.htm

(2003年12月9日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]


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