●ビックカメラの集大成を目指す
旧生活創庫名古屋駅店跡地に出店する同店は、売り場面積15,389平方m(4,655坪)と、札幌店、有楽町店に次ぐ同社3番目の売り場面積を誇り、地下街でJR名古屋駅に直結していることから、雨にぬれずに買い物ができるという利便性ももっている。 同社では、「ビックカメラのコンセプトである『ショッピングは最大のレジャー』と位置付け、取り扱いアイテムは、カメラ・ビジュアル・オーディオ・パソコン・家電・通信・TVゲームから、羽毛ふとん・ゴルフ・テニス用品・自転車・おもちゃ・メガネ・酒まで、首都圏の旗艦店舗を超える品揃えを網羅するビックカメラの集大成となる」としている。 また、実演コーナー、提案コーナーを随所に設けるほか、写真セミナー講座を始めとする様々なジャンルで体験型セミナーを実施する。 PC/情報通信コーナーでは、「パソコンなんでもご相談カウンター」、「インターネット受付カウンター」を設置。そのほか、「ドコモショップ」、「まとめ買いカウンター」、「ラッピングカウンター」、「ローンカウンター」、「修理・特注お渡しカウンター」などに加え、「オフィス丸ごと承ります」をモットーとした法人営業室を開設、企業需要にも対応できる体制を確立する。
ビックカメラの宮嶋宏幸取締役営業本部長は、「当初は、名古屋駅前店という名称も考えたが、名古屋の人には駅前というと東口を思いうかべるようだ。そこで、あえて駅西店という名称をつけ、西側にあるということを表現した」と話す。 商圏は、東は豊田、西は四日市、北は大垣、多治見までを想定しており、「津や豊橋などからの来店も期待している」という。駅前という利便性はあるが、ビルのなかに駐車場がないという問題も抱える。この点に関しては、近隣21カ所に3,000台の提携駐車場を確保することで解決を図る考え。 営業時間は午前10時から午後9時まで。年中無休。初年度の売り上げ目標は100億円。 店長の行方伸介氏が三重県津の出身であるのをはじめ、アルバイトを含めて8割が地元採用。「地元の声を聞いて新しいスタイルの店舗を追求したい」(宮嶋取締役)としている。 オープン日となる11月7日は午前10時に開店。当日は、3万人の集客を見込み、そのうち2万人が実際に購入すると想定。初日だけで1億円の売り上げを予定している。 オープンニングセールとして、7日から16日まで特別価格での販売を行なう。 758(ナゴヤ)にちなんだ758,000円の特別セット商品なども用意する予定。
●地下1階、地上5階の6フロア
地下1階が、カメラおよび写真用品、セミナー教室を設置。酒類の販売コーナーも設置される。 1階は、デジタルカメラや、電話機/FAX、携帯電話、ゲーム、CD/DVDソフトなど。 2階は、TV、ビデオデッキ、DVDプレーヤー/レコーダーなどのビジュアル関連製品および、ポータブルMD/CD、コンポ、ラジカセ、PCオーディオなどのオーディオ関連製品。さらに、デジタルビデオカメラ、ホームシアター、時計などの展示販売も行なわれる。 3階は、パソコン周辺機器およびパソコンサプライ、中古パソコンのほか、ゴルフ/テニス用品、自転車など。ゴルフの試打室も設置される。 4階は、パソコン本体およびプリンタ、スキャナ。このフロアには、パソコン何でもご相談カウンター、インターネット受付カウンター、法人ご相談カウンター、ローンカウンターなどの各種カウンターが配置される。 5階は、家電製品のフロアで、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、掃除機、レンジ、炊飯器、照明器具などのほか、寝具、おもちゃのコーナーもある。まとめ買いカウンター、修理・特注品お渡しカウンターも同フロアにある。
なお、店舗内には、6つの異業種専門店が同時出店する。地下1階はアミューズメントスポット「Zippy」、2階には、産地直送素材を活かした本物志向のジェラートと生ジュースの「ラケーリカフェ」、4階にカジュアルシューズショップ「ASBEE」、6階には「ヴィレッジヴァンガード」、リラクゼーションスポットの「コリとりステーション」、シルバーアクセサリーなどの「ams.」の6店が出店する。 「当店は価格だけでなく、品揃えや実際に触って試せるといった付加価値や、サービス、ポイント制度といった点での差別化を追求しているのが特徴。また、他のテナントとの相乗効果も期待できる。50万アイテムの品揃えを武器にしたい」(宮嶋取締役)と語る。 同社の差別化の切り札となるポイントカードの会員は年内20万件の獲得を見込む。 今回の出店は、ビックカメラとビックピーカンが合併してから初の出店となる。その融合効果が期待されるところだが、AV機器の売り場にウィンドウズメディアセンターが展示されているといった取り組み以外は、残念ながら、あまりその効果が見られていない。この点に関して行方店長は、「いろいろな角度から模索している段階で、まだ改良が必要だと考えている。だが、すでに人的な面での融合が図られており、目に見えない点で効果が出ているはず」とした。
大須電気街との主導権争いについては、「ライバル意識はあまりない。いいところは見習っていきたいし、パソコンでも負けない店舗をつくりたい。大須電気街は古い街であり、不思議な魅力を持った街である。大須の店舗はパワーもあるし、バッティングする部分もあるが、名古屋駅前には、ターミナルという点で、大きな商圏を抱えるという違った特徴があり、これを生かしたい」とした。 ●地元大手量販エイデン社長、「いい戦いができるはず」とコメント 一方、今回のビックカメラの名古屋出店に関して、地元の最大手家電量販店であるエイデンの岡嶋昇一社長は、「いままでカメラ量販店が出てこなかったことの方が不思議だった」と前置きし、「影響があるのは当然のこと。しかし、戦い方はあると考えている。秋葉原電気街や日本橋電気街の前例がある一方で、仙台や福岡などでは、地元家電量販店が善戦しているという状況もある。地元企業ならではの強みを活かすこともできると考えている」と語った。 また、「ビックカメラの進出によって、社内にも危機感が強く芽生えている。これは自らの会社を見直すいいチャンスでもある。私自身も社内に対して、どうするんだ、という強いプレッシャーをかけている。社員がこれまで以上に知恵を使っており、年末商戦はいい戦いができるはずだ」とした。 大須電気街のパソコン専門店、地元大手量販であるエイデン、さらにすでに進出しているヤマダ、コジマに加えて、今回のビックカメラの出店で、年末商戦を前に名古屋市場はヒートアップしそうだ。
http://www.biccamera.com/ □名古屋駅西店店舗案内 http://www.biccamera.com/bicbic/jsp/w/shopnews/nagoya/ □関連記事 【10月28日】ビックカメラ名古屋西店、11月7日にオープン http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1028/bic.htm 【7月3日】ビックカメラ、名古屋店を11月に開店 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0703/bic.htm 【4月23日】【大河原】ビックカメラ名古屋出店? 大須電気街の対策進む http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0423/gyokai57.htm (2003年11月5日) [Reported by 大河原克行]
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