9月18日開催
アップルコンピュータ株式会社は、16日に発表した新しいPowerBook G4シリーズとApple Wireless Keyboard、Apple Wireless Mouseについての製品説明会を開催した。昨日のレポートで、説明会までにキーボードとマウスの実機が到着するかどうかは不明と紹介したが、冒頭で両製品はこの日も到着しなかったという報告があり、スライドを用いての説明となった。 マウス、キーボードの製品担当を務めるプロダクトマーケティングの小尾秀男氏によると、Apple Wireless Keyboard、Apple Wireless Mouseのいずれも、現行のPower Mac G5、iMacなどに付属しているキーボード、マウスに比べて外観上の差異はほとんどなく、違和感なく使えるという。唯一の違いが製品のポイントとなるBluetoothを使ったコードレスを実現している点だ。 バッテリはキーボード、マウスいずれも単三乾電池が用いられ、キーボードは四本、マウスは二本での駆動となる。リリースによるとあらかじめ付属している電池はEnergizer製のもので、キーボードが単三アルカリ、マウスが単三リチウムとなっているが、実際の運用では電池の種類に制限はないという。マウスに単三アルカリの電池を使用することもできるし、ニッケル水素などの充電池も使用可能ということだ。 ただし、リリースに書いてある最大使用期間となる約3カ月(マウス)、約9カ月(キーボード)は、付属の電池性能を基準にしたものなので、例えばマウスをアルカリ電池で運用した場合などは使用可能な期間が短くなる可能性がある。 バッテリについては、ともに非動作時間が続くと自動的に省エネルギーモードに切り替わるパワーマネジメント機能が搭載されている。またBluetoothによる接続機器の設定はMac OS Xのシステム環境設定から行なう。利用している機器のバッテリの残り状況もこのシステム環境設定から確認できる。 ただし、これはどれぐらい残っているかをユーザー側から確認することができるが、バッテリの残量が減ってきたことを機器側から自動的に警告する機能ではないので注意が必要だ。対応するのはMac OS X 10.2.6以降で、両製品にはシステム環境設定にBluetooth対応を加えるアプリケーションが入ったCD-ROMが付属する。 両製品が対応するMacintoshは、今回発表されたPowerBook G4シリーズ各モデルを始め、Power Mac G4/G5、iMac、eMac、iBookなどの現行製品でAppleStoreでのBTOにより同社製Bluetoothユニットを搭載した、あるいは搭載可能な機種となる。 基本的にBTO以外でのBluetoothユニット内蔵作業は実施されていないため、販売店店頭でこれらの機種を購入した場合や、旧製品でWireless Keyboard、Wireless Mouseを利用したい場合は、USBポートに外付けのBluetoothアダプタを取り付けて利用することになるだろう。 BluetoothアダプタはAppleStoreなどで販売されているD-Link製の型番「DBT-120(Rev.B2)」以降が利用できる。もっとも初期にBluetoothアダプタとしてAppleStoreで販売されていたD-Link製の「DWB-120」と、「DBT-120」でもRev.B2以前のリビジョンの製品では利用できないとのことなので、購入する前には確認が必要だ。これは、Bluetoothアダプタ側のハードウェア仕様上の問題と言うことで、今後もソフトウェア的に対応することは難しいという。
PowerBook G4シリーズに関しては、プロダクトマーケティングの福島哲氏からの説明が行なわれた。概要やスペックについてはほぼ既報のとおりなので繰り返し掲載することは避けるが、いくつかニュースリリースからはわかりにくい部分があったので紹介しておく。
まず15型PowerBook G4のコンフィギュレーションだが、標準搭載メモリは下位の1GHzモデルが256MB、上位の1.25MHzモデルが512MBとなっている。メモリスロット数は2スロットずつで、いずれも256MBのDDR 333MHzのメモリモジュールを搭載している。つまり販売店店頭で売られる標準仕様では、1.25GHzモデルはスロットが埋まった状態で出荷されるのでメモリの増設を考えている場合は増設プランをあらかじめ考慮しておいた方がいいということだ。 ただし、AppleStoreでBTOを利用すれば、メモリモジュールを任意にカスタマイズ可能となるので、512MB×1枚や1GB×1枚というオーダーが可能になる。 同じ15型PowerBook G4についてだが、本体内にセンタースピーカーにあたる3番目のスピーカーが搭載されていることが明らかになった。これはステレオスピーカーの口径が小さいことによる中低音域の不足を補うためのもので、12型PowerBook G4では従来モデルから搭載されている。15型の場合、搭載位置はキーボードと左手側パームレストの間ということでややセンターからはオフセットされている。 12型PowerBook G4にもDVI出力が付いたことは既報のとおりだが、これにより12型に付属する外部モニタ用のアダプタの構成が従来モデルとは変わっている。 従来はmini-VGAのポートを標準VGAにするアダプタと、NTSC(コンポジット/Sビデオ)にするアダプタが標準搭載されていたが、今回のモデルでは、Mini-DVIのポートを標準DVIにするアダプタと、標準VGAにするアダプタが標準添付される。NTSC(コンポジット/Sビデオ)用のアダプタはオプションとして別売になる。 もうひとつ福島氏がポイントとしてあげたのが、従来モデルに比べての本体発熱量の減少だ。弊誌でも従来の12型PowerBook G4のレビュー記事でレポートしているが、従来モデルでは、底面やパームレスト部分など明らかに熱いと感じられる部分があった。 今回の製品では、この点が改善されているという。改善のポイントになっているのは、まず搭載するPowerPC G4が省電力型へと進化していること。また、本体内に搭載されている放熱ファンも強力なものになっているという。そしてOS側では搭載されるMac OS X 10.2.7 (PowerBook G4の専用システム)の省エネルギー設定に新しい機能が加わっているそうだ。 パフォーマンスの設定でCPU発熱量の少ない省エネルギーモードにすると、発熱は抑えられるもののパフォーマンスは落ちる。実際、1GHzの12型PowerBook G4でQuickTimeムービーを再生した際、省エネルギーモードでは4個までは普通に見えていたが5個になるとコマ落ちが発生した。 もちろん通常モードでは5個でも問題は発生しないが、通常モードではCPUが常時高いパフォーマンスで稼働を続けるため、本体の発熱量は増える。これまでは、このいずれかの二択しかなかったわけだが、10.2.7では新たに通常は省エネルギーモードで動かしていても、高負荷がかかったときだけ自動的に、高いパフォーマンスのモードへ移行できる設定項目が加わっているという。この機能により、通常利用においてはかなりの発熱を減らすことが可能になったという。 実際、稼働中の本体を手にしてみたが確かに従来モデルに比べて体感的な温度は下がっているものと思われる。より詳細なデータについては、いずれ前回のレポートと同様に試してみる機会を持ちたい。
□関連記事 (2003年9月19日) [Reported by 矢作 晃]
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