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パソコン工房、ツートップ/フェイスを買収
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アロシステムの大野社長(左)とユニットコムの久安社長 |
8月29日発表
自作系PCショップ最大手の「パソコン工房」を経営するアロシステム株式会社は29日、株式会社ユニットコムを買収、経営統合すると発表した。ユニットコムは大手自作系PCショップ「ツートップ」および「フェイス」を経営してきた会社。これにより、日本の自作系PC業界で最大の企業となる。
●日本最大の自作系PC企業が誕生
アロシステムはユニットコムの発行済み株式の67.3%を10月1日付で取得、経営権を継承する。取得額は非公開。
経営統合により、店舗が飛躍的に増加し、全国的なブランドイメージの確立や認知度向上、販売強化、顧客満足度の向上、経営の効率化などの効果が期待できるとしている。
これらの効果により外資企業の低価格攻勢に対抗し、世界市場への進出も視野に入れた展開を図る。
両社の2004年度の売上げ見込みはアロシステムが約300億円、ユニットコムが約275億円。また、現在の店舗数はパソコン工房が81、フェイスが4、ツートップが7。経営統合後は年商約600億円で、92店舗を擁するグループが誕生することになる。
秋葉原の3店舗。左からパソコン工房、ツートップ、フェイス |
●各チャネルの持ち味を生かし、低価格攻勢に対抗
アロシステムの大野社長 |
経営統合後も現在の組織や、パソコン工房、ツートップ、フェイスの3つの店舗チャネルを維持し、地方都市に強いパソコン工房、大都市で展開するツートップ、インターネット通販のフェイス、と住み分ける。アロシステムの大野三規社長は、10月1日付でユニットコムの代表取締役会長を兼任、ユニットコムの久安淳雄 代表取締役社長は引き続きその座に留まる。
経営効率強化のために3チャネルで基幹パーツの仕入れを統合するが、そのほかの仕入れは現在の各チャネルの部門が担当し、それぞれの持ち味を生かす。また、各チャネル間での価格を含めた競争を継続し、シナジー効果を高める方針。
店舗に関しては、重複が少ないため、当面は現在の展開が維持されるが、いずれは前述の住み分け方針に則っての統廃合も行われる予定。パソコン工房は今期中に12店舗の開店を予定しているが、いずれはツートップ、フェイスのチャネルでの開店もあり得るとしている。
会見でアロシステムの大野社長は「PCパーツ業界は、規模の小さい店から始まっていた。パソコン工房、ツートップ、フェイスは日本の3強だが、それぞれが単独で300億円の規模」と、自作系PCショップのビジネスの規模が大きなものではないとの認識を示した。
「(今回の買収では)PC業界の低価格化、外資系の低価格攻勢を意識した」と述べ、規模拡大による低価格化への対抗を目的した買収であることを明らかにした。
●世界最大規模のホワイトボックスチャネル誕生か
ユニットコムの久安社長 |
アロシステムは'90年に設立されたされた自作系PCショップ。ショップ以外にもホワイトボックスPCメーカーとしての顔を持ち、同社のホワイトボックスPC事業については、現在でも世界最大規模のホワイトボックスPCチャネルとさえ言われる。
日本のホワイトボックスPC市場の出荷台数は120万台だが、アロシステムのシェアは約20%。統合後のシェアは35~40%が見込まれる。なお、9月には社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)に加盟することが決定している。
ユニットコムは、8月1日に株式会社フェイスおよびツートップ株式会社が合併し、社名変更されたばかりだった。ツートップは2000年に民事再生手続きを申請後、電子機器メーカーの株式会社キョウデンに買収されたが、2002年からはフェイス傘下となっていた。
□アロシステムのホームページ
http://www.pc-koubou.jp/
□ツートップのホームページ
http://www.twotop.co.jp/entrance/default.asp
□フェイスのホームページ
http://www.faith-go.co.jp/index.html
□関連記事
【1月9日】NTTネオメイト、アロシステム、インテルがオリジナルPCの製造・販売で協業
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0109/nttneo.htm
【2002年11月6日】キョウデン、ツートップの全株式をフェイスに譲渡
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1106/twotop.htm
(2003年8月29日)
[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]
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