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コジマ、ポイントカードサービスを開始
~2003年3月期決算は前年比増も、計画下回る

小島章利社長

6月3日発表



●顧客サービス付帯のポイントカード制度

 株式会社コジマは、6月3日からポイントカード制度「コジマお客様カード」を導入した。これまで、その場での低価格販売を他社との差別化とし、ポイントカード制度の導入には慎重な姿勢を見せていた同社だったが、「コジマ特価を維持しながら、ポイント制度を導入する」(小島章利社長)として導入に踏み切った。

6月3日よりポイントカード制度を導入

 ポイント還元率は1%と、カメラ量販店の還元率に比べると低いが、低価格を売り物にした従来の店頭価格は維持していく。

 ポイントカードの導入によって、カード会員に対しては冷蔵庫、洗濯機、大型テレビ、エアコンの無償10年間保証、およびPCの5年間保証、持ち込み修理品の無料診断といった付帯サービスが提供される。

 また「顧客データベースの構築が可能になり、購入履歴から会員が所有している商品の型番が掌握できるようになり、クリーナーの紙パックやシェーバーの刃、照明のサイズなどが店頭で確認できるようになる。利用者の利便性が高まるのは明らかで、サービスという点で、お客様に対して、きちっとした対応ができるようにすることを目指した」としている。

 年会費は無料。1ポイント1円で還元する。ポイントの有効期間は、最終購入日から1年間。サービス開始初日となった3日午後3時時点で小島社長は、「すでに、初日から好評で、加入申し込みに対する店舗のオペレーションも順調にすすんでいる」と話した。


●2003年3月期決算は前年比増も、計画割れ

 また、同社は、2003年3月期連結決算を発表した。これによると、売上高は前年比1.5%増の5,034億5,800万円、売上総利益は前年比2.2%増の803億3,500万円、営業利益はマイナス59億2,600万円、販促金収入が16.3%増の87億4,200万円、経常利益は6.9%増の21億6,500万円、当期純利益は9%減の2億5,500万円となった。

 増収となったものの当初計画の5,107億4,000万円に比べると約70億円下回る結果となったが、同社では撤退店舗が計画の20店舗から22店舗に拡大、出店店舗を19店舗から18店舗に縮小したこと、出店店舗の出店月がずれ込んだことなどが原因とした。

 販促金収入の増加は、絶対額が少ないPCの販売金額が縮小する一方、白物家電、AV機器など販促金の絶対額が大きい製品の販売額が上昇したのが原因。

 既存店伸張率は、前年比9%減とマイナス成長。だが、上期の9.7%減から下期は8.2%減とやや回復基調にあるという。既存店の客数は3.7%減、売上単価は5.5%減と厳しい市場環境を反映している。

 商品別の売り上げ高では、好調製品と不振製品が明確に分かれた。好調製品では、プラズマTVが358%増、液晶TVが159%増、DVDプレーヤーが161%増と大幅な伸びを達成する一方、パソコンは14.8%減、冷蔵庫は4.3%減などとなった。

 「PCの回復には期待していたが、年間を通じて厳しい結果となった。PCの成長鈍化の中で、なんとか全体の売上高を維持した」(小島社長)とした。

2003年3月期決算概要 商品別売上動向


●2003年は新たな体質に向けた変化を実行に移す年

 2004年3月期の見込みは、売上高は前年比3.4%増の5,207億6,000万円、売上総利益は前年比2.6%増の824億2,000万円、営業利益はマイナス41億6,000万円、販促金が3%増の90億円、経常利益は82.4%増の39億5,000万円、当期純利益は521.6%増の15億8,500万円とした。

 既存店伸張率はマイナス5.5%減と慎重な見方をしているほか、15店舗の新規出店、20店舗の閉鎖などを実施する。粗利率は15.8%と、前年比0.2%減を見込んでいる。

2004年3月期業績見込み 出退店計画

 小島社長は、2003年度が構造改革の2年度目に突入したことを受けて、「新たな体質に向けた変化を実行に移す年」とした。

 同社では、2002年度に収益構造改善に向けた新体制での取り組みとして、「枠組みを確定する準備期間」と位置づけ、南関東、北海道、九州の3カ所に一括物流センターを設置、需要予測型自動発注システムの準備、業務改革による採用計画の見直し、計画仕入れ体制の確立、執行役員制度の導入、エリアマネージャーの設置、専門教育部門の設置などをすすめてきた。

 今年度は、「収益力強化のための具体的な取り組み」として、昨年度打った施策の定着化を目指す。

 具体的には、6月2日から本格稼働した関西物流センターの稼働により、全国規模での一括物流センターを構築。顧客の家庭までの個別配送体制も実現するほか、需要予測型自動発注システムの全店稼働によって、不良在庫の減少や欠品率の縮小、販売機会ロスの削減に加えて、店舗の発注業務を15~20%削減、さらに物流センターの集中化によって店舗での荷受け業務の5%削減が可能になるという。

 「これによって、店舗では販売という、本来の業務に集中できるようになる」(小島社長)とした。

関西物流センター 新物流体制

 また、パート比率を現在の5%から10%以上に引き上げるのに加えて、計画仕入れの強化、成果主義の導入、管理職への年俸制の導入、組織的教育の徹底などを図る。

 同社では、経営目標として、総資本経常利益率9%、売上高経常利益率3%、総資本回転率3回を目標に掲げており、まずは自動発注による粗利率の1%改善のほか、一括物流センターの稼働によって、在庫効率の20%向上などを目指す。

 一方、PC関連では、ネットワークサービスを強化し、「コジマネットADSL by フレッツ」の取り扱いを開始したほか、パソコンダウンロード販売では2万本のソフトの品揃えを実現し、今後の販売を加速させる考えを示した。

□コジマのホームページ
(6月3日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.kojima.net/
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0529/kojima.htm

(2003年6月3日)

[Reported by 大河原克行]


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