プロカメラマン山田久美夫の

サイバーショット「dsc-F717」実写画像

 山田久美夫氏によるソニーのサイバーショット「dsc-F717」の実写画像を公開する。

 特に指定のない画像は、フォーカス、露出、ホワイトバランスともオートで2,560×1,920ピクセルで撮影されている。

 なお、製品の仕様などについては、関連記事を参照されたい。(編集部)


dsc-717実写画像
実写画像
定点撮影
dsc-F707との比較


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従来のF707に比べ、色調が全体に自然な印象になっており、やや不自然さのあった青空の色も見た目に近いものになっている。 レンズは先代と同じ、カールツァイスブランドの光学5倍ズームを搭載。5倍ズームともなると、同じ場所を撮影しても、ズームの両端ではまったく違った作品に仕上げることもできる。ビルに太陽が反射している、レンズとCCDとの総合力が問われるシーンだが、ハイライト部の描写も実に良好だ。
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逆光で撮影した雑草だが、被写体の細部まで実にきめ細かな描写をしている。また、逆光シーンでもコントラストが高く、ヌケのいい描写をする点にも好感が持てる。さらに、従来機では不自然さのあったグリーン系の色再現性も自然なものになっている。 500万画素モデルならではの、切れ味のいい描写が堪能できる。
半逆光で輝くバンパーやボンネットのグラデーションの描写もよく、大型CCDを搭載したことによるポテンシャルの高さを感じさせる。
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マクロ撮影はワイド側でレンズ前2cmまで可能。そのため、こんなクローズアップ撮影でも難なくこなすことができる。AF測距はかなり高速化されており、精度も高い。AFの高速化は、動きのあるシーンだけでなく、風で揺れる花のマクロ撮影のようなときにも、その威力を発揮してくれる。 最高感度のISO800に設定し、手持ちで撮影した銀座の夜景。今回のF717では、最高感度がISO800相当まで設定できるようになった(F707はISO400まで)。もちろん、ノイズはそれなりに発生するが、目的を絞って使えば、十分に作品造りに耐えるレベルに抑えられている。また、本機はレンズがF2.0-2.4と明るいため、ISO800で撮影すれば、明るい夜景なら手持ちでの撮影も十分に可能だ。
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ショールームの中の車を自然光(ストロボなし)で、プログラムAEのまま撮影したシーンだが、ボディーの質感がとてもよく描写されており、感心する。オートホワイトバランスで撮影しているが、見た目に近い、ごく自然な色調に仕上がっている。
さらに、ズーム操作がズームリングの回転というアナログ感覚で操作できるようになったため、微妙なフレーミング調整も容易になった。
肌色の描写が実に自然。肌の色調もよく、質感も的確に再現されている。最望遠側で撮影しているが、大口径(明るい)5倍ズームと2/3型という大型CCDの組み合わせにより、背景のボケも大きく、とてもきれい。APS級の大型撮像素子を使ったデジタル一眼レフでなくても、ボケを生かした作画が楽しめるモデルだ。
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最高速度は今回1/2000秒まで対応可能になった。だが、この最高速はプログラムAE時でしか活用できないのは少々不満を感じるところ。このカットはシャッター速度優先AEで1/1000秒で撮影しているが、スプリンクラーから勢いよく放たれる水滴もこの程度まで止めて撮影することができた。
初代のF707の頃から、この手のシーンがキレイに撮れるモデルだったが、今回のF717でもその美点はきちんと受け継がれている。また、初代モデルにあった高めの彩度と色再現のクセが緩和されており、より自然な描写を実現している。
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ズームの両端で撮影した、定点撮影。5倍ズームの画角(写る範囲)の違いや、500万画素機らしい切れ味の良さを感じることができる。(天候や時間帯がいつも掲載しているものと異なるため、参考程度として欲しい)
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30秒露出で撮影したカット。今回のF717では、長時間露出が最長30秒まで可能になり、自動的にノイズリダクション機能も働く。さすがに、ノイズが皆無とはいえないが、実用十分なレベルに抑えられている。 同じシーンを、同機の「ナイトショット」機能を使って撮影したカット。モノトーンになるが、明るい夜景であれば、十分に手持ちでの撮影が可能だ。ちなみにExif情報を見ると、ISO2000で1/30秒・F2となっている。
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同じく「ナイトショット」機能を使って撮影したカット。かなり暗いシーンだが、こんなナイトスナップも撮影することができる。いろいろな可能性を秘めた機能だが、目的を考えて使用したい。Exif情報を見ると、ISO2000で1/30秒・F2.4となっている。
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同じ条件で撮影したカットだが、新製品の「F717」では、先代モデルのような色のクセが大幅に軽減されており、ごく自然な印象の色調となった。もちろん、色には多少の好みもあると思うが、個人的には先代モデルよりも遙かに好ましく感じられる。 いわゆる”Cyber-shot”風の色再現性。全体にシアン系が強く、青空や芝生のグリーン、屋根の色なども不自然な印象がある。

※カメラの設定ミスで、一段低い解像度で撮影してしまったため、解像度の比較はできないので注意して欲しい(後日、アップデート予定)。
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若干、彩度が抑えられたせいか、肌色はややおとなしい感じになっているが、全体に先代よりもバランスの取れた色再現性になっている。

先代モデルは、木々の緑に違和感があったが、肌色はなかなか健康的な色調になるようなチューニングが施されていた。

※カメラの設定ミスで、一段低い解像度で撮影してしまったため、解像度の比較はできないので注意して欲しい(後日、アップデート予定)。
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(2002年9月11日)


■注意■

[Reported by 山田久美夫]


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