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NEW PRODUCTS TESTREPORT

富士通
FMV-DESKPOWER CE11A
基本性能を向上させたコンパクトデスクトップモデル
TEXT:清水理史 Masashi Shimizu


 富士通の省スペースデスクトップPC「FMV-DESKPOWER CE9」シリーズのラインナップが一新され、後継となる「CE11」シリーズが登場した。今回はその中から、液晶ディスプレイ付属のミドルレンジモデル、「FMV-DESKPOWER CE11A」のレビューをお届けしよう。

 CE11では、従来のCE9シリーズと比較して、主に基本性能の向上に重点が置かれている。まず目に付くのはチップセットとCPUの変更だ。従来モデルではチップセットにVIA ProSavage KL133が採用されており、CPUはモデルによってDuron 1GHz、またはAthlon 1.2GHzが組み合わされていたが、CE11ではチップセットがSiS740、CPUもDuron 1.1GHzまたはAthlon XP 1700+に変更されている。本機に搭載されるのはDuron 1.1GHzだ。

 チップセットの変更に伴いメモリ構成も変わった。従来のProSavage KL133ではSDRAMのみをサポートしていたが、今回のSiS740ではDDR SDRAMが利用可能となっており、本機ではPC2100 DDR SDRAMモジュールが標準で256MB搭載される。ビデオ描画機能はProSavage PL133もSiS740もチップに内蔵しているが、これも後者のほうが高性能となっている。つまり、チップセット、CPU、メモリといったPCを構成する基本的な部分が改良されたことにより、劇的とまではいかないまでも、全体的なパフォーマンスが向上したわけだ。

USB 2.0ポートこそ備えないが、USB 1.1、IEEE 1394、LAN、PCカードスロットなどを搭載している メモリスロットは2本搭載しており、そのうちの1本が空きとなっている。また、省スペースPCながら2本のPCIスロットを持つ

 このほか、搭載されるHDD容量が全モデルで80GBに増強されていたり、本体前面に用意されているPCカードスロットがType2のもの2基になるなど、細かな変更もなされていることを考えれば、かなりお買い得感は高い。

内部の部品配置はうまく考えられており、下部に位置するCPU周辺に空気が流れやすくなっている
 このように、内部的に大きな変更を受けた今回のニューモデルだが、PCとしての基本的なコンセプトは従来モデルから受け継がれている。たとえば筐体のデザインだが、今回のモデルのほうが丸みのあるデザインとなっており、若干洗練された感があるが、全体的な印象は従来モデルから大きく変更されてはいない。また、富士通のコンパクトデスクトップPCに共通した特徴となっている「レイアウトフリー」というコンセプトも踏襲されており、ディスプレイ背面に本体を設置できるなど、省スペース性にも気が配られている。

 プリインストールソフトも相変わらず豊富で、簡単操作のインターネットアクセスツール「@メール」や「@ブラウザ」、ビデオ編集ソフト「@映像館」といったオリジナルソフトに加え、ウイルス対策ソフトやホームページ作成ソフト、CD-R/RWライティングソフトなどのサードパーティ製ソフトが豊富にインストールされている。この辺りは、富士通製PCならではの特徴と言えるだろう。

 実際の操作感は、Web閲覧やメールの利用など、一般的な用途では不満を感じることはまったくなかった。同社のデスクトップPCには、Pentium 4を搭載することで、より高い性能を追求した「Cシリーズ」も存在するが、上記のような用途がメインであれば、コスト面から見て「CEシリーズ」のほうがむしろ適していると言える。

 最近のPCは独自性を前面に押し出したものが多いが、このCEシリーズは、どちらかと言えばバランスを重視したオーソドックスなモデルに分類される。誰もが手軽に、そして安心して使えるPCとして、悪くない選択肢だ。

・製品名:FMV-DESKPOWER CE11A
・標準価格:オープン(WEB MART価格186,800円)
・問い合わせ先:富士通株式会社
・TEL:0120-950-222(富士通パーソナル製品に関するお問い合わせ窓口)
・URL:http://www.fmworld.net/
・CPU:Duron 1.1GHz
・チップセット:SiS740
・メモリ(最大):PC2100 DDR SDRAM 256MB(1GB)
・HDD:80GB(Ultra ATA/100)
・FDD:なし
・DVD-ROM・CD-R/RWコンボドライブ:CD-R書き込み最大16倍速、CD-RW書き換え最大10倍速、DVD-ROM読み出し最大12倍速、CD-ROM読み出し最大40倍速
・ビデオ機能:SiS740内蔵
・ビデオメモリ:SMA方式によりメインメモリの一部を共有(32MB)
・ディスプレイ:15型TFTカラー液晶
・最大解像度:1,024×768ドット/1,619万色
・サウンドチップ:AC'97 CODEC
・モデム:56kbps(V.90対応)
・キーボード:109キー
・内部拡張スロット(空き):PCI×2(2)
・外部インターフェイス:USB×4、IEEE 1394(S400、4ピン)×2、キーボード(PS/2)×1、マウス(PS/2)×1、ディスプレイ(D-Sub15ピン)×1、液晶ディスプレイ専用コネクタ(専用端子)×1、LINE IN×1、LINE OUT×1、マイク×1、S/PDIF(光ミニ)/ヘッドホン×1、モデム(RJ-11)×2、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×1、PCMCIA Type2×2(Type3×1、CardBus対応)
・本体サイズ(W×D×H):90×345×310mm
・重量:約7.5kg
・OS:Windows XP Home Edition
・付属ソフト:Office XP Personal、Drag' n Drop CD、Panasonic MotionDV STUDIO 4など

■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□富士通のホームページ
http://jp.fujitsu.com/
□製品情報
http://www.fmworld.net/product/hard/pcpm0205/deskpower/ce/
□関連記事
【5月14日】富士通、FMV-DESKPOWERの省スペースモデルを一新
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0514/fujitsu3.htm

(2002年7月3日)


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