カシオ、厚さ11mmの世界最薄カード型デジカメ「EXILIM」を6月21日に発売

6月21日発売

標準価格:オープンプライス

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 カシオ計算機株式会社は、カードサイズデジタルカメラ「EXILIM(エクシリム)」シリーズとして、「EX-M1」と「EX-S1」の2機種を6月21日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は、EX-M1が4万円台前半、EX-S1が3万円台前半の見込み。

 EXILIMは3月にドイツで開催されたCeBIT 2002 Hannoverで初公開され話題を呼んだカードサイズデジタルカメラ。本体サイズはEX-S1で88×11.3×55mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約85gと小型軽量。同社では液晶モニタを搭載したデジタルカメラとして世界最薄としている。

モデルによる撮影会も行なわれた。中央はカシオ計算機常務取締役 鈴木洋三氏

 MP3再生機能やボイスレコーダー機能などを備えたEX-M1と、それらの機能が省略されたEX-S1が用意される。EX-M1では本体サイズが88×12.4×55mm、重量87gとなり、若干厚みと重量が増すが、厚みの差は本体背面に設置されたスピーカ部分によるもので、実感的にはほとんど違いを感じさせない。

 CCDとレンズを一体化して、厚さ8.8mmのモジュールとしたHyper CCD-Lens integration(HCLi)技術、CFメモリカードサイズのボード上にCPU、ASIC、SDRAM、フラッシュメモリをモジュール化したMulti Chip Module(MCM)、液晶モニタのデジタルインターフェイス化によるコンバータの省略などにより、小型化を実現。また、ボディにはステンレス素材が使用され、強度も確保している。

 電源をオンにしてからの起動時間は約1秒と極めて高速なほか、レリーズタイムラグは0.01秒、撮影間隔約0.6秒と、高いレスポンス性を備える。また、有効124万画素ながら、1/2.7インチの原色系大型プログレッシブCCDを採用し、低ノイズと豊かな色調表現を可能にしたという。

 EX-M1ではMP3ファイルの再生のほか、内蔵メモリを利用して約50分の音声録音や、音声付き動画(320×240ドット/15fps/最大30秒)、静止画の撮影も可能。また、EX-S1のみシルバー、パールホワイトの2色のボディカラーが用意される。

 そのほかの機能はほぼ共通で、レンズは単焦点(F2.5、35mm換算約37mm)、デジタルズームは4倍。撮影可能距離は1m~無限大。記録画素数は、1,600×1,200(ソフトウェア補間)/1,280×960/640×480ピクセル。

 1.6インチのTFT液晶モニタを備え、光学ファインダも装備する。記録メモリは内蔵のフラッシュメモリ(12MB)のほか、SDメモリー/MMCカード共用のカードスロットを装備する。

 クレードルが付属し、カメラ本体を装着することで充電やUSBケーブル経由でPCへのデータ転送が行なえる。また、EX-M1のみMP3ファイル操作用の専用リモコンが付属する。

 バッテリは専用のリチウムイオンバッテリで、バッテリ持続時間はMP3再生時(液晶モニタオフ)で約5時間30分(EX-M1)、連続撮影時で約1時間20分(約480枚)。

EXILIM EX-M1 EXILIM EX-S1(パールホワイト) EX-M1(左)の前面にはマイクが搭載されている

EX-M1は背面にスピーカを搭載するため、やく1mmほど厚くなっている。 EX-M1背面のアップ。中央にメニュー操作用の十字キーを備える 本体上面には電源スイッチとシャッターボタン

本体底面にはクレードル接続用のインターフェイスとSDメモリー/MMC兼用スロットを備える 設定メニューを表示したところ。デジタルカメラとして一通りの機能は備えている

専用のリチウムイオンバッテリ EX-M1に付属するリモコン



カシオ計算機常務取締役 鈴木洋三氏

 発表会冒頭では、カシオ計算機常務取締役 鈴木洋三氏が挨拶。「カシオが'95年にQV-10を発売して以来、デジタルカメラ市場は急速に拡大した。昨年は出荷台数ベースで銀塩カメラを上回り、本格的なデジカメ時代が到来したといえる」、「しかし、現在のように画素数を中心としたデジタルカメラの進化は単に銀塩カメラを置き換えてきたにすぎない。デジタルカメラならではの用途、スタイルを提案するためのカメラとしてEXILIMを開発した」と、今回の製品に対する意気込みを語った。

 また、EXILIMの開発コンセプトについては、「単に薄いだけでは携帯性が高いとは言えない。撮りたいときにすぐ起動でき、シャッターを押した瞬間が撮影できること、2、3枚目がすぐに撮影できることなどを備えて初めて携帯性が高いと言える」、「今回は画質でも他社製品とは一線を画すものとするため、画素数優先ではなく、心に訴えかける色合いの豊かさ、繊細な陰影の表現を再現するために、130万画素クラスながら、1/2.7インチの大型CCDを採用し、従来比1.4倍のセルピッチを実現した」などと語った。

 発表会後の質疑応答では、「(大型のCCDを搭載しながら)130万画素クラスのデジタルカメラとした理由は?」という質問がされ、「画素数的には薄型・携帯性を追求するうえで十分なクオリティだと考えた。従来は画素数を上げることでセルサイズが小さくなり、結果としてCCDの総合性能が落ちていた。EXILIMに搭載されたCCDでは200万画素クラスも可能だが、あえてセルサイズを大きくすることによって画質の向上を図った」と回答した。

発表会場では『デジタル日記』と称して各界著名人による、EXILIMを使用した写真展が行なわれた

□カシオ計算機のホームページ
http://www.casio.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.casio.co.jp/release/2002/exilim_jp.html
□関連記事
【3月15日】【山田】カシオ、厚さ11mmの130万画素デジカメ「EXILIM」を公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0315/cebit08.htm
【3月14日】カシオ、厚さ11mmのカード型デジカメ「EXILIM」を発表
~上位モデルはMP3再生機能を搭載
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0314/casio.htm

(2002年5月13日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]

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