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NEW PRODUCTS TESTREPORT

デルコンピュータ
DIMENSION 2200
最小構成で6万円台を実現した堅実な構成の低価格マシン
TEXT:橋本新義 Shingi Hashimoto


マザーボードはデルオリジナル設計。PCIスロットは4本、DIMMスロットは2本を備える
 Intel CPUと純正チップセットによる堅実なシステム構成と、抜群のコストパフォーマンスで定評のあるデルコンピュータ。同社のデスクトップ機はBTO(Build To Order:注文受注生産)における最小構成時で、7、8万円台を実現するものもあり、大手メーカーの中ではバツグンのコストパフォーマンスを誇っている。その中でも、エントリーモデルとして純粋にコストを追求した「DIMENSION 2100」シリーズの人気は高かった。今回は、その後継として登場した「DIMENSION 2200」シリーズを紹介しよう。

 同シリーズは最小構成で6万7,800円という低価格と、比較的豊富なBTOオプションが魅力だ。本機のフォームファクターは、microATXとなっている。マザーボードは、チップセットにIntel 810E B-Stepを搭載するデルオリジナル設計のものだ。IDEインターフェイスがUltra ATA/66までの対応となる仕様はやや時代遅れの感もあるが、i810シリーズは枯れた製品だけあって、高い信頼性が期待できる。CPUはCeleron 1.0A GHz~1.3GHzから選択可能で、試用機では1.2GHz版が搭載されていたが、選択できるCPUはいずれも256KBの二次キャッシュを搭載したTualatinコア版なので、低価格といえども処理能力は高い。メインメモリはPC133 SDRAM DIMMを搭載するが、その動作クロックはチップセットの制限で100MHzとなる。なお、試用機では東芝製チップを使った128MBモジュールが搭載されていた。

 ストレージまわりを見ると、HDDに関しては20GBと40GBの2種類のモデルからしか選択できないが、いずれも回転数7,200rpmの高速タイプとなっている点は興味深い。試用機ではMaxtorの20GBモデル「5T020H2」が搭載されていた。光学ドライブは48倍速CD-ROMドライブか、16倍速DVD-ROMドライブの選択式となる。試用したモデルはドライブにLG電子のCD-ROMドライブ「CRD-8482B」を採用していた。気になる読み込み時の稼働音だが、このクラスのドライブとしては比較的静かな部類に入るだろう。

背面部にはシリアル、パラレルと4つのUSBポートを持つが、前面部には拡張インターフェイスを搭載しない

 ビデオ機能は、i810E内蔵のものを利用する。ディスプレイキャッシュを搭載しないため、3Dグラフィックス性能はお世辞にも満足できるレベルではないが、ビジネスアプリケーションでは実用レベル。試用機はOSにWindows XP Home Editionを搭載していたが、CPUの高速性も手伝って、基本的な操作でストレスを感じることはなかった。

ミニタワーケースは従来機DIMENSION 2100と共通のもの。ワンタッチで開けることができ、内部へのアクセスは容易だ
 本機で採用されているミニタワーケースの拡張性に関しては、5インチベイと3.5インチベイが各1つずつとなり、FDDと光学ストレージを1基ずつ搭載しただけで空きがなくなってしまうので、購入時の構成は慎重に選ぶ必要がある。一方、メンテナンス性は非常に高い。サイドパネルを開けるには背面上部のボタンを押すだけでよく、フロントパネルもワンタッチで取り外し可能だ。精度も高く、パネルが溝にうまくかみ合わなかったり、ボタンが押しにくかったりということはない。

 そして、おもしろいのがBIOSだ。本機はPhoenix BIOSの“Plus”バージョンを搭載し、起動プロセスの進行をプログレスバー風に表示するなど、上級機種でも見られない特徴的な機能を搭載している。もちろん、FastBoot機能も備えており、システムの起動時間は非常に短い。

 静音性に関しては、同社のほかのシリーズと比較すると若干劣る印象だ。デル製マシンにはめずらしく、CPUクーラーがファンを搭載するタイプであることも関係しているのであろう。

 総じて見ると、スペック的にはやや古い感があるものの、基本的に素直な構成なので、低価格マシンにありがちな大きな弱点がないのが魅力となる。拡張を考える場合は、5インチベイの数やメインメモリ容量が最大512MBとなる点に注意が必要だが、コストを重視しつつ、安定性も追求したいのであれば確実な選択肢となるだろう。

・製品名:DIMENSION 2200
・標準価格:73,300円(5月8日現在、今回使用した下記の構成にて。BTOにより変動)
・問い合わせ先:デルコンピュータ株式会社
・TEL:044-556-6050
・URL:http://www.dell.com/jp/
・CPU:Celeron 1.2GHz
・チップセット:Intel 810E B-Step
・メモリ(最大):128MB PC133対応SDRAM(512MB)
・HDD:20GB(Ultra ATA/66)
・FDD:2モード
・CD-ROMドライブ:最大48倍速
・ビデオチップ:Intel 810E B-Step内蔵
・ビデオメモリ:SMA方式によりメインメモリの一部を利用(最大11MB)
・最大解像度:1,600×1,200ドット/256色
・ディスプレイ:なし(BTOにより選択可能)
・サウンドチップ:Analog Devices AD1885(AC'97 CODEC)
・モデム:56kbps(V.92対応)
・キーボード:109キー(PS/2接続)
・内部拡張スロット:PCI×4(2)
・外部インターフェイス:USB×4、キーボード(PS/2)×1、マウス(PS/2)×1、シリアル(D-Sub9ピン)×1、パラレル(D-Sub25ピン)×1、ディスプレイ(D-Sub15ピン)×1、LINE IN×1、LINE OUT×1、マイク×1、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×1、モデム(RJ-11)×1
・本体サイズ(W×D×H):168×340×390mm
・重量:9.9kg
・OS:Windows XP Home Edition
・付属ソフト:Norton AntiVirus 2002試用版など

■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□デルのホームページ
http://www.dell.com/jp/
□製品情報
http://www.dell.com/html/jp/products/dimen/2200/tour/dhs/
□関連記事
【3月19日】デル、6万円台の低価格デスクトップPC
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0319/dell.htm

(2002年5月8日)


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