NEW PRODUCTS TESTREPORT |
アイ・オー・データ機器 | ||
LAN-iCN | ||
HDDのNAS化を可能にするi・CONNECTアダプタ | ||
TEXT:正木堅児 Kenji Masaki |
本体は、いかにもネットワーク機器といった雰囲気のシンプルなデザインだ |
LAN-iCNは、i・CONNECT対応HDDをネットワーク上で共有使用するためのアダプタである。これは、簡単なNAS(Network Attached Storage)と言える。対応OSは、Windows 95以降とMacOS 8.6.x以降。
コンバータ本体はコンパクトな作りで、HDDを接続するためのi・CONNECT端子と10BASE-T/100BASE-TX対応のEthernetポートが1つ付いているだけ。このEthernetポートをハブに接続して使用するわけだ。コンバータにはCFスロットが1つ付いており、OSがCFに収められている。内部ではEmbedded Linuxが動いている立派なPCなのだ。ただ、本体のサイズに比べてACアダプタが巨大なのは少々使いにくいので、メーカーにはもう少し考慮していただきたい。なお、時刻情報のバックアップは電池で行なっている。
本体背面には、CFスロットと10BASE-T/100BASE-TXのEthernetポートが装備されている | HDDとは、i・CONNECTで接続する。サポートしているHDDは、同社のHDA-iUシリーズとHDA-ixxGシリーズ |
管理画面は、Internet Explorerで表示する。これは、MicrosoftネットワークとTCP/IPの設定を行なう画面 |
対応OSがWindowsとMacなので、ネットワーク設定画面でもMicrosoftネットワークとAppleTalkネットワークの設定画面が独立している。AppleTalkネットワークではゾーン名の設定、Microsoftネットワークではコンピュータ名、ワークグループ名、TCP/IPの標準的な設定が行なえる。ここで、接続するネットワークの状況に合わせて変更を行なうのだ。使用しているルーターなどが、DHCPサーバー機能を持っている場合などはDHCPクライアント機能をONにすれば設定は終わったも同然。もし、IPアドレスの変更などがあった場合はアダプタの再起動を行なう。
ファイルの共有設定は、ユーザー登録、グループ設定、フォルダごとの共有設定に分かれており、作ったフォルダをどのOS、どのユーザーに使わせるかを決めればそれで終了だ。ユーザーごとのHDD使用量の制限機能などはサポートしていない。接続したHDDをフォルダ分けして共有使用することに特化しているのが本アダプタなのである。
管理画面からは、さまざまな情報の表示と、設定の変更を行なうことができる。設定項目はどれも分かりやすい |
気になったのは管理メニューのレスポンスや、ファイルの転送速度を含めて、全体的に動作速度が鈍く感じられた点である。この点は今後のバージョンアップに期待したい。
Linuxなどを利用してファイル共有のためのサーバーを立てることのできる技術者がいない小規模オフィスや複数機種を混在で使っているユーザーには、簡単な設定で共有HDDを供給できる本機はおもしろい選択と言えるかもしれない。
・製品名:LAN-iCN
・標準価格:24,800円
・問い合わせ先:株式会社アイ・オー・データ機器
・TEL:076-260-1024(ご購入前案内窓口)
・URL:http://www.iodata.jp/
・対応OS:Windows XP/Me/98/95/2000/NT 4.0、Mac OS 9.2/9.1/9.0/8.6
・インターフェイス:10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×1、i・CONNECT×1
・本体サイズ(W×D×H):116×74×26mm
・重量:約180g
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□アイ・オー・データのホームページ
http://www.iodata.jp/
□製品情報
http://www.iodata.jp/products/ifoption/2002/lan-icn.htm
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(2002年4月10日)