NEW PRODUCTS TESTREPORT

	クリエイティブメディア
	Sound Blaster Extigy
	単体動作も可能な5.1ch出力対応外付けサウンドユニット
	TEXT：藤本 健　Ken Fujimoto

パッケージにはスタンドが付属し、これを利用することで縦置きにも対応する。一般的な環境では、こちらのほうが設置場所を選ばない

　USBオーディオ機器が登場してからすでに3年以上が経過している。その間、サウンドカード市場最大手のクリエイティブメディアは静観を続けていたのだが、この1月中旬、満を持してついに同分野へと参入した。

　今回発売した「Sound Blaster Extigy」は、一般的なMIDI音源などと同様の1UハーフラックマウントサイズのUSBオーディオデバイスだ。同社は昨年Sound Blaster AudigyというPCIバス接続のサウンドカードを発売したが、今回のExtigyはそのコンセプトを数多く取り込んでいる。

　AudigyとExtigyに共通する最大のポイントは24bit/96kHzのDACを搭載し、ダイナミックレンジが非常に広い、高音質のサウンドデバイスであるということだろう。スペック的にはアナログLINE出力のS/N比が100dBと、オーディオ機器レベルになっており、実際音を聞いてみても、ノイズはほぼシャットアウトできているようだった。

　2つ目の共通点は5.1chサラウンドが扱えることだ。実際、Extigyの背面を見てみると、金メッキされたステレオミニジャックがフロント、リア、センター/ウーファー用と3つ搭載されており、これが5.1chスピーカーに接続される。なお、この5.1ch出力を実現するためのDolby Digitalデコード機能はハードウェアで実現されている。

本体前面。アナログ、デジタル入出力端子に加えて、CMSS機能のON/OFFボタンも存在する	背面には本機の特徴となるアナログ5.1ch分の出力端子のほか、MIDI入出力端子を装備

赤外線リモコンが付属するため、キーボードやマウスを使わずに本製品を操作することができる

　また、光角型コネクタのS/P DIF入出力端子を前面に装備するとともに、背面には同社の5.1chスピーカーシステム「Inspire 5700」をはじめとする外部機器を接続するためのS/P DIF OUT/デジタルDIN OUT兼用端子、MIDI入出力も持つほか、赤外線リモコンも同梱される。

　このように見ていくと、まさにAudigyのUSB版のように思えるが、異なる点もある。AudigyにはAudigyチップという高性能DSPが搭載されているが、Extigyにはそれとは異なる専用DSPが搭載されているのだ。性能的に比較すると、やはりAudigyのほうが上であり、Audigyを含め従来のSound Blasterシリーズのウリであるシンセサイザ音源機能＝Sound FontはExtigyに搭載されていない。ただし、ExitgyでもMIDI音源機能は用意されているから、Sound Fontが不要であれば、それほど気にすることもないだろう。

　また、このDSPによってミキシングやDolby Digitalのデコードを実現しているほか、Audigyの大きな特徴であったEAX ADVANCED HD Music機能もほぼ完全に再現している。これは、リバーブやコーラスなどのエフェクトを実現するほか、ヒスノイズやクラッチノイズを低減するノイズリダクション機能、ピッチを変えずに再生速度を変えられるタイムスケーリング機能、クラブミュージックのような臨場感を作り出すDREAM(Dynamic Repositioning of Enhanced Audio and Music)機能などであり、PC用音源として用いるには十分過ぎるほどの機能が実現できている。

設定画面からは、ミキシング時のサンプリングレートを指定することも可能となっている	EAX ADVANCED HD Music機能によりさまざまなエフェクトを利用することも可能だ

　さらに、Extigyでは、これまでのカード型のSound Blasterシリーズでは不可能だった利用方法が実現されている。それはPCと組み合わせずにスタンドアロンで利用するというものだ。これにより、DVDプレイヤーのデジタル出力をExtigyに入力することで、単独のDolby Digitalデコーダとして活用することができるようになった。また、デジタル入力端子だけでなく、アナログ入力端子に外部のオーディオ機器の出力を入れ、CMSS(Creative Multi Speaker Surround)機能を本体前面のボタンでオンにすることで、ステレオサウンドをさらに広がりのある5.1chサラウンドサウンドに仕上げることも可能となっている。

　このように、幅広い用途を持ったExtigyは、ノートPCユーザーはもちろんのこと、デスクトップPCのユーザーでも手軽に扱える新たなオーディオデバイスと言えよう。

・製品名：Sound Blaster Extigy
・標準価格：オープン(実売24,000円前後)
・問い合わせ先：クリエイティブメディア株式会社
・TEL：03-3256-5577
・URL：http://japan.creative.com/
▼インターフェイス
　・本体前面部：S/P DIF IN(光角型)×1、S/P DIF OUT(光角型)×1、LINE IN×1、ヘッドホン×1、マイク×1
　・本体背面部：USB×1、S/P DIF IN(同軸)×1、S/P DIF OUT/デジタルDIN OUT(同軸)×1、LINE OUT(フロント)×1、LINE OUT(リア)×1、LINE OUT(センター/サブウーファー)×1、MIDI IN×1、MIDI OUT×1
・本体サイズ：39×205×195mm
・重量：658g
・対応OS：Windows 98 SE/Me/2000/XP
・付属アプリケーション：ACID Style 2.0

■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□クリエイティブのホームページ
http://japan.creative.com/
□製品情報
http://japan.creative.com/soundblaster/products/extigy/welcome.html
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【1月25日】【元麻布】USBサウンドユニット「Sound Blaster Extigy」をテスト
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0125/hot183.htm