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日本IBM
Desktop On-Call Version 5.0
「PCリモコン」
携帯電話からもアクセス可能なマルチOS対応リモート管理ツール
TEXT:一ヶ谷兼乃 Kenno Ichigaya


コントロールされる側(ホストPC)では、現在のIPアドレスが表示されるので、これを操作する側(ゲストPC)に伝える
 オフィスはもちろん、家庭にも複数台のPCがある環境は今やめずらしくなくなった。さらに、一人1台という環境ではなく、業務や使用目的によっては一人で数台を利用することも多くなってきている。読者の中にも単に複数台のPCを所有しているというだけでなく、家庭やオフィスなどでネットワークを構築し複数台のマシンを同時に活用している方も多いのではないだろうか。

 日本IBMの“DeskTop On-Call Version 5.0「PCリモコン」”(以下On-Call)は、ネットワーク上にあるマシンを、ほかのマシンから操作することができるアプリケーションだ。On-Callを使えば、物理的に離れたところに設置してあるマシンであっても、それがネットワーク上にさえあれば手元のマシンから操作できるのである。

 このOn-Callで操作できるのは、Windows XP/Me/98 SE/2000/NT 4.0といったOSが動作しているマシンに加え、OS/2 Warp 4やRedHat Linux、Turbo linux、さらにMac OS 9.1/9.2が動作するマシンにまで対応している。操作する側のPCには、Javaスクリプト 1.2/Live ConnectがサポートされているInternet Explorer 5.5/6.0、NetScape Communicator 4.7といったWebブラウザがインストールされている必要がある。また、PCに加えて、Pocket PCやPalmOS 3.5以上が動作するPalm機、Javaスクリプトが動作するシャープのザウルス MI-E1でも、これらの機器に搭載されたブラウザから操作することができる。このほか、前出のWebブラウザが動作する環境に加えて、iモード、EZweb、J-SKYに対応した携帯電話から、On-Callをインストールしたマシンのデスクトップを見ることができる。さらに、カメラが装備されている場合には、カメラに写っている画面をこれらのマシンや携帯電話から確認することも可能だ。

コントロールする側のマシンから見たリモートデスクトップ。Webブラウザのウィンドウの中で動作する
 PCをリモート操作する前に、コントロールされる側のマシンにOn-Callをインストールした上で、「On-Call PCリモコン」を起動し、待機状態にしておく。次に、操作するマシンでWebブラウザを開き、URL欄にコントロールされる側のマシンのIPアドレスを入力する。表示された画面で、「リモート・コントロール」をクリックし、操作するユーザーのアカウントやパスワードを入力すると、コントロールされる側のマシンのデスクトップ画面が新たに開く。実際に操作するには、Webブラウザに表示されたデスクトップ画面を、コントロールする側のマシンのマウスやキーボードで利用することになる。操作される側のマシンでは、操作するユーザーの認証を行なうためにアカウントやパスワードを事前に設定しておく必要がある。

 On-Callを使うにはTCP/IPで通信ができる環境が必要となるが、付属のマニュアルには操作される側のPCにリモートアクセス接続する場合やインターネットを介して接続する場合、操作する側のマシンにファイアウォールソフトがインストールされている場合など、具体的なシチュエーションに合わせた事例が説明されており、好感の持てる内容となっている。アナログ回線やISDN回線などの低速回線を経由してコントロールするときには、ユーザーごとに画面表示をモノクロに設定することもでき、快適に操作することが可能だ。

 On-Callは、PCをリモート操作するアプリケーションであるが、数度のバージョンアップにより、非常に扱いやすいアプリケーションに仕上がっている。操作対象となる環境も豊富で、操作したときの速度が向上していることもあるので、ほかのマシンを離れたところから管理したいという方はぜひ注目してほしい。

マルチプラットフォーム対応がウリの本製品だが、WindowsマシンやLinuxマシンだけでなく、PDAからもネットワーク上のマシンを操作することができる点は、とくに注目される。写真はPocketPCからWindows 2000を操作しているところ iモード端末のN503iから、Windows 2000のデスクトップを監視しているところ。画面はいくつかに分割されており、それぞれを拡大表示することもできる

・製品名:Desktop On-Call Version 5.0「PCリモコン」
・標準価格:通常パッケージ版11,800円、バージョンアップ版6,800円
・問い合わせ先:日本IBM
・TEL:0120-04-1992(ダイヤルIBM)
・URL:http://www.ibm.com/jp/

●ホストOS(コントロールされる側)
Windows XP(Professional/Home Edition)/Me/98SE/2000(Professional/Server/Advanced Server)/NT 4.0(Workstation/Server)、OS/2 Warp 4、OS/2 Warp for e-business、Mac OS 9.1/9.2、Red Hat Linux 7.1、Turbo linux 7 Workstation

●ゲストPC(コントロールする側)
Java アプレット対応Webブラウザ(Internet Explorer 5.5/6.0、Netscape Communicator 4.7)

●動作環境
 ・HDD:16MB以上の空き領域
 ・メインメモリ:64MB以上

●ゲストPDAデバイス
 ・Microsoft Pocket PC 日本語版が動作するPDA
 ・PalmOS 3.5 以上が動作するPDA
 ・シャープ・ザウルスMI-E1+Java 環境(別売)

●ゲスト用携帯電話
 ・NTTドコモ iモード携帯電話
 ・au EZweb 対応携帯電話
 ・J-PHONE J-SKY Web対応携帯電話

■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□日本IBMのホームページ
http://www.ibm.com/jp/
□製品情報
http://www-6.ibm.com/jp/pspjinfo/javadesk/
□関連記事
【2001年11月13日】遠隔監視ツール「Desktop On-Call」がJ-スカイ・EZweb対応に(ケータイ)
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/0,,6639,00.html


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