キーボード着脱式Androidタブレット「Eee Pad Transformer」フォトレビュー


 ASUSTeK Computerが6月中旬に発売予定の、Android 3.0搭載タブレット「Eee Pad Transformer TF 101」を限られた時間ながら借用することができたので、ここに写真で紹介したいと思う。

 まず、今回借りたのはプロトタイプであり、製品版では外観などが変更になる可能性がある。特にOSについては、製品版はAndroid 3.0が標準搭載で、追って同3.1へのアップグレードが予定されているが、プロトタイプでは2.2が搭載されていたので、画面はイメージと思って欲しい。なお、評価機にはAndroid 2.x用のハードウェアホームボタンなどがあるが、Android 3.0ではソフトウェアとなるため、このボタンはなくなる。

 本製品の最大の特徴は、専用の着脱式キーボードが付属する点。タブレット本体の見た目は、Optimus PadやXOOMなどと比べて大きく変わらないが、専用キーボードに取り付けると、クラムシェル型ノートPCと瓜二つの格好になる。実際にこのキーボードにはヒンジがあるので、ノートPC同様にたたんで持ち運ぶことができる。ちなみに、このヒンジ部分にはちょっとした仕掛けがあり、タブレットを開くと、ヒンジの接地部が回転とともに盛り上がり、奥から手前にかけて傾斜が付くようになっており、打鍵しやすいよう配慮されている。

キーボードと合体した状態。ぱっと見はノートPCそのもの閉じたところ正面。全体的に緩やかな膨らみのある形状背面。中央の光沢のある部分が、タブレットを挟み込むヒンジ
左側面右側面本体を開けると、ヒンジがそこを持ち上げ、若干キーボードに傾斜が付く

 また、キーボードには、SDカードスロットとUSB 2.0×2というインターフェイスのほか、バッテリが内蔵されており、本体だけだと約9.5時間のバッテリ駆動時間が、約16時間に伸びる。このUSBについては、正確な対応機器リストはないが、同社担当者によると、マウスなどPCと同じ感覚で普通に使えるという。

 試用機のキーボードは日本語配列で、PCのように半角/全角キーや変換キーなどもあるが、これらがどのように機能するかは今回試せなかった。通常ファンクションキーがあるところは、ブラウザやメディア操作のホットキー、戻るキーなどがあり、ホームボタンも最下段にある。

 写真からわかる通り、タッチパッドもある。タッチパッドをなぞると「×」印のマウスカーソルが表示され、PCのようにアイコンなどをクリックできる。試用機では、右クリックは戻る機能が割り当てられていた。

 キーボードと組み合わせて持った感じは、ややずっしり来る。公称重量は約1.3kgで、手元で計ってもぴったり1,300gだった。内部密度が高いせいか、人によっては数値以上に重く感じるが、この重さは、一般的なモバイルノートよりも軽い。

 本体サイズは271×185×28mm(幅×奥行き×高さ)で、女性のカバンにも入るサイズに収まっている。

タブレットを取り外したところキーボード部。配列は日本語。ただし、基本的にWindows用のものを流用しているようで、製品版でも半角/全角などのキーが残るのかは不明タッチパッドは通常のノートPC用途大きさもほぼ同じ。右クリックは戻るに割り当てられていた
タッチパッドを操作すると、「×」のカーソルが表われるタブレットを外す際は、このスイッチをずらすドッキング部。中央が電源を含む拡張コネクタで、その両脇に本体固定用のツメが伸びている
左側面奥に電源用拡張コネクタ同手前側にUSB 2.0右側は奥にUSB 2.0
同手前はSDカードスロット底面

タブレット単体

 タブレット単体では、サイズが271×177×12mm(同)、重量が約680gと、文字通り半分程度の薄さ、軽さになる。奥行きが縮むのは、ヒンジ部分が出っ張っているからだ。

 さきに、タブレットの見た目はほかの製品と大差ないと書いたが、それは正面からみた場合で、裏面は茶色く、鱗のようなテクスチャがあり、ワニ皮のような見た目と触り心地になっている。落ち着いた雰囲気で、高級感があるが、ここだけ見ると、女性の方がウケが良いかもしれない。

 重量はOptimus Pad(620g)とXOOM(700g)の中間ぐらい。やはりこれくらいの重量だと、ずっと把持していると、手首や腕が疲れる。ただ、当然ながらノートPCスタイルで使う時は、この重量が気になることはない。

 液晶パネルはIPSを採用しているため、視野角が広く、傾けても見やすいが、光沢があるので、蛍光灯などの反射はある。

 主な仕様は、CPUがNVIDIA Tegra 2(1GHz)、メモリ1GB、eMMC約32GB、1,280×800ドット表示/10点マルチタッチ対応10.1型IPS液晶を搭載。インターフェイスは、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 2.1+EDR、120万画素前面カメラ、500万画素背面カメラ、Mini HDMI出力、GPS、電子コンパス、光センサ、加速度センサ、ジャイロスコープなどを装備する。

 今回は、OSが製品版とまるで違うため、本体の使用感については割愛する。後日、製品版が入手でき次第、詳細なレビューをお届けする。

横持ちで右端にホームボタンなどがあるが、これは製品版ではなくなる底面中央は電源兼ドッキングの拡張コネクタ右側面はスピーカー、microSDカードスロットや……
Mini HDMI出力、ヘッドフォン端子など左側面は電源、音量、画面ロックボタンキーボードの底面と同じ、茶色でテクスチャのある天板

(2011年 5月 27日)

[Reported by 若杉 紀彦]