特集

改造バカ、アウトランダーPHEVに乗ってデュアルXeon機を野外で使う

〜1,500W電源搭載車PC Watch的活用術(ジンギスカン+バンジージャンプ付き)

 「敏也さん、バンジージャンプってやったことありますか?」と、電話をしてきたのはPC Watch。さすがインプレスグループ、妙な電話をかけてくるのはCar Watchだけではなかったようだ。ため息をつきつつも「不肖・高橋、グアム島においてバンジージャンプは既に経験済みであります。それも50mオーバーですな」と、多少自慢気味に答える。ちなみに20年近く前の話だということは伏せておいた。ああ、これが悪かったのか。

 そしてここからの展開が謎である。「わかりました。では、三菱アウトランダーPHEVの記事をお願いできませんか」。

 「えっ、バンジージャンプの話はどこへ行った? バンジージャンプの経験を聞いておいて、三菱のアウトランダーPHEVの話になるって、どういうこと?」頭の中は疑問符だらけ。しかし、PHEVと聞けば、これはもう興味津々である。不肖・高橋、ハイブリッド車を愛車としていた時期もあれば、某PHVにも乗ったことがある。もちろん電気自動車(EV車)だって「見たこと」はある。

 とりあえずバンジージャンプの件は後回しにしよう。まずは気になるアウトランダーPHEVの記事とはいったい何なのか? それをはっきりさせてなくてはならない。こう見えても私は「車好きのおっさん」なのである。PHEVがつかないアウトランダーに関しては、以前から興味を持っていたので、アウトランダーPHEVに乗せてくれるというなら、楽しい企画なのかも知れない。

 そう、バンジージャンプの件を後回しにしたのが、悲劇の始まりなのであった……。

ハイブリッド車と電気自動車のいいとこ取り、それがPHEV

 聞いてみれば話は簡単だった。PC Watch編集長曰く、三菱のアウトランダーPHEVは驚くべき事に1,500Wの100V AC電源を搭載しているのだという。1,500Wと言えば一般家庭のコンセントで使える最大値と一緒である。要するに家庭でコンセントを使う感覚で、アウトランダーPHEVの中で電気を使えるということなのだ。ちょっとあなた、これは結構凄いことですよ。

 「PHEV」とは何なのか? PHEVは「Plug-in Hybrid Electric Vehicle」の略称。英単語がズラリと並んで圧倒されるが、簡単に言ってしまうと「バッテリに直接充電できる(プラグイン)ハイブリッド車で、状況や設定によっては電気だけで走ることができる」車ということだ。

 通常、ハイブリッド車は外部からバッテリを充電できない。走行中、ガソリンエンジンを使ったり、ブレーキをかけた時の運動エネルギーを回収して(回生充電)、バッテリに充電を行なう。充分な量の電気が貯まると、状況によってガソリンエンジンとモーターを切り替えながら、あるいは両方を使って走行するのがハイブリッド車である。なお、ハイブリッド車の中には、常にガソリンエンジンとモーターを一緒に動かすタイプもある。

 PHVはハイブリッド車に「外部からの充電機能」を追加したものだと思っていい。家庭用電源、あるいは充電スタンドからケーブルを伸ばして、車に搭載されているバッテリに充電させられるである。これにより電気だけで走る距離をある程度確保でき、燃費をさらに向上させられる。もちろんハイブリッド車なので、バッテリの残量が少なくなれば、ガソリンエンジンも使える。EV、すなちわ電気自動車だとバッテリが尽きてしまえばそれまでだが、PHVならガソリンエンジンに切り替えて走り続けられるのである。

 そして三菱のアウトランダーPHEVである。使い勝手のいいSUV(Sport Utility Vehicle)として人気のあったアウトランダーをベースに、プラグインハイブリッド機能を搭載したものがアウトランダーPHEVである。PHEVということでガソリンエンジン、バッテリ、そしてモーターを搭載している。そしてバッテリへの充電はガソリンエンジンや回生エネルギーを使うだけでなく、プラグインで行なうことができる。

 さらにアウトランダーPHEVは、もともとSUVなのだ。悪路に強い四輪駆動は当たり前、しかもバッテリ走行の際にも四輪駆動が可能なのである。アウトランダーPHEVの場合、フロントとリア、両方にモーターを搭載している。このためバッテリ走行時であっても、というより、モーターならではのきめ細かな四輪駆動が可能になっているのだ。さらなる特徴として、アウトランダーPHEVは、ドライバーの設定により「バッテリが尽きるまで」電気だけの走行が可能なのである!

 そんなアウトランダーPHEVだが、PC WatchはさすがPC情報サイトである。この車の1,500Wという電力供給機能にフォーカスし、PCを動かしてみようというのである。ただ単に動かすだけでは面白くないので4K映像を野外で撮影し、それをそのままその場で編集してYouTubeにアップしてしまおうというのだ。これはなかなか面白い企画である。アウトランダーPHEVが運転できるだけでなく、映像撮影と編集までアウトランダーPHEV車内でやってしまおうというのだから。

 4K映像撮影場所として、千葉県「マザー牧場」に撮影の許諾を頂いた。マザー牧場は、動物たちとのふれあいがあり、大人から子供まで楽しめるアクティビティがあり、そして美味しいものも食べられるという。マザー牧場の楽しさを満喫する改造バカを4Kで余すところなく撮影し、その映像をソースにするわけだ。これなら、今まで宝の持ち腐れ状態だった、4K撮影が可能な私の「GoPro HERO3+ Black Edition」を活用できるというのもある。これは久々に楽しみな取材だ。ということで、意気揚々とマザー牧場にお邪魔した。

 何か1つ忘れているような気もするが、まあいいか!

マザー牧場へ向かうアクアライン、海ほたるでちょっと休憩。アウトランダーPHEVの高速走行は安定していてパワーもあり、実に気持ちがいい
決戦、いや違った、到着、マザー牧場。心配していた天気は、なんとかセーフ

マザー牧場でアクティビティを楽しむ!

 マザー牧場には羊さんがたくさんいるのである。その証拠にマザー牧場ではアトラクションとして「シープショー」や「ひつじの大行進」、「牧羊犬とまきばの仲間たち」などがあるのだ。不肖・高橋、北海道士別市という牧羊でちょっとは知られた地で育ったため、ことサフォーク種の羊に関しては詳しい。いや、顔だけ黒い、可愛い食肉種の羊ってことだけ知ってるんですけどね。もちろんサフォーク種の羊もいる。

 いやいや、羊だけがマザー牧場じゃない。カピバラもいればアルパカもいるし、馬、牛、犬、ウサギ、モルモットなど、実にさまざまな動物たちがいるのである。また、動物だけでなくイチゴ狩りといった味覚狩り、花摘みといった楽しみもある。「花と動物たちのエンターテイメントファーム」と言うだけあって、動物とのふれあいだけでなく、アトラクションやアクティビティもバラエティに富んでいるのだ。

 可愛い動物たちとふれあい、ゴーカートを楽しみ、そしてジンギスカンを食する。なんとものどかで楽勝な取材だと考えつつ、マザー牧場に到着した。まず最初に向かったのが、バンジージャンプの塔である。広大なマザー牧場の敷地内に、堂々とそびえ立つドルアーガの塔じゃなかった、バンジージャンプの塔。その高さ、スペック上では21mとか書いてあるものの、私の目線では100mくらいに見える。

かすんで見えるはドルアーガ、もとい、バンジージャンプの塔。朝からどこへ行こうというのですか?

 いや、なぜにバンジージャンプなの? ああ、そうか! 最初にバンジージャンプの経験を尋ねられたのは、そういった流れのためだったか……。

 急遽、マザー牧場で編集会議である。議題は当然「なぜ半世紀ほど生きて、そろそろガタの出ているおっさんが、高さ21mの塔から飛び降りなくてはならないのか?」だ。編集長の主張は「4Kビデオの編集するじゃないですか。その素材撮りのためにここへ来たんですよ。だったら面白い素材を作りたいじゃないですか」。いやいや、素材集めの話じゃなくてね、私がどーしてバンジージャンプしなくちゃならないの? そういう話なのである。

 ところが編集長からは「もしかして敏也さん、ビビリですか?」と来たもんだ。不肖・高橋、高所恐怖症ではないが、ここだけの話、ビビリではある。だが、プライドというか自尊心というか、そういうものもこっそり持っているわけだ。ビビリと思われないためには、やはりここは飛ぶしかないのか? 確かに飛んだ際の映像をGoProで4K録画すれば、絶好の素材にはなる。

 「バンジージャンプ飛んだあとのジンギスカンは美味しいだろうなあ」とか、「バンジージャンプを格好良く飛べば、ナウいギャルにモテモテですよ」とか、そういった雑音はどうでもいい。私は、私のプライドのために飛ばなくてはならない。そういった状況に追い込まれたようである。

 はい、飛びましたがな、バンジージャンプ。20年以上ぶりに飛びました、バンジージャンプ。やっぱりね、半世紀ほど生きてきて、いろいろな経験をしてきましたが、やっぱり怖いんですよバンジージャンプ。

 ジャンプを終えて戻ってきた私に、編集長がまず言ったことは「さ、次はゴーカートに乗りましょう」だったから。ついでのように「ずいぶんあっさり飛びましたね。ネタ的には面白くないなあ」とか言っているのだが、それに反論する気力が残っていなかったのも確か。GoProで私の華麗なジャンプが、しっかり記録されていることを祈るばかりである。

改造バカ高橋敏也 バンジージャンプに挑戦。4K(3,840×2,160ドット)で撮影。撮影機材: Xperia Z2、GoPro HERO3+。撮影場所: マザー牧場。YouTubeの設定ボタンを押して、「2160p 4K」を選択すると、4Kで再生されます。※撮影は、マザー牧場の許可を得て、安全を確認した上で行なっています
※撮影にあたっては、マザー牧場の許可を得て、安全を確認した上で行なっています
おっさんの顔、こわばって見えるでしょう? いや、本当にこわばってるんだって! 編集長「表情が硬いですよ〜」とか、固くなるんだって!
私には怪物に見えるバンジージャンプの塔。かすんでるのがいい雰囲気出してるなあ(ヤケクソ)
バンジージャンプの前に誓約書にサイン、そしてGoProを取り付けたヘルメットが安全かどうか確認してもらう。ちなみにヘルメット、GoProはどちらも自前
ハーネスを装着してもらう。空挺師団にいた頃(嘘です)より緊張する
ハーネス装着完了! 緊張感がどんどん高まる(注:私だけ)
タクティカルヘルメットに、暗視鏡などを取り付けるNVGマウントでGoProを固定している。いわゆるミリタリー方式だ
思えば50年、いいことは少ししか無かったなあと思うおっさん
「飛びましょうかね」、「そうしていただけると助かります」、「じゃ、飛びますわ」
ブラブラしているおっさんは放心状態でした
認定証(右手に持ってるもの)は私だけの宝です。いや、今度どっかのキャバクラで自慢しよう

 さて不肖・高橋、実は富士スピードウェイのサーキットライセンスを所有しており、スポーツ走行も経験しているのだ。そんな私に乗れというのだから、さぞかし本格的なカートかと思ったら……。はい、大人から子供まで、誰でも楽しめるゴーカートでした。クラッチ操作とか、ヒール・アンド・トゥとか、そんなの関係ない感じのカートでありました。

富士スピードウェイのサーキットライセンスを持つこの私に「カートに乗れ」と?
あ、この方向のカートでしたか。ちょっと安心しました
スタート! まだこの時点でも、バンジージャンプの影響が残っている
余裕ぶっこくおっさん
帰投いたしました!
改造バカ高橋敏也 ゴーカートで爆走する。4K(3,840×2,160ドット)で撮影。撮影機材: Xperia Z2、GoPro HERO3+。撮影場所: マザー牧場。YouTubeの設定ボタンを押して、「2160p 4K」を選択すると、4Kで再生されます。※撮影は、マザー牧場の許可を得て、安全を確認した上で行なっています

 ゴーカートを終えたあたりから、ようやく正気に戻った高橋。次のアトラクションはというと「うさちゃん・モルちゃんだっこ」だという。「うさちゃん」がウサギであることは容易に想像できたが、「モルちゃん」の方は「もしかしたらモルジアナさん?」などと考える自分のアニメ脳がちょっと嫌い。モルモットちゃんだよね、やっぱり。

 というわけで愛らしい動物たちとのスキンシップは、バンジージャンプで壊れかけた私の人格を確実に回復させてくれた。やっぱりいいよね、小動物たちは。GoPro取り付けたヘルメットを被った、怖い顔のおっさんでも差別しないから。

ラビットハウス(正式名称:ふれあい館)って、あのラビットハウスですか? ご注文はウサギ!?
あ〜、ジャンプのショックが癒されるわ〜。ウサギ〜
ちょっと緊張しているかな? ウサギさん
あ〜、ジャンプのショックが癒されるわ〜。モルモット〜
なぜか表情が硬いモルモットさん
モルモット可愛いよ、モルモット
改造バカ高橋敏也 全力でうさぎをモフる。4K(3,840×2,160ドット)で撮影。撮影機材: Xperia Z2。撮影場所: マザー牧場。YouTubeの設定ボタンを押して、「2160p 4K」を選択すると、4Kで再生されます。

 これでバンジージャンプ、ゴーカート、そしてウサギとモルモットお触りという3つの4K映像ソースを用意することができた。ほかにもアルパカに無視されたり、よく知る羊、サフォーク種に無表情な目で見つめられたりといろいろあったのだが、それらは割愛する。映像ソースが揃ったら、いよいよアウトランダーPHEVというか、その後部に搭載しているワークステーションの出番である。あ、その前に昼食、ジンギスカンを食べなくては(義務感)。

動物界のスター、アルパカ、いやアルパカさん発見!
アルパカさん、改造バカをガン無視
シープショーはちょうど終わったところだった。そんな中、サフォーク種の羊を発見して興奮するおっさん
いろんな種類の羊がいるもんだと感心しているおっさん
ランチはジンギスカン! 羊を見た後にジンギスカン!
カフェテラス形式なので、ちょっとだけバーベキュー感覚も味わえる
北海道出身者として調理を一任される。失敗は出来ない!
この後、スタッフが美味しくいただきました(本当)
改造バカ高橋敏也 全力でジンギスカンを食らう。4K(3,840×2,160ドット)で撮影。撮影機材: Xperia Z2。撮影場所: マザー牧場。YouTubeの設定ボタンを押して、「2160p 4K」を選択すると、4Kで再生されます。

4Kビデオを編集してYouTubeにアップ!

 バンジージャンプの衝撃は、愛らしいウサギさんとモルモットさんたちが打ち消してくれたし、ジンギスカンで満腹感も得られた。実はここからが本番である。そう、アウトランダーPHEVに積んできた、ワークステーションクラスのPCが、ついに稼働するのである。

 いや、はっきり言って今回用意したマシンはワークステーションそのものである。デルの「Precision T5610」。CPUはIntelのXeonプロセッサ、なんと6コアのXeonをデュアルで搭載しているのだ。このためスレッド数的には24スレッド! ソフトがマルチスレッドに対応していれば、とんでもない処理スピードを実現してくれる。

4K映像を編集するため、さっそくワークステーションの設営開始。これが1,500Wを供給してくれるコンセント
設営中。デルの32型4Kディスプレイが、ほぼ一杯だがちゃんと置けた
デルのワークステーション「Precision T5610」がキッチリ起動!
作業用の椅子を考えていなかったことを悔やむおっさん
それでも映像編集作業に突入する
6コアXeon 2基で12コア、24スレッドという、まさにワークステーションスペック

 映像の編集に使用したソフトはサイバーリンクの「PowerDirector 12」。4K映像への対応はもちろん、マルチスレッドにも対応している。このため理論的にはスレッド数が多ければ多いほど処理は高速化する。一方、ディスプレイの方も4K映像を編集するのだから、4K対応であることが望ましい。というこでPCと同じく、デル製32型4K対応の「UP3214Q」を持ち込んだ。

 このほか用意した機器はアップロード通信用端末兼4K動画撮影カメラとしてソニーモバイルコミュニケーションズのAndroidスマートフォン「Xperia Z2」、そしてブラザーのカラーレーザープリンタ「MFC-9340CDW」である。今回の主な目的は4K映像をその場で編集し、YouTubeにアップロードするというもの。従ってMFC-9340CDWのようなカラー複合機は使用しなくていい。だが、2つほど目的があってMFC-9340CDWを用意し、使ってみた。

 まず1つはカラーレーザープリンタは、印刷開始時にかなりの電力を必要とすること。デルのPrecision T5610が超ハイスペックな割に、消費電力が大きくないことは事前のテストで分かっていた。なので大きな電力が必要な機器を、別に用意して一緒に使ってみたかったのだ。そしてもう1つの目的は、MFC-9340CDWが複合機であるためプリント機能だけでなく、スキャナ機能やコピー機能を有しているということ。また、ダイレクトプリントがあるため、PC無しでもデータを印刷できる。これらの機能は、私が想定する別の用途に活用できそうだったため、MFC-9340CDWに登場してもらったのだ(後述)。

 というわけで、先ほど撮影した4K映像をソースに編集を開始するが、ある1つの点を除いて、環境的には自室で作業するのとなんら違いはない。パワフルなワークステーションは重たい4K映像ということを意識させないというか、まあ、たいした編集をしていないのでそう思ったのかも。使用した機能はタイトル追加、トランジション追加、そしてカット編集だけなので処理パワーを必要としたのはエンコードぐらいなものだろうか。唯一、自室での作業と異なるのはそれが屋外であり、ワークステーションが車の荷台にあるということだ。ここで1つ失敗。折りたたみでもなんでもいいから、高さを合わせた椅子を用意すべきだった。ワークステーションと32型の4Kディスプレイ、キーボード、マウスを展開すると、SUVの荷室でもあっても人間が座る場所は無くなるのである。これは正直、盲点だった。

 ちなみにワークステーション、4Kディスプレイ共に、こちらが期待するほど大きな電力消費は無かった。両方合わせてもせいぜい400W前後、アウトランダーPHEVにしてみれば余裕の範囲だ。もっともそれは最初から分かっていたので、MFC-9340CDWの登場である。映像の1シーンをキャプチャし、それを実際に印刷してみる。案の定、印刷の立ち上がりで消費電力が一気に増大、プリンタ単体でも700Wを超えた。ワークステーションなども合わせれば、1,000Wクラスの消費である。しかし、アウトランダーPHEVなら、これでもまだまだ余裕がある。

 編集を終えたムービーはYouTubeにアップするのだが、LTEとは言えデザリングしたスマートフォンの回線スピードではさすがに遅い。ワークステーションの処理パワーに見劣りしない回線を用意すべきだったと、この点に関しては反省である。

4K液晶+24スレッドマシンにて、PowerDirector 12で出力中の画面
4K動画撮影に対応するスマートフォン「Xperia Z2」。もちろん屋外ではテザリングを使って、これがインターネット回線にもなる
印刷立ち上がりに大きな電力を必要とするカラーレーザープリンタ登場!
バッチリ印刷できました!
プリンタ単体の消費電力、印刷の立ち上がり時には800W近くまで上昇する
これは見せるためだけに用意したクアッドコプター。私物なのだが、まだ上手く操縦できない

走りもいいぞ、アウトランダーPHEV!

 さて、車好きのおっさんとしては、アウトランダーPHEVの走りに関してもちゃんと感想を述べておきたい。アウトランダーPHEVを走らせて、まず感じたのがしっかりした安定感。一般道路、高速道路、そしてワインディングロードを走ってみたが、どんなシーンにおいてもハンドルの操作感がしっかりとしている。どっしりとした安定感というのではなく、決して小さくない車格に関わらず軽快な安定感がある。

 そしてハイブリッド車で一番気になるのが「ガソリンエンジンとモーターの連動性」である。ハイブリッド車ではガソリンエンジン駆動とモーター駆動の切り替えがあり、さらには両者が連動して走る状況もある。ハイブリッド車に乗っていると、例えばエンジン駆動からモーター駆動へ切り替わる際の感触が気になることもある。だが、アウトランダーPHEVではそれがまったく気にならなかった。さらにはモーターの駆動音もまったく気にならず、快適なドライブであった。要するにハイブリッド車としても、アウトランダーPHEVは優秀なのである。

 プラグイン充電をする機会は無かったのだが、ある程度までバッテリが充電された段階でガソリンエンジンを使わないモードに入れてみた。モーターのみ、静かで力強いドライブが一般道路だけでなく、高速道路でも「バッテリが尽きるまで」続く。実に気持ちのいい走行感覚だ。もちろんバッテリが尽きれば自動的に意識することなくガソリンエンジンが始動し、走行と充電を担当してくれる。

 私はもともとRVが好きだったのだが、車格の大きさからセダンタイプなどに乗り換えた。また機会があれば、是非ともこのアウトランダーPHEVのような車に乗りたいものである。

アウトランダーPHEVの運転席側にあるスイッチ。「AC100V」のスイッチで、コンセント給電のオン/オフを行なう
メーター中央のバッテリインジケータに注目。フル充電だと、かなりの時間AC100Vを使える

パワフルなPCをフルセットで持ち出す意義

 最近、家庭用コンセントを標準装備している車も多くなった。しかし、そのほとんどは200W以下で、150W前後の出力しか持っていない。また、カー用品店で入手できるシガーソケットを家庭用電源に変換できるインバーターユニットも、出力は最大で300Wぐらい。アウトランダーPHEVのように1,500Wもの出力が用意されている車は、ごく希な存在といっていいだろう。

 ではこの1,500Wという出力は、PCがらみだとどういった可能性を見せてくれるのか? 今回、ワークステーションや4Kディスプレイ、カラーレーザープリンタを持ち出したのは「屋外で本格的で高度なPC作業が可能かどうか?」を見極めるためだったのだ。結果的にはワークステーションクラスの高度な処理能力を持つPC環境であっても、アウトランダーPHEVがあれば屋外で運用可能だということが分かった。しかもカラーレーザープリンタも一緒にである。

 改造バカの企画ということで、ウケに走った面はあるのだが、私の中ではいくつか想定していたストーリーがある。例えば自然災害で地形などに変化が生じた被災地に、アウトランダーPHEVで駆けつける状況。こういった被災地で最近活躍しているのが、クアッドコプターである。クアッドコプターで被災地の地形を映像として記録し、それを画像解析で3Dデータ化する。こうすることで救助活動や物資搬入、復旧作業に活用できるマップを作成するのである。だが、画像解析や3Dデータ化を迅速に行なうには、パワフルなPCが必要となる。さらに作成したマップは、その場で高精度で印刷できることが望ましい。そう、アウトランダーPHEVならそれが可能なのである。

 PC、ワークステーションだけでなく、今回のテストでカラー複合機のMFC-9340CDWが普通に動いたのも素晴らしい。MFC-9340CDWは最大時の消費電力が1,030W以下というスペックだ。当然、普通の車の供給電力で動かすことはできないだろう。だが、アウトランダーPHEVならごく当たり前に使うことができる。その場で必要な写真をプリントしたり、地図や図面をコピーすることができる。クアッドコプターで撮影した画像を印刷し、配るといった使い道も想定できる。

 さらにアウトランダーPHEVは悪路走破性の高い四輪駆動で、しかも燃費がいい。また、有り余る電力は、PC以外にも活用できるのだ。被災地などへ駆けつけるのに適している。ワークステーションクラスの処理能力を持ち出せるという点では、学術調査などでも活躍しそうだ。PC以外の機材、例えば分析器などを持ち出してもいいし、電気を使う工作機械を持ち出してもいい。PCがどうしても必要、それもハイエンドなものが欲しいというなら、アウトランダーPHEVはまさにうってつけの存在なのである。

 もちろん、遊びに活用という手もある。例えばこういうのはどうだろう。サバイバルゲームへアウトランダーPHEVで行く際に、ハイエンドビデオカードを搭載したPCを搭載する。PCにはもちろんFPSゲームをインストールしておき、サバイバルゲームの合間、あるいは終わってからFPSゲームを楽しむのである。オンライン版をプレイするには高速ネットワークが欲しいところだが、オフラインを皆で楽しむならまったく問題無い。複数台のハイエンドPCを持っていって、ローカルな対戦プレイを楽しむことだってできる。

 アウトランダーPHEVの大出力電源を、どう活用すればいいか? そう問われたら私の場合、どうしてもPCがらみで考えてしまうわけだが、可能性はほぼ無限大と思っている。なぜなら1,500Wあれば、自分の部屋で作業するのと同じだからである。自分の部屋でPCを使ってできることは、アウトランダーPHEV内で全てできる。

 「PCは会議室で必要なんじゃない! 現場で必要なんだ!」とか、どこかで聞いたセリフを思わず口にしてみたりする。どこでもインターネットに繋がる今、どうしてPCやワークステーションを現場に持ち込む必要があるのか? そういった疑問を感じる人がいても、決しておかしくはない。しかし、現場にPCなりワークステーションがあれば、どのように便利だったり楽しかったりするか。そうポジティブに考えるのもありだと思うのだ。

 取材を終えて、アウトランダーPHEVをしげしげと見ながら、私が思ったことは2つ。1つはすでに書いたことだが、アウトランダーPHEVの後部に搭載したPCを、快適に使用するためのレイアウトと椅子をどうするか? これは考える価値のある問題だ。そしてもう1つ「果たして今回の取材で、バンジージャンプは本当に必要だったのか?」という疑問。こっちはいくら考えても、正しい答えは見つかりそうにない。

 まあ、いいか。もう飛んじゃったわけだし。

(高橋 敏也)