【Google I/O 2012】「Nexus 7」写真レビュー
~初のAndroid 4.1搭載7型液晶タブレット

Nexus 7



 米Googleは、米国サンフランシスコで開催された開発者向けカンファレンス「Google I/O」初日の基調講演で、Android 4.1(開発コードネームJelly Bean)ベースの7型液晶搭載タブレット「Nexus 7」を発表。そして、Google I/O参加者全員にNexus 7を配布した。筆者も実機を入手し、短時間ながら触ることができたため、写真を中心にNexus 7のハード面をチェックしていきたいと思う。

 今回、Google I/O参加者に配布されたNexus 7は、内蔵ストレージ容量が8GBのモデルだ。パッケージには、Nexus 7本体と充電用のACアダプタ、USBケーブルが同梱されていた。本体サイズは、120×198.5×10.45mm(幅×奥行き×高さ)。10.1型液晶搭載の「Motorola XOOM」と比較すると、二回り以上小さく、筆者の手なら片手で楽々持てる。また、重量は340g。 実測では337.5gと、公称値をわずかに下回っていた。

 本体カラーは、液晶面がブラック、裏面がホワイトで、裏面には大きな「Nexus」ロゴと、製造メーカーであるASUSTeK Computerのロゴが見える。また、背面に各種認可ロゴが記されたシールが貼られているが、残念ながら日本の技術基準適合証明マークはない。

 本体側面には、下部に充電およびPCと接続しデータの転送などを行なうmicroUSB端子とヘッドフォン/マイク共用ジャックが、右側面に電源ボタンと音量調節ボタンが用意されている。これ以外の端子やボタンは用意されず、microSDカードスロットなどの外部メモリカードスロットもない。カメラは、液晶面上部に120万画素のインカメラのみを搭載し、裏面にはカメラはない。Nexus 7の8GBモデルは、北米で199ドルと安価に販売されるため、コストダウンのために多くの機能が省かれていると考えられる。

 液晶パネルは、1,280×800ドット表示対応の7型液晶を搭載。IPSパネルを採用していることもあり、視野角が広く、発色や視認性も申し分ない。パネル表面は光沢処理で、発色は鮮やかだが外光の映り込みはやや激しい。パネル表面には、Corning製の傷防止ガラスが採用されているため、キズも付きにくいと思われる。

 プロセッサは、NVIDIAのクアッドコアプロセッサ、Tegra 3(動作クロック未発表)を搭載する。またメモリは1GB搭載。ストレージは8GBで、システムアップデートと標準搭載のアプリをアップデートした直後の状態で、空き容量は5.56GBだった。無線機能は、IEEE 802.11b/g/nとBluetoothを搭載。センサー類は、GPS、加速度センサー、ジャイロスコープ、磁気センサーを搭載。さらに、裏面上部にはNFCも搭載しており(本体側にNFCロゴなどの記述はない)、NFC搭載端末間でのデータ転送(Androidビーム)などに利用可能だ。

 プロセッサにTegra 3を搭載していることもあって、動作は非常に軽快だ。実際に操作を撮影したムービーを見てもらうとわかると思うが、メイン画面やブラウザの操作は、一切引っかかりを感じることなく、非常にスムーズだ。また、まだ実機にゲームなどをインストールしてプレイしてみたわけではないが、会場のデモ機にはTegra 3に最適化されたゲームがインストールされ、非常にスムーズに動作していた。199ドルと安価なタブレットながら、これだけ軽快な動作を実現しているとなると、他の製品にとって非常に大きな脅威となるはずだ。

 今回配布されたNexus 7は、パッケージを開けた直後の状態では表示言語として日本語は表示不可能だったが、システムアップデートを適用すると日本語が選択可能となり、完全な日本語表示で利用可能となった。OSは、冒頭でも紹介しているように、Google I/O初日の基調講演で発表された、Android 4.1を採用している。

 起動直後のホーム画面には、購入済みまたはライブラリに登録済みの雑誌や書籍、映像、音楽などのコンテンツを一覧表示する「マイライブラリ」というウィジェットが全画面で登録され、右に画面を切り替えると、Google Playで入手可能なおすすめの音楽や映像コンテンツ、アプリなどを表示するウィジェットが登録されている。また、ホーム画面下部のドック部分には、Google Playで購入できる書籍や雑誌を閲覧するアイコン、映画やTV番組などを閲覧できるアイコン、Googleミュージックアイコン、Google Playアイコンが並ぶ。そして、ドック左端には、Android 4.1より標準ブラウザとなったChromeやマップ、Google+、Gmailなどのアプリをまとめたフォルダが登録されている。ドックが用意されているため、インターフェイスはAndroid 4.0搭載タブレットよりもAndroid 4.0搭載スマートフォンに近く、縦向きでの利用が基本となっている。こういった点からも、Google Playで購入できる雑誌や書籍などのコンテンツを閲覧するという用途を中心として位置付けたタブレットと言ってよさそうだ。

 ところで、Android 4.1には、通知項目を2本指でスワイプすることで詳細を確認できる機能や、ホーム画面に置いたアイコンやウィジェットの配置を変更する場合に、重なるアイコンやウィジェットを自動的に再配置する機能などが盛り込まれている。それらの動作も動画で紹介しておく。

本体正面。1,280×800ドット表示対応の7型IPS液晶を搭載し、発色や視認性に優れ、視野角も広い。表面は光沢処理。Corning製の傷防止ガラスを採用側面下部。高さは10.45mmと、特に薄いというわけではない左側面。側面は下部が丸く切り取られたラウンドデザインを採用している
側面上部。本体カラーは液晶面側はブラック、背面側はホワイトとなっている右側面。安価な製品だが、側面部の仕上げは細部までしっかりとしている裏面。ホワイトの裏面は、プラスチックの素材がそのまま感じられるため、やや安っぽく感じる。
フットプリントは、120×198.5mm(幅×奥行き)。奥は10.1型液晶搭載のMotorola XOOM、手前は4.3型液晶搭載のISW11Fだ女性の小さな手ではやや厳しいかもしれないが、筆者の手なら片手でも楽々持てる裏面の許認可マークに技適マークは含まれない。マーク上部のスリットはスピーカだ
重量は実測で337.5gと軽く、片手で持っていても疲れを感じないパッケージを開けた様子。パッケージは本体のフットプリントよりわずかに大きい程度とコンパクトだった付属品は、ACアダプタとUSBケーブル、簡単な取扱説明書のみだ
ACアダプタとUSBケーブルを利用して充電を行なう。ACアダプタの出力は5V、2Aで、2A出力対応の汎用USB-ACアダプタでも充電可能だった。またPCのUSB 2.0ポートに接続しても充電されることを確認した下部側面には、microUSBポートとヘッドフォン/マイク共用ジャックを用意。microUSBポートは、充電やPCと接続してファイルの送受信に利用。microSDカードスロットなどの他のポートは全くない右側面には、電源ボタン(右側)とボリューム調節ボタンを用意。物理ボタンはこれだけだ
左側面には、用途不明の金属端子がある。専用ドックなどの未発表オプション用と思われる表記はないが、裏面上部中央にはNFCチップを搭載しているカメラは液晶側に120万画素のインカメラを搭載するのみで、裏面にカメラは搭載しない
システムアップデートを行なうと、表示言語に日本語が選択可能となるこのように、完全日本語で利用可能だOSのバージョンがAnndroid 4.1になっていることがわかる
起動直後のホーム画面。下部に戻る、ホーム、タスクの各ソフトウェアキーがあり、その上に7個のアイコンを配置したドックを配置。ホーム画面には全画面に「マイライブラリ」ウィジェットが表示され、閲覧可能な各種コンテンツが表示されるロック画面では、上フリックに「Google」という項目が用意されている上フリックでGoogleでロック解除すると、「Google Now」が表示される。現在いる場所に応じ、天気や周辺情報などが自動で表示される
ドック左端のフォルダを開くと、Chromeやマップなどのアイコンが登録されているAndroid 4.1ではChromeが標準のWebブラウザとなったドロワー画面は、Android 4.0からほとんど変わっていない
【動画】Nexus 7を操作している様子
【動画】2本指でスワイプし通知メニューの詳細を表示している様子
【動画】アイコンやウィジェットの配置を変更している様子

(2012年 6月 29日)

[Reported by 平澤 寿康]