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古代人の石器。実はサルが作ったものだった可能性

 古代人が作ったと思われていた石器が、実はサルが作ったモノである可能性が示唆されたとの記事が19日付けのNature誌に掲載されている。

 オマキザルは、石を道具として使い、ナッツを砕いたり、穴を掘ったりすることが以前より知られている。しかし、2005年、オマキザルが珪岩同士をぶつけて砕き、生じた粉を舐めている様子が初めて観察された。これは石を道具として使っている、あるいは加工しているのではなく、粉に含まれるミネラルを摂取するために、このような行動を採っていると推測される。

 だが、この際にできた珪岩の破片を、そのことを知らずに同僚から見せられたオックスフォード大学の考古学者トモス・プロフィット氏は、これが2~300万年前にアフリカ東部でヒトの祖先が作った石器と酷似していると判断した。実際には数年前にブラジルでサルが作ったものだった。

 こういったことから、実はサルによって偶発的に作られた石の破片が、現在、ヒトの祖先が加工した石器だと認められている可能性が浮上してきた。プロフィット氏らは、石器の形状だけで判断することなく、例えば狩られた動物の骨と一緒にみつかるなど、他の証拠を求めるべきだと警鐘を鳴らしている。