イベントレポート
AMD、次期APU「Kaveri」の概要と性能を公開
~4CPU+8GPUの12演算コアを持ち、TrueAudioにも対応
(2014/1/7 10:00)
米AMDは6日(現地時間)、2014 International CESの会場で記者会見を開催し、1月14日(現地時間)に発表を予定している開発コードネーム「Kaveri」で知られる新「AMD Aシリーズ」の概要とその性能データの一部を公開した。
AMD上級副社長兼ビジネスユニット事業本部長のリサ・スー氏は、「KaveriはAMD APUの歴史の中でもっと進化したAPUだ」とだ述べるとともに、GPUとCPUが1つのプロセッサになるヘテロジニアス型のプロセッサで、AMDが競合他社をリードしているとアピールした。
スー氏が公開したKaveriの概要は、4基のCPU(Steamrollerコア)と8基のGPU(GCNアーキテクチャ)を搭載し、合計で12基の汎用演算コアを持つという構造で、「Hawaii」こと「Radeon R9 290X」などで実装したプログラマブルオーディオの機能となる「TrueAudio」機能を内蔵している。
また、スー氏はAMDがデスクトップPC向けに計画しているA10-7850Kと、競合となるCore i5-4670K(3.4GHz、6MBキャッシュ)とベンチマーク結果を公開し、性能がCore i5-4670Kを上回るとアピールした。
4CPU+8GPUで12演算コアから構成されているKaveri、TrueAudioにも対応
Kaveriの概要に関して、AMDは11月にサンノゼで行なったAPU13において、HSAをサポートし、CPUコアは新設計となるSteamroller、GPUコアはGCNアーキテクチャで、856GFLOPSの演算性能を持つことなどを公開していた。
今回は、それに加えて、具体的なCPUとGPUのコア数が明らかにされ、汎用演算に利用できるコアが12基であることが強調されている。スー氏によればSteamrollerのIPC(1クロック周波数あたりに実行できる命令、命令実行の効率を示している)は前世代から20%ほど向上しているという。GPUに関してもGCN世代に更新されることで、同じ周波数で比べると50%の性能向上が確認できるという。なお、GPUに関してはMantleもサポートされる。
また、AMDがRadeon R9 290X世代で初めてサポートしたプログラマブルオーディオDSPとなるTrueAudioのエンジンも内蔵されているほか、Trinity/Richland世代ではサポートされていなかったPCI Express Gen3を外付GPUのために搭載する。今回公開さたKaveriはデスクトップPC版となるが、TDPは45W~95Wまでで複数の枠が設定されており、cTDP(Configurable TDP)にも対応する。
スー氏が公開したCore i5-4670Kとの比較スライドによれば、総合ベンチマークのPCMark8で24%、3D描画ベンチマークの3DMarkで87%、GPUコンピューティングを含むBasemark CLでは63%上回っているという。また、HSAを利用した場合の性能については、HSAを利用しない場合に比べて8倍の性能を実現できると説明した。
Kaveriは1月14日に発表、まずは自作PC向け製品から投入される
Kaveriの正式発表日に関して、従来の説明では1月13日(現地時間)とされていたが、カンファレンスでは1月14日(同)に発表され出荷が開始されると明らかにされた。
まずはチャネル(自作PC向けの単体CPUボックスやホワイトボックスメーカーのこと)向けに、A10-7850KとA10-7700Kの2製品が6日(同)より注文可能になる。ノートブックPC向けやサーバー向けは後日別途発表されることになりそうだ。
なお、より詳しい詳細は、1月14日(同)の正式発表に合わせて明らかになると予定だとAMDは説明している。Kaveriが市場に登場するのも、もうまもなくだ。
【表1】1月14日に発表される予定の2つのSKU | ||
---|---|---|
A10-7850K | A10-7700K | |
CPU | Steamroller/4コア | Steamroller |
GPU | Radeon R7(8コア) | Radeon R7 |
CPU周波数 | 3.7GHz | - |
GPU周波数 | 720MHz | - |