イベントレポート

【Thermaltake編】NFC/Qi対応ワイヤレススピーカなど携帯機器向け製品を多数展示

~ゲーミングデバイスや自作パーツなども

NFC対応のBluetoothスピーカ「X-Cube」。Bluetoothは4.0に対応
会期:6月4日~8日(現地時間)

会場:

Taipei World Trade Center NANGANG Exhibition Hall

Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1

Taipei World Trade Center Exhibition Hall 3

Taipei International Convention Center

 Thermaltakeブースは、例年通りキーボードやマウスなどのゲーミングデバイス、ケースや冷却グッズなどの自作系パーツの展示が中心となっていたが、最も注目を集めていたのは、これまでiPhoneやiPadを中心としたスマートフォンやタブレット向け周辺機器ブランドとして展開されてきた「Luxa2」コーナーだ。ポータブルスピーカやポータブルバッテリなど、一見すると普通のスマートフォン向け周辺機器といった感じだが、面白い仕様を実現した製品が目白押しとなっていた。

NFC/Qi対応BluetoothスピーカやQi対応モバイルバッテリなど

 まず、Bluetoothスピーカ「X-Cube」。キューブ型のBluetoothスピーカで、NFCに対応しており、NFC対応スマートフォンをタッチするだけでペアリングが完了し、ワイヤレスでの音楽再生やハンズフリー通話が可能。また、容量4,000mAhのバッテリを内蔵するチャージユニットが付属し、チャージユニットからスピーカユニットの充電が可能。ここまでは良くある仕様だが、実はX-Cubeのスピーカユニットは無接点充電機能「Qi」に対応するとともに、チャージユニットにはQi充電台機能を内蔵し、ケーブル接続不要で充電が可能となっている。しかもチャージユニットは単体でモバイルバッテリとしても利用でき、Qi対応スマートフォンの充電が可能。さらに、充電用のUSBポートも備え、Qi非対応スマートフォンの充電も行なえる。とにかく、非常に多機能なBluetoothスピーカとなっている。

 サイズは、スピーカ部が190×65×80mm(幅×奥行き×高さ)、チャージユニットが192×67×15mm(幅×奥行き×高さ)となる。

NFC搭載スマートフォンならタッチするだけでペアリングが可能
付属のチャージユニットにはQi充電台機能が内蔵され、X-Cubeスピーカ部はQi充電に対応。スピーカ部をチャージユニットに置くだけで充電が可能
チャージユニットは、容量4,000mAhのQi対応モバイルバッテリとしても利用でき、Qi対応スマートフォンのワイヤレス充電も可能
USB給電ポートもあるので、Qi非対応スマートフォンの充電も可能

 次に、容量40,000mAhの超大容量バッテリを内蔵するモバイルバッテリ「P-MEGA」。圧倒的な大容量で、本体側面には給電用のUSBポートが6個あり、6台のモバイル機器を同時に充電可能。このうち3ポートは2A出力をサポートし、急速充電が行なえる。本体サイズは、100×100×105mm(幅×奥行き×高さ)とかなり大きく、カバンなどに入れて持ち歩くのは厳しいが、車に入れたり、キャンプなどの野外活動時などにはかなり重宝しそうだ。ちなみに、内蔵バッテリのフル充電には1日ほどかかるそうだ。

40,000mAhの超大容量バッテリを内蔵する「P-MEGA」。一般的なモバイルバッテリのような使い方は厳しいが、家族や友人とキャンプに行く場合などに重宝する
片側に3ポート、合計6ポートのUSB給電ポートがあり、6台のモバイル機器を同時に充電可能
6ポートある給電ポートのうち3ポートは2A出力に対応しており、急速充電が行なえる

 コンパクトなモバイルバッテリながらQiに対応するのが「TX-P1」。容量5,000mAhのモバイルバッテリで、本体サイズは一般的なモバイルバッテリよりやや大きいものの、Qi充電台機能を内蔵し、Qi対応スマートフォンのワイヤレス充電が可能。また、USB給電ポートもあるので、Qi非対応スマートフォンの充電も可能。Qi対応製品としては、2台のQi対応機器を同時に充電できる「TX-100」も用意される。

容量5,000mAhのQi給電対応モバイルバッテリ「TX-P1」。5,000mAhのモバイルバッテリとしてはやや大きいが、Qi給電対応ということを考えるとまずまずの小ささと言える
外出時でもQi対応スマートフォンを置くだけで充電が可能
USB給電ポートもあるので、Qi非対応スマートフォンも充電できる
Qi給電用コイルを2つ搭載し、2台のQi対応機器を同時に充電できるQi充電台「TX-100」

 このほかには、容量5,000mAhの薄型ポータブルバッテリや、革製のジャケットが装着されたデザイン性重視のポータブルバッテリなど、さまざまな製品が展示されていたので、それらをまとめて紹介する。ちなみに、これら製品は日本では8月頃から順次発売される予定だ。

モバイルバッテリを革製のジャケットで覆った、デザイン性重視のポータブルバッテリ。左が容量10,400mAhの「L-MEGA」、右が容量5,200mAhの「L-Pro」。双方とも2.1A出力に対応し、L-MEGAは2.1Aのデュアル出力もサポート
こちらは、容量2,500mAhの「CHIC」。革製ネームタグ相当のサイズにバッテリを内蔵。スタイルを気にする女性をターゲットとした製品
薄型ボディながら5,000mAhの容量を実現する「P4」。薄型のためカバンに入れる場合でもかさばらず、持ち運びに便利だ
容量11,000mAhの「Tough Pro」。周囲がラバーで覆われており、衝撃に強いタフボディとなっている点が特徴
こちらは、有線LANを無線化するモバイルルータ機能、スマートフォンなどのモバイル機器の充電機能、SDXCカードのワイヤレスシェア機能を備える複合デバイス。まだ製品名などは決まっておらず、モックの展示のみだったが、こちらもかなり面白い製品だ
無線LANルータ機能を内蔵し、ホテルなどの有線LANを無線化し、複数の無線LAN対応機器でシェアできる
SDカードスロットに装着したSDカードに保存されているデータを、無線LAN経由でシェアできる

ゲーミングデバイス

 ゲーミング向けのキーボードは、メカニカルゲーミングキーボードの新モデル「MEKA G UNIT」を展示。Poseidonシリーズには、キースイッチに赤軸、青軸、黒軸、茶軸を採用するバリエーションモデルが用意されるが、日本ではそれらを個別に販売するのではなく、ユーザーがキースイッチの種類やバックライトの有無などをカスタマイズして購入できるようにする予定だという。購入時に好みに合わせて仕様をカスタマイズし、その仕様の製品が後日届く、ということになるようだ。キーボードに対するユーザーの好みは千差万別で、決められた仕様のものでは全てのユーザーの要望に対応しきれないことを考えると、これは非常に面白い取り組みと言えるだろう。ポーリングレートは1,000MHz、20のマクロキーと3バンクで最大60のマクロを登録可能。キー配列は、当面は英語配列のみとなる。発売時期と価格は現時点では未定だ。

 「Poseidon」シリーズも新型のキーボードとなる。こちらはキースイッチに青軸を採用するコンパクトかつシンプルなゲーミングキーボードだ。キーストローク5,000万回と耐久性に優れる点も特徴。また、ゲーム中にWindowsキーが反応することのないように、Windowsキーをスイッチで無効にする機能も備える。キーボードバックライトありとなしのモデルを用意し、こちらも当面は英語配列のみの展開となる。日本でも発売予定だが、発売時期と価格は未定。

メカニカルゲーミングキーボードの新モデル「MEKA G UNIT」。日本では、キースイッチの種類やバックライトの有無などをカスタマイズして購入できるようになるそうだ
バックライトは赤を採用
コンパクトなゲーミングキーボード「Poseidon」。キースイッチは青軸のみで、キーストローク5,000万回と耐久性に優れる
Poseidonのキーボードバックライトは青となる

 マウスの新製品は3シリーズを展示。「Theron」シリーズは、レーザーセンサー搭載モデルと赤外線センサー搭載モデルをラインナップ。レーザーセンサー搭載モデルは、ホワイト、レッド、イエローに加えて、Battle Editionの4モデルを用意。赤外線センサー搭載モデルはブラックのみとなる。レーザーセンサー搭載モデルはRTS向け、赤外線センサー搭載モデルはFPSおよびRTS向けとして位置付けられている。レーザーセンサーは5,600dpi、赤外線センサーは4,000dpiとなり、マクロ登録数はレーザーセンサー搭載モデルが45、赤外線センサー搭載モデルが40となっている。

 次に「Volos」シリーズ。こちらは、左右の側面に家庭用ゲーム機のコントローラのような9個のマクロボタンを配置する点が大きな特徴。MMO RPGでの利用に最適としている。レーザーセンサーの解像度は8,200dpi。

 「Saphira」シリーズは、日本でも発売されているモデルだが、ユーザーからの好評な声を受け、新たにホワイト、イエロー、レッドの3色のカラーバリエーションを追加。仕様面は従来から変わっていない。

 これらマウスの新製品は、日本でも発売予定となっているが、現時点では発売時期や価格は未定だ。

「Theron」シリーズのレーザーセンサー搭載モデル。ホワイト、レッド、イエローに加えて、Battle Editionの4モデルを用意
こちらは、Theronシリーズの赤外線センサー搭載モデル。形状やボタンなどはレーザーセンサー搭載モデルとほぼ同じだ
レーザーセンサーの解像度は5,600dpi。裏面にマクロ機能を切り離すスイッチも用意される
赤外線センサーの解像度は4,000dpi。こちらもマクロ切り離しスイッチを備える
MMO RPGでの利用に最適と位置付けられている「Volos」。解像度8,200dpiのレーザーセンサーを搭載
側面に、家庭用ゲーム機のコントローラにあるようなボタンを配置。全てマクロボタンだ
右側の側面にもマクロボタンを3個配置している
発売中の「Saphira」シリーズの新カラーモデル。ホワイト、イエロー、レッドが追加される

 ヘッドセットは、3月にドイツで開催されたCeBitで発表された「Level 10 M Gaming Headset」を展示。過去に展示されていたものよりも完成度が高まっており、質感はもちろん、装着感も向上している。また、カラーバリエーションも、ブラック、ホワイト、レッド、イエロー、グリーンの全5色に増えている。価格は未定だが、日本を含めワールドワイドで7月に同時発売を予定している。

 また、Bluetooth対応ヘッドセットの新モデル「Sybaris」も展示。Bluetoothは4.0に対応し、aptXもサポートしているため、ワイヤレスでも高音質がサウンド楽しめる。また、NFCを搭載し、NFC搭載機器との間ではタッチするだけでペアリングが完了する。ゲーミングヘッドセットなのでマイクも装着されるが、マイクは着脱式で、ヘッドフォンのみでの利用も可能。PCゲームはもちろん、スマートフォンなどを利用した音楽鑑賞にも最適。日本でも発売予定だが、発売時期や価格は未定。

BMW Group DesignworksUSAがデザインを担当したゲーミングヘッドセット「Level 10 M Gaming Headset」。カラーバリエーションが5色に増えた
製品の完成度が上がり、質感や装着感が向上。日本を含めワールドワイドで7月に発売予定
NFC対応のBluetoothヘッドセット「Sybaris」。Bluetooth 4.0対応かつaptX対応で、高音質なサウンドを楽しめる
マイク部分は着脱可能となっており、スマートフォンなどのモバイル機器用ワイヤレスヘッドフォンとしても活用できる

自作PCパーツ

 自作パーツ関連としては、新型の電源ユニットや水冷キット、ケースなどを展示した。

 電源ユニットの新製品としては、デジタル電源「ToughPower DSP」シリーズを展示。750Wと850Wの2モデルが用意され、日本で6月中旬以降に先行発売となる。価格は、750Wが23,800円前後、850Wが26,800円前後。ToughPower DSPは、日本製のコンデンサを採用するなど、品質重視で製造されているという。また、専用アプリを利用し、温度やファンの回転数、消費電力などの情報を表示する機能も用意。そのアプリを利用するには、電源ユニットとPCをUSB接続する必要があり、ToughPower DSPではケース内での有線接続となるが、専用の無線アダプタを利用した無線接続タイプ「ToughPower DSP XT」も別途用意される。ただし、無線接続タイプのToughPower DSP XTについては、日本での発売は未定。

 このほかには、背面にTurboボタンを備え、Turboボタンを押すことで出力を100W高められる「EVO_BLUE 2.0」シリーズ、80PLUS Platinum準拠のデジタル電源最上位モデルとなる「ToughPower DSP Platinum」も展示されていた。

デジタル電源「ToughPower DSP」シリーズの750Wと850Wの2モデル。日本で6月中旬以降に先行発売される
ケーブルはオールプラグイン式となっており、ケーブルマネジメントに優れる
デジタル電源「ToughPower DSP」シリーズで、PCとのUSBワイヤレス接続に対応する「ToughPower DSP XT」
USB無線接続用ドングルが標準添付となり、ワイヤレスでステータス表示アプリが利用できる
ToughPower DSPシリーズ用のステータス表示アプリ。グラフィカルなインターフェイスで使いやすい
情報をグラフで表示したり、ステータスをSNSに投稿する機能も備える
背面のTurboボタンを押すことで出力を100W高められる「EVO_BLUE 2.0」シリーズ
80PLUS Platinum準拠のデジタル電源最上位モデルとなる「ToughPower DSP Platinum」。1,050Wと1,250Wを展示

 次に、オールインワン水冷キットの新モデルで、Water 2.0の後継モデルとなる、「Water 3.0」シリーズ。120mmラジエータと120mmファンを搭載する通常モデルの「Water 3.0 Performer」、ラジエータの厚さを増やし冷却能力を高めた「Water 3.0 Pro」、240mmラジエータに120mmファンを2個搭載する最上位モデル「Water 3.0 Extreme」の3モデルが用意される。Water 2.0シリーズとの違いは搭載されるファンで、ファンブレードに2つカーブを持たせた、Double Curve Fanを採用。Double Curve Fanは従来のファンよりも風圧が高まっており、より効率良く冷却が可能になっているという。海外ではすでに発売済みだが、日本での発売時期と価格は現時点では未定。ただし、なるべく早い時期に発売したいとしている。

オールインワン水冷キット最新モデル「Water 3.0」シリーズ。これは、120mmラジエータと120mmファンを搭載する通常モデルの「Water 3.0 Performer」
ラジエータの厚さを増やし冷却能力を高めた「Water 3.0 Pro」
240mmラジエータに120mmファンを2個搭載する最上位モデル「Water 3.0 Extreme」
ファンブレードに2つカーブを持たせ風圧が高められたDouble Curve Fanを採用。従来より冷却効率が高まっている

 ケースは、Level 10シリーズのような特徴的な製品はなかったが、シンプルな仕様の定番モデルを中心として展示されていたので、それらをまとめて紹介する。

UrbanシリーズのMini-ITX対応モデルとなる、Urban SD1。シンプルなMini-ITXキューブケースだが、330mmのビデオカードも搭載可能で、小型のゲーミングPC向けに最適。発売時期と価格は未定
こちらは、microATX対応ミニタワーケース、Urban S1。Thermaltake製のケースでは上部に前面ポートを配置する製品が多いが、こちらは下部に配置することで利便性を高めているという。こちらも発売時期と価格は未定
ATX対応ミドルタワーケース、Urban B21。仕様はUrban S21と同じで、デザインが異なるモデルだ
同じく、Urban S21をベースにデザインを変更したモデル、Urban C21
こちらは、Urban S31のデザイン変更モデルとなる、Urban B31
同じくUrban S31のデザイン変更モデル、Urban C31。デザイン違いモデルを投入することで、ユーザーの好みをリサーチする意味合いもあるようだ
既に発売済みの製品である、Urban S21、Urban S31、Urban S41、Urban S71のホワイトカラーバージョン“Snow Edition”。ケース自体の仕様は既存製品と同じで、左側面パネルには窓付きと窓無しがあり、窓無しモデルでは側面パネルに吸音材が装着される

(平澤 寿康)