データセンター向け「SSD 710」を発表
米Intelは14日(現地時間)、IDFで報道者向けに行なった説明会を通じて、データセンター向けSSD「SSD 710」シリーズを発表した。また、その中で、コンシューマ向けのハイエンドモデルの予告も行なわれた。
SSD 710は、NANDフラッシュに25nmプロセスのMLCを採用。MLCの大容量という特性を活かしながら、NANDフラッシュの最適化とファームウェアの拡張により、SLCに匹敵する信頼性/耐性を実現した。
サイズは2.5インチで、インターフェイスはSATA 3Gbps、容量は100/200/300GB。1,000個ロット時のOEM向け価格は、容量順に649ドル(日本では50,270円)、1,289ドル(99,840円)、1,929ドル(149,410円)。
25nm MLCはコンシューマ向けの「SSD 320」ですでに採用されているが、SSD 710ではNANDフラッシュレベルでの最適化と厳格なテストによる選別を行なったチップを利用。かつ、最適化されたエラー回避技術、書き込み増幅を削減するアルゴリズム、ECCを超えるシステムレベルでのエラー管理といったファームウェアの拡張を施しており、SSD 320の30倍という耐性を実現。このNANDの最適化とファームウェアの拡張を、同社では「High Endurance Technology」(高耐性技術)と呼んでおり、SSD 710で搭載しているNANDも「25nm HET MLC」と名付けている。
25nm MLCのウェハ | Intel HETの概要 |
性能は、連続読み込みが最大270MB/sec、連続書き込みが最大210MB/sec(100GBモデルのみ170MB/sec)、4KBランダム読み込みが38,500IOPS、4KBランダム書き込みは100GBが2,300IOPS、200GBが2,700IOPS、300GBが2,000IOPS。4KB書き込みにおける寿命は、100GBが500TB、200GBが1PB、300GBが1.1PB。
これらの性能は、容量の一部を予備領域として扱う「Overprovisioning」を全容量の2割にすることで、さらに伸びる。具体的には、4KBランダム書き込みは100GBが4,000IOPS、200GBが3,300IOPS、300GBが2,400IOPS、寿命は100GBが900TB、200GB/300GBが1.5PBとなる。
また、AES128bit暗号化機能、不意の電源断が発生してもデータを確実に書き込む機能、NANDチップをRAID 5に似たアレイ化して、チップレベルでの故障が発生してもデータを復旧させる機能を搭載し、信頼性を高めている。
SSD 710の性能 | SSD 710の耐性 | 既存製品との仕様比較 |
説明会では、7台のSSD 710と48台の15,000rpm HDD(いずれも容量は示されなかったが300GBあたりと思われる)で、ドライブの価格は同じになるが、電力費用はHDDの約1万ドルに対しSSDは約200ドル、ディスクアレイの費用はHDDの約15,000ドルに対しSSDは約4,000ドルとなり、TCOは約22,000ドル削減されるとの資産が示され、HDDからの置き換えにより、性能を上げつつ、費用を削減できるとした。
また、説明会の最後には、コンシューマ向けSSD 2製品の予告が行なわれた。1つは、「Cherryville」(コードネーム)で、SATA 6Gbpsを採用し、読み込み最大500MB/secの「Intel 510」シリーズより高い性能を発揮する。発表は今秋。
もう1つは「Hawley Creek」(同)と呼ばれるもので、こちらはmSATAインターフェイスで「Smart Response Technology」用キャッシュとして用いられる「SSD 311」シリーズの次期モデル。NANDフラッシュが現行の34nmから25nmに変更される。
Cherryvilleが今秋登場 | SSD 31xシリーズにも25nm版が投入 |
(2011年 9月 16日)
[Reported by 若杉 紀彦]