イベントレポート
Intel、SilvermontコアのAtomを搭載した新Edisonを公開
(2014/9/8 06:00)
Intelは、IFAの展示会場にブースを出しており、Core Mプロセッサを搭載したOEMメーカーの製品などを展示していたが、それ以外にも注目の展示を行なっていたので、その模様をお伝えしていきたい。
ブースで公開していたのは、1月のInternational CESにおいて行なわれた基調講演で発表された「Edison」だ。Edisonは、同社のIoT向けの製品となるQuarkプロセッサを搭載し、SDカード大でコンピュータの機能を実現しているとして話題になった。その後、4月に中国のシンセンで行なわれたIDF ShenzenでSoCがQuarkからAtomベースに変更されたことなどが明らかになっていたが、その後は特に発表などはない状況だったのだが、今回その新バージョンが初めて公開された。
Intelの説明員によれば、製品版のEdisonは、今週サンフランシスコで開催される予定のIDF14で発表される予定で、そこでより詳細が明らかになる予定だ。
SDカード大から、SDカードよりはやや大きいサイズへと変更されたEdison
CESでのクルザニッチCEOの基調講演で発表されたEdisonは、SDカード大にQuarkプロセッサ(以下Quark)、メモリ、ストレージ、Wi-Fiなどを集積し、それだけコンピュータとして動作するというコンセプトだった。実際、CESのIntelブースでは動作するEdisonおよび、それを搭載したデザインサンプルが公開されていた。その時点ではどこかのタイミングで、このSDカード大の製品が発表されることになるのだろうと考えられていた。
最初の異変は、4月に中国のシンセン市で行なわれたIDF Shenzhenだった。そこでクルザニッチ氏が公開したEdisonは、1月のCESで公開されたSDカード形状のモノとは異なっており、新しく別のI/Oピンが用意されるなどしており、完全に別のモノに変身していたのだ。この時点でCPUも、SilvermontコアのAtomへと変更されたことが明らかにされ、元々の計画とはかなり変わってきたことが明らかになった。
今回のIFAでは、そのEdisonの最新版が公開されており、搭載されているデモなども触れるようになっていた。公開されたEdisonはSDカードより若干大きいサイズで、Intelの説明員によればSilvermontコアのAtomで、SoCのパッケージ上にパッケージオンパッケージで実装された1GBのメモリ、さらに4GBのフラッシュメモリのストレージが乗せられており、Linux OSで動作しているという。外部との通信はボード上に設けられているコネクタ(ピン数は目で見える範囲で数えたところ表面に70ピンと25ピン×4のコネクタがあった)で行なう仕様になっているという。
説明員によれば、このコネクタを利用して外部の拡張ボードと接続が可能で、IntelからはArduino向けの拡張ボード、USBポートなどを出力するための拡張ボードが用意されるという。なお、サードパーティがこの拡張ボードを作ることも可能ということで、今後サードパーティからなんらかのボードが発売される可能性もありそうだ。