イベントレポート

ASUS、WindowsとAndroid双方が動作する「4-in-1ノート」を発表

~R.O.G.ブランドの液晶やスマートフォン新モデルも

例年通り、ASUS会長のJonney Shih氏により発表会は進行された
会期:1月7日~10日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention and World Trade Center(LVCC)、LVH、The Venetian

 ASUSは、2014 International CES開幕前日となる米国時間1月6日にラスベガスで記者会見を開催し、液晶着脱式ノートPC新モデルや、スマートフォンなどを発表した。

4-in-1を謳う「Transformer Book Duet TD300」

 液晶着脱式ノート新モデルとして発表されたのが、「Transformer Book Duet TD300」だ。見た目は、既存のTransformerシリーズと大きく変わらないが、最大の特徴となるのが、Windows 8.1とAndroid 4.1双方が動作するという点だ。

 同様の仕様を持つ製品としては「TransBook Trio」があるが、キーボード部にWindowsシステム、液晶側にAndroidシステムを内蔵する仕様のため、ドッキング状態でWindowsとAndroid、液晶単体ではAndroidのみが利用できていた。それに対しTransformer Book Duet TD300では、液晶側にWindowsシステムとAndroidシステムの双方が内蔵され、Windowsノート、Androidノート、Windowsタブレット、Androidタブレットと4通りの形態で利用できる点が大きな特徴。ASUSはTransformer Book Duet TD300を、世界初のクアッドモード対応デュアルOSノートとしている。

Windows 8.1とAndroid 4.1を切り替え、4通りの形態で利用できる“4-in-1”ノート「Transformer Book Duet TD300」
北米市場では599ドルからと、比較的安価な価格での販売が予定されている

 WindowsとAndroidの切り替えは、キーボードに用意されている専用ボタンを押すか、専用のOS切り替えアプリを利用。OSの切り替えにかかる時間は約4秒とスムーズだ。

 それぞれのシステムは、全て液晶部に内蔵されている。Windowsシステムは、CPUが第4世代Coreプロセッサ、メインメモリがDDR3L-1600を4GB、ストレージは64GBまたは128GBのSSD。AndroidシステムはARMベースのプロセッサを採用するという。無線機能は、IEEE 802.11a/b/g/n/acおよびBluetooth 4.0+EDRを搭載。タブレットモードでの動画再生時のバッテリ駆動時間は、Windowsモードで約5時間、Androidモードで約6時間。搭載液晶は、13.3型フルHD(1,920×1,080ドット)IPS液晶を採用している。

 キーボード側にはサブバッテリは搭載されないが、データ保存用のHDDを内蔵。容量は最大で1TBとなる。キーボード部側面ポートは、USB 3.0×1、USB 2.0×1、HDMI、有線LANを用意。また液晶部には、microSDカードスロットとヘッドフォン端子を備える。なお、展示機では液晶の下部側面にWindowsボタンが配置されていたが、製品版では液晶面下部に配置されることになるという。

 サイズは、液晶部単体が342.7×216.3×12.9mm(幅×奥行き×高さ)、キーボード部ドッキング時で340.9×217.6×16mm(同)。重量は液晶部単体で約900g、ドッキング時で約1.9kg。価格は北米市場で599ドルからとなる。

ドッキング状態では、通常のクラムシェルノートとして利用可能
液晶部を切り離すと、WindowsタブレットまたはAndroidタブレットとして利用できる
キーボードやタッチパッドは、これまでのASUS製ノートのものとほぼ同等。キーボード部にはバッテリは内蔵しないが、最大1TBのHDDを搭載する
キーボード上部に、WindowsとAndroidの切り替えボタンを備える
キーボード部左側面には、有線LAN、USB 3.0、HDMIの各ポートを備える
後部側面。Windowsボタンが見えるが、製品版ではなくなるそうだ
【動画】WindowsとAndroidを切り替えている様子
右側面には、ヘッドフォンジャックとUSB 2.0ポートがある
底面
天板。重量はドッキング時で約1.9kgあり、手に持つとかなり重く感じる
電源ボタンとボリュームボタンは天板側に配置
液晶部下部側面には、microSDカードスロットとヘッドフォンジャックがある

R.O.G.ブランドの液晶ディスプレイ「R.O.G. SWIFT PG278Q」

 PC関連機器としては、ASUSのゲーミングブランド「R.O.G.」の新液晶ディスプレイ「R.O.G. SWIFT PG278Q」も発表された。

 2,560×1,440ドット表示対応の27型液晶を採用し、NVIDIAの「G-SYNC」に対応する点が最大の特徴。NVIDIAのGPUと併用することで、GPUと液晶ディスプレイの間で同期タイミングを合わせスムーズな表示が可能。ゲーミング向けらしく、リフレッシュレートは120Hz超に対応し、応答速度は1ms(GTG)と高速。輝度は350cd/平方m。

 また、120mmの高さ調節、下5度/上20度のチルト調節、左右60度ずつのスイベルに加えピボット機構も備える高性能スタンドも採用し、さまざまなゲーミング環境に柔軟に対応する。

 入力端子は、DisplayPort×1のみで、USB 3.0 Hub機能(アップストリーム×1、ダウンストリーム×2)も備える。

 北米市場での価格は799ドルで、ワールドワイドで2014年第2四半期早期に発売される予定だ。

R.O.G.ブランドのゲーミング液晶ディスプレイ「R.O.G. SWIFT PG278Q」。NVIDIAの「G-SYNC」に対応する点が最大の特徴。27型で表示解像度は2,560×1,440ドット
高さ調節、チルト、スイーベルに加えピボット機構も備える高性能スタンドが付属
映像入力ポートは、DisplayPort×1のみと少ないが、USB 3.0 Hub機能を備える
側面から見た形状。ゲーミング用途を意識した、直線的なデザインを採用
2014年第2四半期の発売を予定しており、北米市場での価格は799ドル

 発表会ではこのほかに、ドッキング型スマートフォン「PadFone」シリーズの新モデルとなる「PadFone X」および「PadFone mini」、スマートフォン新モデル「Zenone」シリーズ3モデルなども発表された。

PadFone X

AT&Tの上級副社長、Jeff Bradley氏が登壇し、Jonney Shih氏とともにPadFone Xを紹介

 PadFoneシリーズ新モデル。5型フルHD(1,920×1,080ドット)液晶搭載のスマートフォンと、1,920×1,200ドット表示対応の9型液晶搭載タブレット部で構成され、単体でスマートフォン、ドッキングすればタブレットとして利用できる。

 SoCはQualcommのSnapdragonシリーズを採用、LTE-AdvancedやVoice over LTEをサポートする。無線機能は、IEEE 802.11a/b/g/n/acおよびBluetooth 4.0を搭載。NFCにも対応するという。

 内蔵バッテリ容量は、スマートフォンが2,300mAh、タブレット部が4,990mAhで、ドッキング時にはバッテリ駆動時間が2倍に延長される。

 本体サイズは、スマートフォンが約72×144×9.9mm(同)、タブレット部が約250×172×11.6mm(同、未定)で、重量は非公開。北米市場でAT&Tからの発売を予定しているが、時期や価格は未定。

PadFone X

PadFone mini

 こちらは、タブレット側の液晶が7型とコンパクトなPadFoneシリーズ新モデル。スマートフォン側には4型WVGA(480×800ドット)液晶、タブレット側には7型HD(800×1,280ドット)液晶を搭載。

 プロセッサにはAtom Z2560を採用し、メモリは1GB、ストレージは8GB搭載。通信機能は、WCDMA、HSPA+、DC-HSPA+、GSM、GPRS、EDGEをサポートし、LTEは非対応。無線機能は、IEEE 802.11b/g/nおよびBluetooth 4.0を搭載。

 バッテリ容量は、スマートフォン側が1,170mAh、タブレット側が2,100mAh。サイズは、スマートフォンが61.44×124.42×6.3~11.2mm(同)、タブレット部が119.43×199.85×13.91mm(同)。重量は、スマートフォンが約116g、タブレット部が約260gで、ドッキング時には約376gとなる。

 本体カラーはブラック、ホワイト、レッド、ブルー、イエローの5色が用意される。北米市場での価格249ドルを予定している。

PadFone mini

ZenFone

ZenFoneシリーズでは、新開発UI「ZenUI」を採用。SNSやニュース、天気、電話、メールなどを、直感的な操作で簡単に利用できる点が特徴

 スマートフォンの新シリーズ「ZenFone」として、4型液晶搭載の「ZenFone 4」、5型液晶搭載の「ZenFone 5」、6型液晶搭載の「ZenFone 6」の3モデルを発表。

 全てIntel製SoCを採用しており、LTEには非対応。SNSや天気、ニュースなどの情報を簡単に閲覧できる独自UI「ZenUI」の採用も、ZenFoneシリーズの大きな特徴となっている。

 北米市場での価格は、ZenFone 4が99ドル、ZenFone 5が149ドル、ZenFone 6が199ドルを予定している。

 ZenFone 4ZenPhone 5ZenPhone 6
液晶4型800×480ドット5型1,280×720ドットIPS6型1,280×720ドットIPS
SoCAtom Z2520(1.2GHz)Atom Z2580(2GHz)
OSAndroid 4.3(Android 4.4へのアップグレードあり)
通信WCDMA、HSPA+、GSM、GPRS、EDGE
無線IEEE 802.11b/g/n、Wi-Fi Direct
カメラ背面5MP、前面0.3MP背面8MP、前面2MP背面13MP、前面2MP
メモリ1GB
ストレージ4GB8/16GB
バッテリ1,170mAh2,050mAh3,230mAh
サイズ (幅×奥行き×高さ)61.4×124.4×6.3~11.2mm72.8×148.2×5.5~10.3mm84.3×166.9×5.5~9.9mm
重量115g144g200g
ZenFone 4
ZenFone 5
ZenFone 6

(平澤 寿康)