イベントレポート

【東京ゲームショウ2013】AMDがクラウド型「艦これ」をデモ中

~PC周辺機器やゲーム特化型Androidタブレットなども

会期:9月19日~22日(一般公開は21日~22日)

会場:幕張メッセ

 ゲーム関連の展示会「東京ゲームショウ2013」が本日開幕した。Microsoftの「Xbox One」やソニーの「PlayStation 4」などの次世代ハードウェアに注目が集まるが、そちらは僚誌GAME Watchのレポートをご覧頂くとして、本稿ではPC関連の話題をご紹介する。

ひっそりと、しかしちゃっかりと「艦これ」をフィーチャーしたAMDブース

AMDブース

 東京ゲームショウは、ゲームコンソールが事実上の主役だが、AMDがブースで行なっているのは、PC関連の展示や、自作関連のイベントで、次世代機に対してAPUを提供するという大きな関わりを持っていることを微塵も感じさせないのは返って趣深い。

 今、PC業界で大きな話題となっているのが「艦隊これくしょん~艦これ~」だ。ゲームの詳細もGAME Watchの記事を参照頂きたいが、AMDはブースの隅でひっそりながら、その時流に乗り、艦これを使ったクラウドゲーミングのデモを行なっている。

 クラウドゲーミングとは、簡単に言うと、サーバー側でゲームを実行し、その出力映像をネットワーク経由で映像としてクライアントに送信する形のシステム。ゲームがどれほどリッチな3Dレンダリングを行なおうと、クライアント側は、映像(基本的にH.264)のデコードと、ゲームに対する入力操作ができればいいので、クライアントのハードウェアスペックが低くても(=安価なものでも)ゲームをプレイできるというのが利点。また、基本的にサーバー側にプレイ状況が保存されるため、通勤中はスマートフォンで、昼休み中はカフェでタブレットで、そして帰宅したらPC+大画面液晶で続きを、といったいわゆる「廃人プレイ」にも好適だ。

 欠点として、ネットワークを介する性質上、ユーザーが操作してから、それを反映した映像が返ってくるまでに若干の遅延が発生する。これについては、プラットフォーム各社が遅延を短縮する技術を開発しているが、格闘ゲームのようなリアルタイム性を求めない艦これのようなゲームであれば、特に対策をせずともプレイできる。

 AMDでは、ブース内に実際のゲームサーバーを用意して、これに「Nexus 7」を接続し、本来PC専用の艦これをAndroidでプレイ可能にしている。サーバープラットフォームは、データホテルが手がけているもので、レンダリングとストリーミング配信用に、「Radeon Sky 700」を搭載している。なお、この艦これは、今回のデモ用に特別に準備されたもので、実際に艦これがクラウドゲーミングとしてサービスインになるかどうかは決まっていない。

Radeon Sky700を搭載したデータホテルのクラウドゲーミングサーバー
このように、Android端末で艦これがプレイできている

 艦これコーナーの反対側には、ステージが設けられており、若手女性声優による、当てレコや、写真撮影会などが随時実施されている。そして、そのステージ脇では、プレゼントが用意されており、アンケートに答えると、AMDオリジナルマントをもらえる。さらに、そのマントをその場で羽織ると、特製の艦これクリアファイルがもらえる。そして、さらに一般公開日には、AMD製品(CPU、APU、GPUなんでも)をその場に持って行くと、「いいもの」がもらえるらしい。AMD担当者は、いいものが何かは明言してくれなかったが、写真にある通り、そこそこ高価な品物が山積みされていた。これが、そのいいものなのかは不明だが、自宅にAMD製品を持っている人は、ひとまず携えていくのがいいだろう。なお、プレゼントは数に限りがある。

 このほか、AMDブースでは、Eyefinityによる多画面でのゲームデモなどを行なっている。

ステージイベントメインパーソナリティの山下まみさん
写真撮影会の模様。希望者は壇上に上がり一緒に撮影もできる
アンケートに答えるともらえるAMDマント
これをその場で羽織ると、“ぜかまし”こと島風特製のクリアファイルがもらえる
さらに、一般公開日はAMD製品を持って行くと、「いいもの」がもらえるらしい。これがいいものなのかどうかは分からないが、カウンターにはAPUが山積みされていた
Eyefinityを使い、5画面でトゥームレイダーをプレイ
フェイスのFX-9590 & Radeon HD 8980搭載PC「PASSANT Ex DeVIL GaMERz FX」
現地でこの製品の写真を撮影し、Facebookに投稿するとA10-6800Kがあたるキャンペーンを実施中
TSUKUMOは、東京ゲームショウと連動した製品を限定発売
こちらはTSUKUMOのAMD APU採用簡単PC自作マニュアル連動企画の製品
ドスパラのA10-5750M & Radeon HD 8970M搭載ノート「GALLERIA QF8970HE」
マウスコンピューターのFX-9590 & Radeon HD 8980搭載PC「MASTERPIECE a1500BA2」

ハードウェアコントローラを実装したAndroidタブレット「SUPERGAMER俺」

 スペックコンピュータ株式会社は、8月末に発売したゲーミング向けAndroidタブレット「SUPERGAMER俺」を展示している。

 同製品は、タブレットの左右に、十字キーやアナログスティック、L/Rを含む各種ボタンをハードウェアで備えるのが特徴。乱暴に言ってしまうと、「PSP」の液晶を一回り大きくし、OSをAndroidにしたようなものだ。

 タブレット用のゲームでは、画面上にソフトウェアで操作キーやボタンを配置し、それらをタッチしてプレイするものがある。SUPERGAMER俺は、独自のソフトでそのソフトアウェアキーを、ハードウェアキーにマッピングできるようにしてある。

 具体的には、画面下中央に表示されている、コントローラのアイコンをタッチすると、マッピング画面が表示。各種ボタンを、ゲーム内のボタンの位置にドラッグアンドドロップするとマッピングが完成。あとは、画面にタッチすることなく、ハードウェアのキー/ボタンで操作できる。マッピングはゲーム毎に自動保存される。また、理論上は、ソフトコントローラを利用する全てのゲームに対応できる。

 同製品は直販が主体で、秋葉原にある直営店を除いては実機の展示はないので、使い勝手が気になる人は、この機会に試してみるといいだろう。

 主な仕様は、Cortex-A9(デュアルコア、1.6GHz、Rockchip RK3066)、メモリ1GB、ストレージ8GB、1,024×600ドット表示対応7型液晶、Android 4.1.1。価格は16,800円。

 インターフェイスは、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、前面30万画素/背面200万画素カメラ、Micro USB、Mini HDMI出力、microSDカードスロット、音声入出力、加速度センサーなどを装備。液晶は5点マルチタッチに対応する。バッテリは4,000mAhのリチウムイオンで、駆動時間は約6時間。本体サイズは236×120×12.2mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約359g。

「SUPERGAMER俺」。このゲームは、左下に移動キー、右下にボタンをソフトウェアで配置している
画面下のコントローラアイコンを押すと独自のマッピングアプリが起動するので、ボタンの割り当てを行なえば、後は両脇のハードウェアで操作ができる
上面にMicro USB、Mini HDMI出力などを装備。両端にL/Rボタンもある
右側面にmicroSDカードスロット
下面
試遊機は複数用意されている

AVerMediaはゲーム録画機を展示

 台湾AVerMediaは、ゲーム録画機の新製品を展示/デモしている。

 「AVT-C875」は小型の録画機。本体のスイッチでモードを切り替え、「PC録画モード」では、PCでプレイしている内容を録画したり、ニコニコ生放送、Ustream、Twitchなどに配信でき、「単体録画モード」では、HDMIかコンポーネントで繋いだゲーム機のプレイ内容をPCを使わずにSDカードに録画できる。HDMI出力もあるので、録画した映像も単体で再生できる。8月末から発売されており、価格は22,980円。

 未発表の製品として「AVT-C285」が展示。こちらはC875から配信機能を省略し、録画に特化した製品。HDMIかコンポーネントで接続したゲーム機の映像を記録する。記録には、USB HDD/メモリが使えるほか、2.5インチHDDも内蔵できる。記録方式はH.264。リモコンが付属するが、リモコンアプリをインストールするとAndroid/iOS端末からも操作できる。YouTubeへの動画、Facebookへの写真アップロード機能も備える。発売は11月の予定で、実売価格は15,000円前後の予定。

 もう1つ未発表の製品として「AVT-C877」が展示。C875が一般ユーザー向けで、簡易さを売りにしているのに対し、こちらは細かなキャプチャ設定のほか、USB 3.0に対応し、最大で1080p/60fpsでの録画が可能となった上級者向けという位置付け。同社によると60fps対応製品はまだ例がほとんどないという。発売は2014年初頭の予定で、価格は未定。

「AVT-C875」。録画と配信ができる
録画用の「AVT-C285」。USBストレージだけじゃなく、2.5インチHDDも利用可能
「AVT-C877」。USB 3.0対応の録画/配信デバイス
詳細な録画設定が可能
最大60fpsで録画できる

そのほか写真で紹介

 そのほか、気になったデモ/展示を写真で紹介する。

 Vuzixは、ヘッドマウントディスプレイ搭載Android端末「M100 スマートグラス」を展示。2月に発表された製品で、詳細は関連記事を参照して欲しいが、SDKの先行提供に対して想定以上の注文があり、現在ハードウェアの生産が遅れ、11月頃の提供になりそうだという。
 このほか、参考展示で現在開発中の「M2000AR」、「B2500AR」が展示されていた。前者は、M100と違いシースルー型の単眼ヘッドマウントディスプレイ、後者はメガネ型のデバイス。基本的に、ARなどを使った、作業補助など業務用途を想定した製品。早ければ2013年中に発売の予定。
日本マイクロソフトのPCゲームゾーンは、Surface Proがちょこんと置かれて、ただベンチなどが流されてるだけのちょっと寂しい感じ
Xbox Oneもお披露目
マッドキャッツの分離/合体するキーボード「S.T.R.I.K.E 5 Gaming Keyboard」
Saitek製のごついフライトコントローラも展示されていた
Xperiaブースでは、3D対応ヘッドマウントディスプレイを組み合わせたゲーミングを訴求
Xperiaの初音ミクモデルも展示
Xperia周辺機器として、レンズスタイルカメラなども展示されている
Xperia Tablet Z
PlayStation 4
もう1つの見物であるキャンギャル達も少しだけ紹介

(若杉 紀彦)