イベントレポート

Huawei、150Mbps高速LTE対応スマートフォン「Ascend P2」発表

Huaweiの最新スマートフォン「Ascend P2」
日時:2月24日(現地時間)

会場:Casa Llotja de Mar

 Huaweiは、Mobile World Congress(MWC) 2013開幕前日の2月24日(現地時間)に、バルセロナ市内のイベント会場で記者発表会を開催し、新型スマートフォン「Ascend P2」を発表した。

 1月に米国ラスベガスで開催されたInternational CES 2013では、5インチフルHD液晶搭載のフラグシップスマートフォン「Ascend D2」と、6.1型液晶搭載の大型スマートフォン「Ascend Mate」などを発表したが、MWC 2013では1機種のみの発表となった。

 Ascend Pは、Ascnedシリーズの中で、メインストリームをターゲットとして展開しており、機能面だけでなくデザイン性も重視したシリーズとなっている。今回発表されたAscend P2では、液晶面が本体側面まで継ぎ目なく繋がっているように見える「Infinity Edge Display」と呼ばれる液晶面の仕上げや、裏面も左右の角をラウンド形状にするなど、これまでのAscendシリーズよりも本体のデザイン性が大きく高められている。本体色はブラックとホワイトの2色が用意される。

 デザイン性だけでなく、スペック面もかなり充実している。プロセッサは、フラグシップモデルのAscend D2と同じ、1.5GHz駆動のクアッドコアプロセッサ、HiSilicon Technologies「K3V2」を採用。また、LTE Category 4に対応しており、LTEの通信速度は下り最大150Mbpsと高速。発表会では、“世界最速のスマートフォン”と紹介されるとともに、iPhone 5やGalaxy S III LTEよりも1.5倍高速とアピールされた。対応する通信機能および通信帯域は、FDD LTE B1/B3/B7/B20、UMTS 900/2,100MHz、GSM 850/900/1,800/1,900MHz。OSはAndroid 4.1を採用。

 液晶には、液晶のセルにタッチパネルの機能を取り込んだ、“In-Cell”タイプのタッチパネル一体型液晶を採用。これにより、液晶パネルが従来より30%ほど薄型化され、本体の薄型化に貢献しているという。実際に、本体の高さは8.4mmと、Ascend D2より1mm薄い。また、この液晶パネルは高輝度/広色域パネルを採用することで、輝度は500cd/平方m、コントラストは1,000:1、色域はNTSCカバー率71%と、スマートフォンの液晶パネルとしては非常に表示品質に優れるとしている。加えて、タッチパネルは、6.1型液晶搭載のAscend Mateと同じ「Magic Touuch」と呼ばれる技術を採用しており、導電性のない手袋越しでも軽快な操作が行なえる。液晶のサイズは4.7型で、表示解像度は1,280×720ドット。パネル表面にはCorning製の強化ガラス「Gorilla Glass 2」を採用している。

 本体サイズは、67×136×8.4mm(幅×奥行き×高さ)。4.7型液晶搭載スマートフォンとしては標準的なサイズだが、最近増えている5型液晶搭載スマートフォンより若干コンパクトで、実際に手に持つと持ちやすく感じる。重量は122gと、こちらもまずまずの軽さとなっている。

 無線機能は、IEEE 802.11b/g/n対応の無線LANおよびBluetooth 4.0LEに対応。また、NFC機能も搭載している。カメラ機能は、裏面の外側カメラに1,300万画素の裏面照射CMOSカメラ、液晶面の内側カメラに130万画素のカメラを採用。アウトカメラでは、HDRの静止画および動画撮影に加え、2倍の超解像ズームもサポート。

 バッテリは、2,420mAhと大容量のバッテリを内蔵するとともに、Huawei独自の省電力機能により、約30%の省電力を実現することで、長時間の駆動を可能にするとしている。加えて、2Aの大電流での充電をサポートしたことで、充電時間が25%短い急速充電にも対応する。

 ただし、メモリは1GB、ストレージは16GBと特別多いわけではない。このあたりは、フラッグシップモデルであるAscend D2との差別化だろう。とはいえ、全体的な機能面はかなり充実しており、メインストリーム向けとはいえ、高機能な製品と言っていい。

 Ascend P2は、欧州だけでなくワールドワイドでの発売が予定されており、欧州では2013年第2四半期に発売すると発表。価格は399ユーロ。

 ところで、発表会ではAscend P2は日本でも発売予定と発表されたが、実際には、Ascend P2という製品名で発売されることは現時点ではないそうだ。実は、2月21日に発表された、イー・モバイルのLTE対応スマートフォン「STREAM X GL07S」のデザインや仕様を見ると、今回発表されたAscend P2にかなり近いことからもわかるように、STREAM X GL07Sは、Ascend P2をベースに、おサイフケータイに対応させるなど、日本向けに一部仕様を変更したものとなっている。つまり、STREAM X GL07Sが、事実上Ascend P2の日本向けモデルとなるわけだ。STREAM X GL07Sは、日本では3月7日より発売予定となっている。

発表会でAscend P2を紹介する、Huawei DeviceのRichard Yu会長。4.7型HD液晶搭載のメインストリーム向けモデルだが、フラッグシップモデルの「Ascend D2」と同じ1.5GHzクアッドコアプロセッサ「K3V2」を採用するとともに、LTE Category 4対応で、下り最大150Mbpsと、充実した機能が特徴となっている
下部側面
左側面。こちらにはボリュームボタンを配置
上部側面。ヘッドフォン/マイク共用ジャックとMicro USBポートがある
右側面。電源ボタンとカメラのシャッターボタンがある
裏面。左右側面部分は丸みを帯びたラウンドデザインを採用
カラーは、ブラックとホワイトの2色展開
5型液晶搭載のHTC J Butterfly(右)との比較。液晶サイズの違いもあるが、Ascend P2の方がコンパクトで軽い。フットプリントは67×136(幅×奥行き)mm
高さの比較。Ascend P2は高さが8.4mmと非常に薄い
右側面にはMicro SIMカードスロットがある
カメラのシャッター用ボタンを用意
従来より30%薄い、In-Cell方式のタッチパネル一体型液晶を採用。4.7型で表示解像度は1,280×720ドット。高輝度、高コントラスト、広色域と表示性能に優れる
液晶面は、上部と下部が側面までほぼシームレスに繋がっているように見える「Infinity Edge Display」と呼ばれるデザインを採用
タッチパネルは、導電性のない手袋越しでもタッチ操作が可能な「Magic Touuch」に対応
LTE Category 4に対応し、下り最大150Mbpsの高速通信に対応している
下り最大150Mbps対応など、通信速度の速さから“世界最速のスマートフォン”と紹介された
裏面のアウトカメラは、1,300万画素の裏面照射CMOSカメラ。静止画および動画のHDR撮影をサポートする
2倍の超解像ズーム撮影を実現し、高精細なズーム撮影が可能
内蔵バッテリは2,420mAhと大容量。競合製品よりも容量が多いとアピール
2Aの急速充電をサポートし、充電時間は25%短くなっている
写真や動画を無線LAN経由でテレビなどに表示する「AirSharing」機能もサポート
このように、離れた場所からテレビに写真や動画をワイヤレスで転送し表示できる
表示言語は日本語もサポートされていた
NFCも標準でサポート
もちろんテザリングもサポートされている
OSはAndroid 4.1.2。メモリは1GB、ストレージは16GBと、上位モデルとの差別化が図られている
Ascend P2はワールドワイドで発売予定。欧州での発売時期は2013年第2四半期で、価格は399ユーロを予定

(平澤 寿康)