イベントレポート
Huawei、150Mbps高速LTE対応スマートフォン「Ascend P2」発表
(2013/2/25 10:20)
Huaweiは、Mobile World Congress(MWC) 2013開幕前日の2月24日(現地時間)に、バルセロナ市内のイベント会場で記者発表会を開催し、新型スマートフォン「Ascend P2」を発表した。
1月に米国ラスベガスで開催されたInternational CES 2013では、5インチフルHD液晶搭載のフラグシップスマートフォン「Ascend D2」と、6.1型液晶搭載の大型スマートフォン「Ascend Mate」などを発表したが、MWC 2013では1機種のみの発表となった。
Ascend Pは、Ascnedシリーズの中で、メインストリームをターゲットとして展開しており、機能面だけでなくデザイン性も重視したシリーズとなっている。今回発表されたAscend P2では、液晶面が本体側面まで継ぎ目なく繋がっているように見える「Infinity Edge Display」と呼ばれる液晶面の仕上げや、裏面も左右の角をラウンド形状にするなど、これまでのAscendシリーズよりも本体のデザイン性が大きく高められている。本体色はブラックとホワイトの2色が用意される。
デザイン性だけでなく、スペック面もかなり充実している。プロセッサは、フラグシップモデルのAscend D2と同じ、1.5GHz駆動のクアッドコアプロセッサ、HiSilicon Technologies「K3V2」を採用。また、LTE Category 4に対応しており、LTEの通信速度は下り最大150Mbpsと高速。発表会では、“世界最速のスマートフォン”と紹介されるとともに、iPhone 5やGalaxy S III LTEよりも1.5倍高速とアピールされた。対応する通信機能および通信帯域は、FDD LTE B1/B3/B7/B20、UMTS 900/2,100MHz、GSM 850/900/1,800/1,900MHz。OSはAndroid 4.1を採用。
液晶には、液晶のセルにタッチパネルの機能を取り込んだ、“In-Cell”タイプのタッチパネル一体型液晶を採用。これにより、液晶パネルが従来より30%ほど薄型化され、本体の薄型化に貢献しているという。実際に、本体の高さは8.4mmと、Ascend D2より1mm薄い。また、この液晶パネルは高輝度/広色域パネルを採用することで、輝度は500cd/平方m、コントラストは1,000:1、色域はNTSCカバー率71%と、スマートフォンの液晶パネルとしては非常に表示品質に優れるとしている。加えて、タッチパネルは、6.1型液晶搭載のAscend Mateと同じ「Magic Touuch」と呼ばれる技術を採用しており、導電性のない手袋越しでも軽快な操作が行なえる。液晶のサイズは4.7型で、表示解像度は1,280×720ドット。パネル表面にはCorning製の強化ガラス「Gorilla Glass 2」を採用している。
本体サイズは、67×136×8.4mm(幅×奥行き×高さ)。4.7型液晶搭載スマートフォンとしては標準的なサイズだが、最近増えている5型液晶搭載スマートフォンより若干コンパクトで、実際に手に持つと持ちやすく感じる。重量は122gと、こちらもまずまずの軽さとなっている。
無線機能は、IEEE 802.11b/g/n対応の無線LANおよびBluetooth 4.0LEに対応。また、NFC機能も搭載している。カメラ機能は、裏面の外側カメラに1,300万画素の裏面照射CMOSカメラ、液晶面の内側カメラに130万画素のカメラを採用。アウトカメラでは、HDRの静止画および動画撮影に加え、2倍の超解像ズームもサポート。
バッテリは、2,420mAhと大容量のバッテリを内蔵するとともに、Huawei独自の省電力機能により、約30%の省電力を実現することで、長時間の駆動を可能にするとしている。加えて、2Aの大電流での充電をサポートしたことで、充電時間が25%短い急速充電にも対応する。
ただし、メモリは1GB、ストレージは16GBと特別多いわけではない。このあたりは、フラッグシップモデルであるAscend D2との差別化だろう。とはいえ、全体的な機能面はかなり充実しており、メインストリーム向けとはいえ、高機能な製品と言っていい。
Ascend P2は、欧州だけでなくワールドワイドでの発売が予定されており、欧州では2013年第2四半期に発売すると発表。価格は399ユーロ。
ところで、発表会ではAscend P2は日本でも発売予定と発表されたが、実際には、Ascend P2という製品名で発売されることは現時点ではないそうだ。実は、2月21日に発表された、イー・モバイルのLTE対応スマートフォン「STREAM X GL07S」のデザインや仕様を見ると、今回発表されたAscend P2にかなり近いことからもわかるように、STREAM X GL07Sは、Ascend P2をベースに、おサイフケータイに対応させるなど、日本向けに一部仕様を変更したものとなっている。つまり、STREAM X GL07Sが、事実上Ascend P2の日本向けモデルとなるわけだ。STREAM X GL07Sは、日本では3月7日より発売予定となっている。