イベントレポート
【Huawei、ZTE編】
5型フルHD液晶搭載スマートフォンが続々登場
(2013/1/11 07:46)
Huawei
中国Huaweiは、CES 2013の会期中にプレスカンファレンスを開催し、新型スマートフォン2機種を発表した。
1機種目は、5型のフルHD(1,920×1,080ドット)IPS液晶と、Huawei独自のクアッドコアプロセッサを搭載するスマートフォン「Ascend D2」で、同社のフラッグシップとなる。
搭載プロセッサは、Huawei独自の「K3V2 1.5GHz」と呼ばれるクアッドコアプロセッサだ。実際に展示機を試用してみたが、動作は非常に軽快だった。RAMは2GB、ROMは32GB搭載。OSはAndroid 4.1。対応する周波数帯域はUMTS 850/900/2,100MHzおよびGSM 850/900/1,800/1,900MHzとなっており、今回発表された端末に関してはLTE非対応。
本体はアルミニウム素材を採用するとともに、背面に曲面を取り入れたラウンドデザインを採用。側面部が薄くなっているため持ちやすく、手にフィットするデザインとなっている。また、「116工程に及ぶ製造工程を経ている」と、細部までこだわった品質の高さを大きく強調していた。
5型液晶を搭載するため、スマートフォンとしては大きい部類に入るが、液晶横のフレームがかなり狭くなっているため比較的コンパクトにまとまっている。本体サイズは71×140×9.4mm(幅×奥行き×高さ)で、「HTC J Butterfly」と比較すると幅はほぼ同じで、奥行きはAdcend D2の方が短く、高さは若干厚い。重量は170gと、HTC J Butterflyよりもやや重い。
本体は防水/防塵に対応するとともに、耐衝撃性にも優れるとされている。カンファレンスでは、実際に本体に水をかけたり肩の高さから床に落としても問題なく動作することが示された。ちなみに、防水/防塵性能はIPX 5/4準拠とされている。ただし、ヘッドフォンおよびMicro USB端子にはフタが取り付けられていない。
液晶は、HTC J Butterfly同様の5型フルHD IPS液晶で、ドットが感じられない非常に高精細で美しい画像が表示される。液晶表面のガラスはCorning製のGorilla Glassを採用しており、高い強度を実現されているものと思われる。
カメラは、液晶面および背面に搭載しており、背面のカメラは約1,300万画素の1/3型裏面照射CMOSとF2.2の明るいレンズを採用。HDRにも対応し、鮮やかな写真の撮影が可能としている。
内蔵バッテリは、3,000mAhの大容量。これにより、バッテリ駆動時間は48時間としている。加えて、独自の省電力機能を搭載しており、WCDMAの待ち受け時間は6日間に及ぶそうだ。また、急速充電にも対応し、140分でフル充電できるとしている。
Ascend D2は、中国市場では2013年1月に発売が予定されており、近い将来には日本でも発売されると発表された。ただし、日本での対応キャリアは未発表だ。
次に、6.1型と大型液晶パネルを搭載するスマートフォン「Ascend Mate」。5.5型液晶搭載のSamsung製「Galaxy Note」シリーズを彷彿とさせるスマートフォンだが、6.1型とさらに大型の液晶を搭載する点が特徴。プレスカンファレンスでは、世界最大の画面を搭載するスマートフォンと紹介された。
本体サイズは、85.74×163.5×9.9mm(幅×奥行き×高さ)。実際にAscend Mateを手にすると、スマートフォンというよりは小型のタブレットのような印象で、かなり大きく感じる。それでも、7型液晶搭載タブレットよりはコンパクトで、片手で持つことも十分に可能。背広の内ポケットなら問題なく収納できそうだ。重量は198g。
プロセッサは、Ascend D2同様にHuawei独自の1.5GHzクアッドコアプロセッサ「K3V2」を採用。パフォーマンスはAscend D2と同じでかなり高速。OSはAndroid 4.1。対応する周波数帯域は、UMTS 850/900/1,700/1,900/2,100MHzおよびGSM 850/900/1,800/1,900MHz。こちらも発表された端末ではLTE非対応だ。
液晶は6.1型IPS液晶で、非常に大きく5型スマートフォンよりも文字が見やすい印象。ただ、Ascend D2の5型液晶でフルHD解像度を実現しているのに対して、Ascend Mateは表示解像度が1,280×720ドットにとどまるため、精細感は劣る。
Ascend Mateでは、通電性のない手袋などをした状態でも操作できる「Magic Touch」という特殊なタッチパネルを採用している。実際にカンファレンスやブースでも手袋をして操作できる様子が披露されていた。このMagic Touchは、静電容量に加えて、圧力を検知する構造を持たせることで、手袋をした状態でも操作できるようにしているそうだ。しかも、一般的な感圧式タッチパネルのような反応の鈍さはなく、静電容量方式同等のスムーズな操作が可能。スマートフォン対応手袋などを用意せずともタッチ操作が可能な点は大きな魅力と言える。
また、Ascend D2と同様の省電力機能を盛り込むとともに、4,050mAhの大容量バッテリ搭載。最大で9日間の待ち受け(WCDMA)が可能としている。
Ascend Mateは、中国での発売が予定されているが、日本を含めほかの地域での発売は今のところ未定だ。
これら2機種に加え、Huaweiブースではカンファレンスで発表されなかった新機種も2製品展示された。
1つはHuawei初のWindows Phone 8端末「Ascend W1」だ。QualcommのデュアルコアプロセッサMSM8230(1.2GHz)、480×800ドット表示対応の4型IPS液晶を搭載する、エントリークラスのWindows Phone 8端末となっている。厚さは10.15mmと極端に薄いわけではないが、コンパクトにまとまっており、女性の手にも並見やすいサイズと言える。また、カラーバリエーションも白、黒、赤、青の4色と豊富に用意している。対応周波数は、WCDMA 900/2,100MHz、850/1,900/AWS、およびGSM 850/900/1,800/1,900MHz。1月に中国、ロシアで販売が開始され、その後ヨーロッパやアメリカなどでも販売が予定されているが、日本での販売は未定。
もう1つは、世界最小のUSB接続型3G通信端末「UltraStick E3331」だ。USBメモリ同等の薄く小さなボディに3G通信機能を内蔵。対応する周波数帯域は、UTMS/HSUPA/HSPA+ 900/2,100MHzおよびGSM 850/900/1,800/1,900MHzで、速度は下り最大21.6Mbps、上り最大5.76Mbps。WindowsおよびMacに対応。こちらも日本での販売は未定だ。
ZTE
Huaweiの競合メーカーである中国ZTEもCES 2013にブースを構えるとともに、開幕に合わせて最新スマートフォン「Grand S」を発表した。QualcommのクアッドコアプロセッサSnapdragon S4 Pro(1.7GHz)を採用するとともに、5型フルHD液晶を搭載するフラッグシップモデルで、HuaweiのAscend D2と真っ向勝負となる端末だ。
本体サイズは、69×142×6.9mm(幅×奥行き×高さ)と、5型液晶搭載スマートフォンとして世界最薄を実現。RAMは2GB、ROMは16GB。OSはAndroid 4.1。裏面に1,300万画素、液晶面に200万画素のカメラを搭載する。また、こちらはLTEにも対応しており、通信速度は下り最大100Mbps、上り最大50Mbpsとしている。
ブースに多数の実機を展示してアピールしており、フラッグシップモデルらしく動作は十分に軽快。また、フルHD液晶の表示品質も高く、映像も鮮明に表示されていた。また、全7色と豊富なカラーラインナップを揃えている点も特徴だ。
こちらは、2013年の第1四半期に中国で販売を予定。日本での販売は未定だ。