【IFA 2011レポート】
iZoneレポート、iOSデバイス編
~台湾やヨーロッパ各国から、ユニークな対応製品が続々

会期:9月2日~7日(現地時間)
会場:Messe Berlin



 Mac周辺機器に続いて、IFA 2011のiZoneからiOSデバイス対応製品の紹介をする。

●iPad 2を吊り下げて利用する「MAGSTAND」

 Mac周辺機器としてもMacallyの製品を紹介したが、iPad 2向けにもおもしろい製品「MAGSTAND」があった。iPad 2用のスタンドだが、写真のように天地を逆にしての固定が可能になっている。秘密はSmartCoverにも利用されている磁石で、スタンドに内蔵している磁石と強力に引きつけあう仕組みだ。ちょっとやそっとぶつかった程度では抜けない。両脇をもって引き抜くにもある程度力が必要だ。同社によれば料理時のレシピ検索や参照などキッチンでの利用が主目的になるだろうとのこと。写真のとおり、垂直に立てるスタンドとしても機能するが、やはり真価を示すのは吊り下げ固定時になるものと思われる。すでに米国、ヨーロッパでは出荷済みで参考価格は39.95ユーロとのこと。

言われてみれば仕掛けは簡単だが、なかなかのアイディア商品。料理の具材と同一平面にあるよりも目線にあったほうが確かに見やすいはずで、調理の邪魔にもならないiPad 2を挟み込むスリットには磁石が入っていて、天地逆にしても落下しないほど強力に固定される。固定用のプレートは回転が可能。移動しても正面にiPad 2を向けられる

□Macallyのホームページ(英文)
http://www.macally.com/

●家庭や職場での通話もiPhoneで。意外に多いハンドセットの需要

 Invoxiaが発表した「NVX 610」はiPhone 3GS、iPhone 4、iPod touch(第3世代以降)、iPad、iPad 2に対応するハンドセットユニット。SkypeをはじめとするVoIPサービスとの統合が図られており、3Gモバイル通話だけでなくIP Phoneとしての利用も可能。ハンドセットとしてはいわゆる固定電話の回線も利用できる。多人数によるIPチャットを意図して、8スピーカー、8マイクロフォンを搭載。エコー防止やノイズキャンセリング機能も備えている。専用のアプリケーションはApp Storeを通じて提供され、電話帳などはiPhoneの連絡先と統合されるとのこと。ビジネス用途と利用している素材の高級感から、価格は599ユーロとやや高めの設定となっている。

 低価格な製品としてはLogic 3の「PhoneStation」がもっとも単純な製品。iPhone 4などのヘッドフォンプラグを使ってハンドセットのユニットにできる。単純な仕組みとはいえ、受話、終話はハンドセットに付いているボタンで操作可能。またBluetooth対応のため、iOSデバイスに限らず他のスマートフォンでも利用できるNative Unionの製品などもあった。

invoxiaの「Invoxa NVX 610」。8スピーカー、8マイクロフォンを搭載。SkypeなどのVoIPサービスを統合して、ハンドセットのほか多人数チャットなどにも対応Logic 3の「PhoneStation」。ハンドセットユニットをiPhoneのヘッドフォン端子につなぐ単純な構造。置くだけの台も各種カバーを付けたまま使えるように余裕があるNative Unionの、Bluetooth対応ハンドセット。デザイン上の台座はあるものの、iPhoneや他のスマートフォンとはBluetoothで接続。同時に2つの接続設定ができる

●iOSデバイスでコントロールする遠隔監視用のカメラ
ドーム上の半球部分をレンズが移動する。レンズ位置のコントロールはネットワーク接続されたiOSデバイスで行なうことができる

 以前、その大胆な会社名が話題になった台湾メーカー「OZAKI」。話題になった際はスピーカーなどが製品の中心だったが、現在ではiOSデバイスのアクセサリにも製品ジャンルを拡げている。

 今回、同社が出展したのは「iCare」。いわゆる遠隔監視用のカメラで、周囲は360度、上方向には180度、ほぼ自由にiOSデバイスからレンズ位置を動かすことができる。接続はIPベースで、Wi-Fiなどにより宅内のルーターなどに接続。クライアントAppをインストールしたiOSデバイスにインターネット経由でストリーミングさせる仕組みだ。カメラ位置の移動はタッチパネルをスワイプすることによって行なう。

 デモで実際に触った感じでは、追従性が厳しいかとも思ったが、Wi-Fi過多の展示状況の影響と、今後のソフトウェアのチューンナップにより改善するとのこと。米国向けには399ドルで月内にも出荷を開始する。日本市場でも販売を予定しており、想定価格は39,800円とのこと。


□OZAKIのホームページ(英文)
http://www.ozaki.us/

●充電のタイミングを自由に設定できるバッテリパック

 iPhone 4用のジャケット型バッテリパックはもはや数え切れないほど出荷されているが、こちらはバッテリパックに加えてFM波のほか、デジタルラジオ放送のDAB/DAB+に対応する初めての製品になるというLingoの製品「iRis」。App Storeから専用のアプリケーションを入手することで、FM波、DAB/DAB+といったデジタルラジオ放送が受信可能。またインターネットラジオも同一のAppから管理することができる。

 さらに、このAppではiPhone本体とバッテリパック双方の電池残容量を確認することができる。優先的にiPhone本体側のバッテリを利用する場合、バッテリパックからiPhone側への充電開始のタイミングを任意に設定できるといった特徴もある。「iRis」はバッテリパックを備えたiPhone 4向けの製品だが、「iMini」というFM/DAB/DAB+などラジオの聴取に特化して、対応するiOSデバイスを拡げた製品も発表されている。

専用アプリケーション「DAB GO!」を使うことで、iPhone 4本体、バッテリパックに電池残容量を確認することが出来る。また、バッテリパックからiPhone 4への給電開始のタイミングなども細かく調整可能LINGOのiOS用ラジオチューナアダプタ「iMini」。FM波のほか、デジタルラジオ放送のDAB/DAB+に対応する初めての製品になるという「iRis」と「iMini」のパッケージ。デジタルラジオを日本で聞くことはできないが、バッテリの残量をスマートに管理できるのは、なかなかおもしろい

□Lingoのサイト(英文)
http://www.lingodab.co.uk/

●iPadを壁に埋め込んで利用する「iRoom」

 オーストリアのiRoomが出展した、iPad用Dock「iRoom」はiPadを壁面に収納できる製品だ。モーター駆動による開閉は、写真では右上に位置するスイッチを利用する。収納時には充電とオーディオ出力の準備が自動的に行なわれるという。内部の動作なのでわかりにくいが、閉じた状態では30ピンコネクタがやはりモーター駆動などを用いて差し込まれているのだろう。つまりこのユニット単体としての販売ではなく、壁内工事やオーディオの配線などを含めたソリューションとして提供される製品になる。

 主な販売先としては一般の住宅をはじめ、ホテルやヨット、病院などの医療関係施設、レストラン、会議室、会社受付などを想定しているとのこと。基本的な設計は初代iPadに対応しているが、アダプタを利用することでiPad 2でも使えるという。

開いた状態。そのままスリットにiPadを納めるだけで、この段階でのケーブル結線などは不要閉じた状態。インジケータをみると、ちゃんと充電されているのがわかる

□iRoomのサイト(英文)
http://www.ipad-dock.at/

●番組ガイドも利用できるユニバーサルリモコン「VooMote Zapper」

 カラフルなデザインのユニバーサルリモコン「VooMote Zapper」。赤外線アダプタを取り付け、専用のアプリケーションをインストールして利用する。使いたいAV機器の種類、メーカー名などを選択して各種設定が行なえるほか、マクロ機能によりテレビの電源を入れた後、AVアンプとBlu-rayプレイヤーの電電も入れて再生を始めるといったような手順も記憶させてワンボタン動作が行なえる。

 iPhone、iPod touchでは主にユニバーサルリモコンとしての動作だが、iPadで利用する場合にはTVの番組ガイドとしても利用できるとのこと。ただしサービス側の対応になるので、使える国や地域は限定される。日本は含まれていない。10月に出荷予定。予定価格は米ドルで69.99ドル、ヨーロッパでは49.99ユーロ。

iPhoneやiPod touchなど小画面で利用するときには、ユニバーサルリモコンiPadに取り付けて大画面で利用するときには番組ガイドとしても利用できる(ただし、サポートしている国や地域だけ)全部で11色という多色で展開。赤外線アダプタのカラーにあわせたiPhone、iPod touch、iPadのカバーも用意されている

□VooMoteのサイト(英文)
http://www.voomote.tv/

●ゲーマー向けのパワージャケットが製品化。次期モデルも準備中
第4世代iPod touchに対応するパワージャケット[Power Pulse」

 年初に米国で行なわれたInternational CESではプロトタイプのみが用意されていたゲーマー向けのパワージャケット「Power Pulse」。第4世代iPod touchに対応しており、横方向に持ってグリップ感の良い本体と、ステレオスピーカー、拡張バッテリを備えている。発売元である米mophieの日本における販売代理店はフォーカルポイントコンピュータ。mophieによれば、iOSデバイスの次世代製品に向けたこういったゲーマーをターゲットにした製品の開発にもすでに着手しているとのことだ。

 そのほかユニークな製品やiOSデバイス関連のトピックスは、写真を中心に紹介する。

International CESではAirPlayに対応する「Zeppelin Air」を出展したBowers&Wilkinsは、同社初めてのカナル型イヤフォン「C5」を出展。iPhone、iPadに対応するマイクロフォン付きのモデルと言うことで、iZoneのエリアにブースを構えていた
AirPlayに対応するデンマーク製の高級大型スピーカー「LIBRATONE」。壁掛けタイプ「Lounge」と据え置きタイプ「Live」の2種類がある。価格は前者が1,099ユーロ、後者が699ユーロ部屋着「Kanguru KIDZ」。袖を通すとお腹の部分にタブレットがすっぽりと入るポケットが付いている。男女向けにブルーとピンクの二色が販売されるとのこと。他、サンリオからのライセンスで、キティちゃん柄の製品もある
台湾のThermaltakeが、Apple製品向けブランドとして展開しているLuxa2。COMPUTEX TAIPEI主催のカンファレンスでも紹介された。使用されたスライドの1枚に「iPhone 5アクセサリ」の文字があってびっくりさせられたが、後から確認したところ、使用された写真はいわゆる噂系のサイトを出所とするもので、あくまで今後の製品に対しても事業を続けていく意志を明確にしたものとのことiZoneに唯一出展していた日本企業はTrinity。Jawboneなどの海外製品の代理店として製品を輸入販売する一方、自社のSimplismブランドを日本から海外に向けて発信している

(2011年 9月 5日)

[Reported by 矢作 晃]