東京ゲームショウ 2010 PC関連レポート
~日本エイサー最新PC、ユニットコムの怪物ノートPCが展示

会期:9月16日~9月19日 開催(16日~17日はビジネスデー)

会場:幕張メッセ



 社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)主催による、国内最大のゲームイベント「東京ゲームショウ 2010」が16日、幕張メッセで開幕した。会期は9月16日~19日の4日間、16日~17日がビジネスデー、18日~19日が一般公開日。

 最新ゲームの発表などは僚誌GAME Watchをご覧いただくとして、本稿は会場に展示されていたPC関連のトピックをお伝えする。

●日本エイサーのCore i7-875K搭載のゲーミングPCを展示

 PCゲームを紹介する「ゲームPCコーナー」では、各社の最新PCゲームタイトルが展示されているが、このブースでは、展示に利用されている全てのPCおよび液晶ディスプレイを日本エイサーが提供している。展示に利用されているPCは、CPUにCore i7-870(2.93GHz)を搭載する「ASM5910-N74F/G」と、CPUにCore i7-875K(同)を搭載する「ASPIRE G PREDATOR AG5900-N74F/G」の2製品で、どちらも9月17日より発売開始となる最新モデルだ。

 上位モデルのAG5900-N74F/Gは、ブラックのボディにオレンジのラインが目をひく、独創的なデザインのタワーケースが特徴。前面上部にUSBポートを4ポート配置し、ゲームコントローラなどのUSB機器を手軽に利用できるように配慮。また、前面下部のフタを開けると、カードリーダとともに、3.5インチHDD用のリムーバブルベイが2基あらわれ、ケース前面から手軽にHDDの増設が可能となっている点も大きな特徴だ。ビデオカードにGeForce GTX 470搭載カードを採用し、3D描画能力も申し分ない。4GBのメインメモリ、1TBのHDD、DVDスーパーマルチドライブ、Windows 7 Home Premium 64bitを標準インストールして、販売価格は159,800円となる。

 AG5900-N74F/Gを利用した試遊デモは、マイクロソフト「フライト シミュレータ X:栄光の翼」と、エレクトロニック・アーツ「バトルフィールド:バッドカンパニー2」、カプコン「バイオハザード5」の3タイトル。マイクロソフト フライト シミュレータ Xは2台のディスプレイを利用したマルチ画面モード、バトルフィールド:バッドカンパニー2とバイオハザード5は、3D Vision対応ディスプレイを利用した3Dモードでのデモとなっている。

 もう一方のASM5910-N74F/Gは、FINAL FANTASY XIV推奨認定を取得したミドルレンジモデルだ。こちらは、AG5900-N74F/Gとは大きく異なり、目立つ装飾がほとんどない、落ち着いた印象のシルバーボディのミドルタワーケースを採用。ただ、前面に3.5インチHDD用のリムーバブルベイを1基配置したり、ケース上部に4ポートのUSBポートやポップアップ式のカードリーダーを用意するなど、AG5900-N74F/Gのテイストもしっかり盛り込まれている。メインメモリは4GB、ビデオカードはRadeon HD 5750搭載カード、1TBのHDD、DVDスーパーマルチドライブ、Windows 7 Home Premium 64bitを標準インストールして、販売価格は109,800円となる。先ほど紹介した、AG5900-N74F/G以外の試遊デモは、全てこのASM5910-N74F/Gが利用されている。

AcerのハイエンドゲーミングPC「ASPIRE G PREDATOR AG5900-N74F/G」。特徴的なデザインと、オレンジのラインが目をひくタワーケースを採用ケース前面下部には、カードリーダーと2基の3.5インチリムーバブルベイを配置。ケース前面から手軽にHDDの増設が可能だケース前面上部には、4ポートのUSBポートとオーディオポートを配置
ビデオカードにはGeForce GTX 470が採用されており、バトルフィールド:バッドカンパニー2とバイオハザード5は、3D Visionを利用した3Dプレイでのデモが行なわれているマイクロソフト フライト シミュレータ Xは、ディスプレイを2台利用したマルチディスプレイ環境でのデモが行なわれているミドルレンジデスクトップの「ASM5910-N74F/G」。FINAL FANTASY XIV推奨認定を取得しており、ゲームPCとして十分なパワーを備える
1基のみだが、3.5インチHDD用のリムーバブルベイを標準で備える上部には、4ポートのUSBポートとサウンドポートを配置
カードリーダーはポップアップ式となっているゲームPCコーナーのほとんどのタイトルは、ASM5910-N74F/Gによって試遊が行なわれている

●ユニットコム、Core i7-980X搭載SLIノートを展示

 ユニットコムは、ゲームPCコーナーにブースを構え、傘下のPCショップ「パソコン工房」、「TWPTOP」、「フェイス」で販売するPCなどを展示している。

 その中で注目の製品となるのが、未発表のハイエンドゲーマー向けノートPC「Progress XTG」シリーズだ。この製品は、最近は数がかなり減っている、デスクトップ向けCPUを搭載するノートPCだ。搭載CPUは、「Core i7-980X Extreme Edidion」(3.20GHz)と、Core i7シリーズ最上位モデルを採用。また、CPUだけでなくGPUも、GeForce GTX 480Mを2個搭載し、SLI構成を実現。メインメモリは12GB(4GB×3)搭載し、ストレージにはIntel製160GB SSD「X25-M Mainstream SATA SSD」を2台搭載しRAID 0構成にするなど、まさにモンスターノートといった仕様となっている。さすがに、デスクトップ向けハイエンドCPUや、モバイル最上位GPUを2個搭載しているため、底面には空冷ファンが3個搭載されており、本体サイズはかなり大きい。また、付属のACアダプタは、非常に巨大な300Wタイプのものとなっており、モバイル性は皆無に等しい。とはいえ、LANパーティなどで、デスクトップPCを持ち込むことを考えると、はるかに楽に持ち運べるため、ハイエンドゲーマーにとっては、かなり魅力的な製品ではないだろうか。発売は、9月後半を予定しており、価格は50万円ほどになるようだ。

 また、6画面ディスプレイが接続されたSamsung製のスタンド一体型6画面マルチディスプレイ「MD230x6」を組み合わせた、ハイエンドデスクトップPC「INSPIRE Ex X61090XAS/BD Eyefinity 6」も展示されていた。6画面構成のPCでゲームをプレイすると、視野のほとんどがゲーム映像となるため、臨場感や迫力は他の環境を圧倒。実際に展示機でのゲームプレイが可能なので、その迫力を実際に体感してみてもらいたい。PCの仕様は、CPUがPhenom II X6 1090T Black Edition、マザーボードがASUSTeKの「M4A89GTD PRO/USB3」、メインメモリが8GB、ビデオカードが6画面出力対応の「Radeon HD 5870 Eyefinity 6」、ストレージがIntel X25-M Mainstream SATA SSD 80GBと1TB HDD、BDドライブ、電源がSeasonicの750W電源「SS-750KM」などとなっている。こちらもフェイスでの販売が予定されており、価格はディスプレイ込みで799,800円だ。

 さらに、ビジュアライズノートもいくつか用意。新製品として、アニメ「オオカミさんと七人の仲間たち」をモチーフとしたネットブックも展示されていた。オリジナルの天板デザインが施されると共に、ヒロイン「大神涼子」および「赤井林檎」による、計4パターンのデスクトップテーマを用意。また、声優の伊藤静さんと伊藤かな恵さんによるオリジナルボイスや、オリジナル壁紙も多数収録されており、ファンにはたまらない仕様となっている。マシンスペックは、いわゆるネットブックとほぼ同等で、CPUにAtom N550を搭載し、1,024×600ドット表示対応の10.1型ワイド液晶を搭載。ただし、HDD容量が500GBと余裕があり、Windows 7 StarterではなくHome Premiumを搭載している点は嬉しい。製品は、ユニットコム系列にて9月30日まで予約が受け付けられており、期間中に予約をすれば必ず入手できる。販売価格は69,800円だ。

ハイエンドゲーマー向けノートPC「Progress XTG」。デスクトップ向けのCPUと、2基のGPUによるSLI構成を実現しており、ノートPCとは思えないパワーを発揮するCPUには、デスクトップ向けのCore i7-980X Extreme Editionを採用。また、GeForce GTX 480Mを2基搭載しSLI構成を実現。さらに、Intel X25-M Mainstream SATA SSD 160GBを2台搭載し、RAID 0構成としている本体裏には、CPUと2基のGPU用として3個の空冷ファンが搭載されている
付属のACアダプタは、初代Xbox 360付属のACアダプタよりも大きい。容量は300WだSamsungの6画面マルチディスプレイシステム「MD230x6」を組み合わせた、ハイエンドデスクトップPC「INSPIRE Ex X61090XAS/BD Eyefinity 6」も展示。迫力のある映像でゲームが試遊できる「Radeon HD 5870 Eyefinity 6」を利用し、6画面出力を実現。販売価格は、ディスプレイ込みで799,800円と、価格も超弩級だ
「オオカミさんと七人の仲間たち」をモチーフとしたビジュアライズノートの最新作も展示。9月30日まで予約を受け付けている。価格は69,800円だ日本橋キャラクター「音々(ねおん)ちゃん」や、Windows 7プロモーションキャラクター「窓辺ななみ」など、歴代ビジュアライズノートも展示

●3D対応ヘッドマウントディスプレイやゲーマー向けキーボードなど

 VUZIXブースでは、ヘッドマウントディスプレイ「Wrap」シリーズを展示している。サングラス型のヘッドマウントディスプレイで、見た目は既存の製品と大きな違いはないが、最大の特徴となるのが3D表示に対応しているという点だ。対応する3D表示方式は、サイドバイサイド方式と、赤と青のアナグリフ方式のみに限られるが、左右の目に対し専用の表示デバイスを利用して3D表示を行なうため、偏光方式のように視点の位置によって3Dの見え方が変わったり、液晶シャッター方式のようなちらつきを感じるといったことは一切なく、快適に3D映像を楽しめる。もちろん、サングラス型のヘッドマウントディスプレイということで、大型のスクリーンを見ているかのような臨場感も得られる。

 映像入力は、標準ではコンポジットビデオに対応するが、オプションのVGAアダプタを利用することでアナログRGBに接続して利用することも可能。ゲーム機やPCはもちろん、ポータブルDVDプレーヤーなどに接続して、手軽に大迫力の3D映像が楽しめる。実際にブースでも、Xbox 360などに接続し、サイドバイサイド表示対応のゲームを利用した3D表示のデモが行なわれているので、興味のある人は実際に体験してみることをおすすめする。

 表示解像度は、下位モデルのWrap 230が320×240ドット、中位モデルのWrap 310が428×240ドット、上位モデルのWrap 920が640×480ドットで、価格はWrap 230が19,800円、Wrap 310が29,800円、Wrap 920が39,800円。また、表示解像度が852×480ドットの新モデルWrap 1200も、年内に発売を予定しているそうだ。

VUZIXブースで展示されている、ヘッドマウントディスプレイ「Warp」シリーズ。3D表示に対応している点が大きな特徴だサングラス型のボディに、小型の表示デバイスを搭載。解像度の違いで3種類のモデルがある
表示解像度が320×240ドットの下位モデル「Warp 230」と、解像度が428×240ドットの中級モデル「Warp 310」。Warp 230が19,800円、Warp 310が29,800円と、比較的安価だ上位モデルの「Warp 920」。解像度は640×480ドットで、価格は39,800円だ。さらに、年内に解像度が852×480ドットの「Warp 1200」も登場予定だ

 プロゲーマー向けキーボードやマウスのブランドとしておなじみのRazerブースでは、最新キーボードやマウスを展示。中でも、メインで展示を行なっている「BlackWidow Ultimate」は、メカニカルキー採用のゲーミングキーボードだ。しっかりとしたクリック感が指に伝わることによって、キー入力のタイミングがクリック感のみで把握でき、キー入力ミスを低減するだけでなく、キー入力の応答速度が1msと非常に高速で、遅延も極力低減されている。また、ゲームプレイ中でもキーマクロを登録できる「オン・ザ・フライ・マクロ・レコーディング」機能により、フレキシブルなマクロ操作も可能。キーボードバックライトやUSB延長ポート、オーディオポートなども備えており、プロゲーマーでも納得の品質に仕上がっている。実際に、ブースでBlackwidow Ultimateを利用したゲームのでもプレイが可能なので、FPSプレーヤーは実際にキーの感触などを確認してみてはいかがだろうか。ちなみに、キーボードバックライトとUSB延長ポート、オーディオポートが省かれた廉価モデル「BlackWidow」も用意されるそうだ。

 また、今後発売が予定されているキーボードとマウスとして、「MARAUDER StarCraft II Gaming Keyboard」と、「SPECTRE StarCraft II Gaming Mouse」も展示。MARAUDERは、ゲームプレイに不要なキーを省いたコンパクトボディが特徴。SPECTREは、5,600dpiのレーザーマウスで、応答速度が1msと非常に高速な点が特徴。双方とも、1分あたりの操作量(APM)によって発色が変化するLEDイルミネーションを搭載するなど、FPSプレーヤーの心を揺るがす仕様が盛り込まれている。

Razerブースで展示されている、ゲーマー向けキーボード「BlackWidow Ultimate」。メカニカルキー採用で、しっかりとしたクリック感によって入力ミスを激減。また、応答速度も非常に高速だ今後発売予定の「MARAUDER StarCraft II Gaming Keyboard」と、「SPECTRE StarCraft II Gaming Mouse」。1分あたりの操作量(APM)によって発色が変化するLEDイルミネーションを搭載

(2010年 9月 17日)

[Reported by 平澤 寿康]