2010年投入予定の新技術や、ネットワーク機器の新製品を発表
NETGEAR VP&GM Home and Consumer ProductsのVivek Panthela氏 |
会期:1月7日~10日(現地時間)
会場:Las Vegas Convention Center
Sands Expo and Convention Center/The Venetian
NETGEARはInternational CES開幕前日の1月6日にプレスカンファレンスを開催。メディアストレージ、ネットワーク機器の新製品を発表した。「Anytime, Anywhere, Any Media, Any Screen」を標榜する同社だけに、メディアストレージやホームネットワーク関連の製品が中心となる。
●プレミアムなUIも用意されたメディアストレージカンファレンスの最初に発表された「NETGEAR Stora MS2110」は、DLNAに対応したメディアストレージ製品。2基の3.5インチHDDを内蔵可能で、この2台でRAID1を構築して自動的にバックアップを取る仕組み。製品としては、1TBのHDDを1台のみ搭載し、バックアップ用のHDDはオプション扱いで後からユーザーが追加する仕組みとなる。当初は1TBモデルを発売し、今年の春には2TB版をリリースするとしている。
メディアサーバとしてはDLNAによる配信のほか、Webブラウザでのメディアへのアクセスを可能にすることで、DLNA対応機器だけでなく、PCやスマートフォンなど機器を問わず利用できることが特徴となる。
さらに有料でプレミアムUIも提供され、これを利用したWebブラウザアクセスでは静止画サムネイルの3D表示や、専用の動画プレーヤーを装備。また、ソーシャルネットワークとの連携もアピールしており、Flickrへの写真アップロード・ダウンロードを本製品のUIから簡単な手順で行なうことができるようになっている。
本体のインターフェイスはGigabit Ethernet(GbE)のほか、USB 2.0ポートを装備。ここに接続したプリンタの共有や、NASの内容を外付けHDDへバックアップする機能が提供される。
プレミアムUIはサムネイルの3D表示など、Webブラウザベースながらリッチなインターフェイス表示となる | プレミアムUIは動画プレーヤーもオリジナルに。レジューム機能などを備えたものになる |
●ネットワークメディアプレーヤーやルータの新製品も
「EVA9100」は、NASやPCのHDDに収録されたメディアファイルをネットワーク経由で再生するネットワークメディアプレーヤーの新製品となる。映画やテレビ番組をインターネット配信する米国のサービス、PlayOnにも対応しており、本製品のメニュー上から直接アクセスすることで、BBCなどのテレビ番組を直接視聴することができる。
そのほかの仕様は昨今のネットワークメディアプレーヤーとしては一般的なもので、映像は最大1080pのWMV、VC-1、MPEG-1/2/4、H.264などを。オーディオはMP3、AAC、WMAなどを、それぞれサポート。WMDRM10にも対応。ISOファイルを読み込んで、メニューやサブタイトル込みで再生する機能や、USBで接続したHDDの内容を再生する機能なども持つ。
ルーター類の新製品は、モバイル無線ルータ関連がメイントピック。「DGN2200M」はIEEE 802.11n/b/g対応の無線LANルーターでADSLモデムを内蔵。WAN側にイーサネットを備えるほか、3G/4G/WiMAXでのインターネット接続を共有することもできるなど、適用範囲が広い。発売は3月で179ドルが予定されている。
「MBRN3000」は3G/4G/WiMAXでの接続に特化したルータ。やはりIEEE 802.11n/b/gに対応した無線LANアクセスポイントとしても動作する。価格は149ドルで4月発売予定。両製品とも、シガーソケットから電源供給するパワーアダプタがオプションとして提供される。
このほか、ゲームやHDビデオ再生などの用途に向けたギガビットスイッチ「GS605AV」も紹介。この製品は全ポートがGbEに対応した5ポートのスイッチングハブだが、ポートごとにパケット処理の優先順位が付けられているのが特徴。1ポートのハイプライオリティポート、2ポートがミディアムプライオリティ、2ポートがロープライオリティになっており、パケットを優先して処理したいゲームなどをハイプライオリティにつなぐ、といった用途を想定している。こちらは3月の発売が予定されている。
●NETGEARが今年投入予定の新技術
プレスカンファレンスではこのほか、具体的な製品は紹介されなかったものの、今年発売の製品に搭載する機能の技術紹介が行なわれた。
「Enhancing SD to Near-HD」のデモ。右が処理を施したもので、写真ではちょっと分かりにくいのだが、確かに映像品質の向上を確認できる |
1つは動画の画像処理技術である「Enhancing SD to Near-HD」。YouTubeなどのインターネット動画や、HDテレビにしても配信元から受信側まですべてがブロードバンド接続されているとは限らない現状において使われる技術で、超解像処理や色合い、ゲインの調整、ノイズの低減処理などを行なうことで、SD画質の映像をHDに近づけるというコンセプトのものである。
また、「Maintaining HD Quality over the Internet」という技術は、HD映像のインターネット配信を安定表示するための技術。バッファリングを行なうことで擬似的に帯域幅を3倍に拡大。カンファレンス内では、同じインターネット接続環境、同じ性能のマシンにおいて、この技術を使ったものがHD動画のストリーミング再生を行なえることをデモンストレーションした。
このほかでは、5GHz帯を用いて4x4のMIMO処理を行なう無線LAN製品の計画を紹介。先述のものを含め、春から順次製品の紹介していくという。
また、プレスカンファレンスの最後には、1月7日に行なわれるインテルの基調講演において、NETGEARとインテルが協業して開発した新技術を紹介することが予告されている。
「Maintaining HD Quality over the Internet」のデモ。右が技術を適用したもの。バッファリングを行なうために再生開始前に数秒の待ちが発生したものの、再生が始まってからは途切れることなくスムースな再生が行なわれた |
(2010年 1月 7日)
[Reported by 多和田 新也]