イベントレポート

Dell、モバイルノート「XPS 13」に360度回転式モデルを追加

~3K液晶搭載、2,048階調のペン操作にも対応

XPS 13 2-in-1は360度回転ヒンジを備える2in1型デバイス

 Dellは、CES 2017に先立って新製品を発表した。その中でも注目を集めているのが、これまではクラムシェル型PCとして提供されてきたXPS 13の2in1型デバイスとなる「XPS 13 2-in-1」の発表だ。

 XPS 13は狭額縁で高精細なディスプレイを採用したことで、従来のクラムシェル型PCのイメージを大きく変えたイノベーティブな製品として注目を集めており、世界的に人気の製品となっている。XPS 13 2-in-1は従来のクラムシェル型XPS 13を、360度回転ヒンジ式の2in1型デバイスへと進化させたモデルとなる。

360度回転ヒンジを搭載して、デジタイザペンも採用したXPS 13 2-in-1

 XPS 13 2-in-1は、従来はタッチないしは非タッチ式だったXPS 13に、360度回転ヒンジを搭載したことで、タブレットモード、テントモード、ビューモードなど多彩なモードで利用できるようになった。また、従来のXPS 13のタッチモデルにはなかったデジタイザペンに対応し、別売りの「Active Pen(2,048階調の筆圧検知)」を利用することで、Windows Ink対応のペンアプリを活用できるなど、現代の2in1型デバイスに必要な要素をすべてカバーしている。

テントモード時
タブレットモード時
別売のDell Active Pen
【表1】XPS 13 2-in-1のスペック
CPU第7世代Core i7-7Y75/i5-7Y54(Yプロセッサ)
GPUIntel HD Graphics 615
メモリ最大16GB(LPDDR3-1833)
ストレージ最大1TB PCIe SSD
ストレージ13.3型QHD+(3,200×1,800ドット)/
13.3型フルHD(1,920×1,080ドット)
ペンDell ActivePen(2,048階調)/別売
Wi-FiIEEE 802.11ac(2x2)
BluetoothBluetooth 4.2
USBType-C(3.1)×1
Thunderbolt1(ACアダプタポート兼)
Ethernet(別売りのDellアダプタ経由)
HDMI(別売りのDellアダプタ経由)
DisplayPort○(USB TypeーC経由)
SDカードmicroSD
セキュリティ/カメラ720p/赤外線
指紋認証センサーWindows Hello対応
キーボード1.3mmストローク/バックライト
ポインティングデバイスPrecision TouchPad
バッテリ駆動時間(公称)8.5時間~15時間(46Wh)
OSWindows 10
サイズ304×199×8~13.7mm
重量1.24kg

 こうした360度回転ヒンジという重量的には増加してもおかしくない改良が加えられているのに、重量はXPS 13タッチモデルの1.29kgからに比較してやや軽量な1.24kgからとなっているのは賞賛に値する。

 XPS 13では第7世代CoreプロセッサでもUプロセッサと呼ばれるTDP 15Wの製品が採用されているのに対して、XPS 13 2-in-1ではYプロセッサと呼ばれるTDP 4.5Wのバージョンが採用されている。このため、長時間CPUに負荷をかけるようなアプリを実行した場合には性能差があるが、アプリの起動時には最大で3.6GHzまでクロックが一時的に引き上げられるTurbo Boost機能が効くので、Uプロセッサと同じような感覚で利用できる。

 そのほかのスペックはクラムシェル型のXPS 13と変わらないようなハイスペックとなっている。メモリは最大16GBまで選択でき、ストレージも最大で1TB PCIe SSDを選択することが可能だ。モバイルでもフルスペックに近いPCを使いたいというユーザーには理想的だろう。

本体の右側面、左から電源ボタン、microSDカードスロット、USB TypeーC(DP Altモード対応)、ロックホール
本体の左側面。左からUSB Type-C(Thunderbolt 3対応)、ヘッドフォンジャック、バッテリの残容量インジケータ

 ポート類も今時な仕様になっている。2つあるUSBポートは、いずれもUSB Type-C。1つはUSB 3.1で、もう1つがThunderbolt 3となる。本体のポートはこの2つとヘッドフォン端子だけとなるので、別売りでUSB TypeーCのポートリプリケータ「Dell Adapter」が用意されており、HDMI、Ethernet、USB Type-Aなどが利用できる。ACアダプタは30Wだが、Thunderbolt 3のUSB Type-Cポートに接続して利用するUSB PDのACアダプタとなる。このほか、microSDカードスロットが用意されている。

 なお、ワイヤレス関連はIEEE 802.11acのWi-Fi、Bluetooth 4.2となっており、LTEやNFCなどのオプションは用意されない。

高解像度、高精細な13.3型QHD+の液晶ディスプレイを採用している、フルHDも選べる

 もう1つの大きな特徴は、13.3型QHD+(3,200x1,080ドット)という高精細なディスプレイを採用していることだ。ディスプレイの選択肢はそのQHD+とフルHD(1,920x1,080ドット)の2種類で、どちらも400cd/平方m、1,000:1のコントラスト比となっていることは特筆できる。実際、QHD+のディスプレイを会場で確認したが、非常に高精細で明るい表示だった。

 ただし、Dellが公開した資料によれば、内蔵されている46Whのバッテリでの駆動時間は以下のようになっている。

【表2】バッテリ駆動時間の違い
構成MobileMark2014Netflixビデオ再生
Core i5/フルHDディスプレイ/4GBメモリ/128GB SSD15時間10時間21分
Core i7/QHD+ディスプレイ/16GBメモリ/1TB SSD8.5時間7時間12分

 CPUやメモリ容量の違いも影響が与える可能性が大きいMobileMark 2014の結果で約半分になっていることではなく、CPUやメモリなどはほとんど影響を与えずパネルの差が大きいと考えられるビデオ再生の方に注目してみると、約30%程度減っていることが分かる。従って、選択する場合にはバッテリ駆動時間とのトレードオフをよく考慮してQHD+かフルHDを選ぶのかを検討した方がいいだろう。

赤外線カメラとWebカメラ(720p)
キーボードと指紋センサー(右下)

 キーボードはXPS 13でも定評だった薄型キーボードが継承されており、1.3mmのストロークでバックライトが搭載されている。タッチパッドはMicrosoftのPrecision TouchPadに対応。カメラは赤外線カメラを備えた720pのカメラとなっている。ただし、カメラは液晶ディスプレイの上部ではなく、下部に用意されている。また、Windows Helloに対応した指紋センサーが用意されており、Windows 10で指紋1つでログインすることが可能になっている。

モデル表示の中にはPCリサイクルマークなど日本での発売を前提にしている表示があったので、日本での販売は計画されていると考えられる

 XPS 13 2-in-1は米国では既に受注が始まっており、999ドルから販売されている。日本での販売は未定だが、現行機種が日本で販売されていることを考えると、日本でも販売される可能性は高いのではないだろうか。