イベントレポート
GIGABYTE、「USB Power Delivery」100W給電対応マザーボードを展示
2016年6月2日 00:50
GIGABYTEは、台北市内でプライベートブースを構え、COMPUTEX TAIPEI 2016に合わせて発表した新製品を多数展示した。
GIGABYTEのマザーボードは、これまで同じチップセットを採用するものが多数ラインナップされ、どれを手にすればいいのか分かりにくいと言われることが多かったという。そういった声を踏まえ、今後は製品数を絞り、分かりやすい製品ラインナップにしていく計画だという。今回新製品として発表されたマザーボードでも、日本市場に投入される計画のある製品はそのうちの一部にとどまっている。そこで本稿では、日本市場に投入予定のマザーボード新製品を紹介する。
Ultra Gamingシリーズ
GIGABYTEのマザーボード主力ブランドは「Ultra Durable」シリーズに属する製品だが、そのUltra Durableシリーズの製品について、今後はさらにブランドを細分化することになったという。その1つが「Ultra Gaming」シリーズで、ハイエンド志向のゲーミングユーザーをターゲットとする製品となる。
GA-X99-Ultra Gaming
「GA-X99-Ultra Gaming」は、Intel X99チップセット搭載のゲーミングマザーボード新モデル。Core i7-6590X対応のハイエンドゲーミングマザーボードとなる。Ultra Gamingシリーズでは品質も重視されており、従来までPCI Express x16スロットに金属シールドを装着して補強を施す「Ultra Durable PCIe Armor」が採用されていたが、GA-X99-Ultra Gamingではメモリスロットにも金属シールドによる補強が施されている。また、前方ストレージI/OとしてU.2ポートが追加されている。これにより、Intel SSD 750シリーズなどのU.2 SSDも変換アダプタを利用せず接続可能となる。Gigabit Ethernetのコントローラには、Qualcomm Atherosの「Killer E2400」を採用。
細かな変更点としては、CPUクーラーのファン用ヘッダピンが、PWMと電圧コントロール双方に対応する「Dual Hybrid Fan Headers」となっている。BIOSから双方を変更して利用可能となっているそうで、CPUクーラーや水冷ユニットなど、利用したいものに合わせて変更し利用できるという。
さらに、基板上に搭載されているチップ抵抗は、硫黄による腐食を押さえる処理を行なった「Anti Sulfur Resistors」を採用することによって、長寿命も実現しているそうだ。このAnti Sulfur Resistorsは、今後全てのマザーボードで採用していくとのことで、これ以降取り上げるマザーボードでも全て採用している。
このほかに、マザーボード上にフルカラーLEDを搭載し、専用ユーティリティで発色や点滅などを自在にコントロール可能なイルミネーションも搭載するなど、ハイエンドゲーミングマザーボードらしい仕様を実現している。発売時期は2016年夏頃を予定しており、価格は未定。
GA-Z170-Ultra Gaming
「GA-Z170-Ultra Gaming」は、Intel Z170チップセット搭載のゲーミングマザーボード。特徴は、USB Power Delivery 100W出力に対応している点。マザーボード上に専用の電源コントローラを搭載し、20V/5Aの出力を可能としている。また、背面I/Oパネル部にはMini DisplayPortの入力端子を備えている。これによって、ビデオカードの映像を背面I/OパネルのMini Display Port入力端子から入力し、CPUの内蔵グラフィックス機能の映像信号と合わせて出力するといった使い方を可能にするという。
【お詫びと訂正】初出時に「5V/20A」としておりましたが、「20V/5A」の誤りです。お詫びして訂正させていただきます。
そのほか、こちらも前方ストレージI/OにU.2ポートを用意し、メモリスロットの金属シールド補強も施されている。なお、GA-X99-Ultra Gaming同様にマザーボード上にLEDイルミネーションを搭載するが、フルカラー制御は行なえず、7色発光になっている。発売時期は2016年夏頃を予定しており、価格は未定。
Designareシリーズ
続いて「Designare」シリーズ。こちらもUltra Durableシリーズの製品群の1つとなる。Designareは、ラテン語で「デザイン」を意味する単語で、性能面だけでなく、高品質、高耐久性など、より優れた品質を要求される用途をターゲットとした製品になるという。
GA-X99-Designare EX
「GA-X99-Designare EX」は、Intel X99チップセット搭載マザーボード新モデル。見た目はUltra GamingシリーズのGA-X99-Ultra Gamingに近いが、違いも多く見られる。まず、前方ストレージI/OとしてU.2ポートが2ポート用意されている。Gigabit EthernetはIntelコントローラを利用したデュアルGigabit仕様となる。また、IEEE 802.11ac無線LAN機能の搭載、フルカラーLEDイルミネーションの一部削除といった違いがある。メモリスロットの金属シールド補強はこちらも採用されており、M.2スロットにもカバーが取り付けられるなど、より品質重視の設計となっている。発売時期は2016年夏頃を予定しており、価格は未定。
GA-Z170X-Designare
こちらは、Intel Z170チップセット搭載の「GA-Z170X-Designare」。最大の特徴は、GA-Z170-Ultra Gaming同様に、USB Power Delivery 100W出力に対応している点だ。マザーボード上に電源コントローラを搭載しており、裏面I/OパネルのUSB 3.1 Gen2 Type-Cポートより20V/5Aの電力を供給できる。これにより、Power Delivery対応周辺機器の利用やノートへPCの充電なども問題なく行なえる。
また、Mini Display Port入力端子を備え、CPU内蔵グラフィック機能と合わせて出力できる点も特徴の1つとなっている。
このほか、前方ストレージI/OとしてU.2ポートが用意されている点や、メモリスロットの金属シールド補強なども同様。後方I/Oパネル部に樹脂製ではなくスチール製のカバーが取り付けられている点なども、品質重視設計を体現している部分だ。こちらも発売時期は2016年夏頃を予定しており、価格は未定。
GA-H170-Designare
「GA-H170-Designare」は、Intel H170チップセット搭載マザーボード。チップセットは異なるが、設計思想はGA-Z170X-Designareに近い。裏面I/OパネルのUSB 3.1 Gen2 Type-CポートによるUSB Power Delivery 100W出力対応や、Mini Display Port入力端子の用意、U.2ポートの用意、メモリスロットの金属シールド補強などは同様の特徴で、こちらも品質重視の設計となっている。価格的には、GA-Z170X-Designareよりも安価になるものと思われるが、現時点では価格は未定。発売時期は2016年夏頃を予定している。