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DisplayPortをUSB Type-Cコネクタで使える拡張仕様が発表に

DisplayPort Alternate Modeの概要

 ディスプレイ関連の規格策定を行なうVideo Electronics Standards Association(VESA)は22日(米国時間)、新たに規格化された「USB Type-C」コネクタでDisplayPortを利用できる拡張仕様「Alternate Mode」(Alt Mode)を発表した。

 表裏気にせずに着脱でき、10Gbps転送へ高速化されたUSB 3.1や、最大100Wの電源供給を可能とするUSB Power Deliveryをサポートする新しいコネクタ仕様「USB Type-C」を利用し、DisplayPortを利用できるようにするもの。USB 3.0/3.1が持つ4つのレーンのいくつか、または全てを利用してDisplayPortの映像信号およびAUXチャネル、ホットプラグ検出の各機能を利用できる。Alt Modeを利用したUSB Type-CコネクタからDisplayPortコネクタへの変換も可能。

 また、この4レーンを柔軟に利用したDisplayPortとUSBの同時利用も可能。ニュースリリースの中では、2レーンを用いて4Kディスプレイ、残りの2レーンで最大10GbpsのUSB 3.1を転送する例や、4レーン全てをDisplayPortに割り当てて5K(5,120×2,880ドット)ディスプレイへ出力し、USBは独立した信号線を持つUSB 2.0を利用するという使用例が示されている。また、USB Power Deliveryでは最大100Wの電源供給が可能になることから、ディスプレイそのものへの電源供給も含めてケーブル1本で利用できるようになると思われる。

 VESAは15日(同)に、より高速化されたDisplayPortの新規格「DisplayPort 1.3」を発表しており、Alt ModeはDisplay Port 1.3のレーンあたり8.1Gbpsにも対応する。ただし、早期にはレーンあたり5.4GbpsのDisplayPort 1.2を利用したものが出てくるだろうとしている。

 なお、当然ながら全てのUSB Type-CコネクタでDisplayPortを利用できるわけではなく、DisplayPort Alt Modeに対応しでないと利用できない点には注意が必要だ。

USB Type-Cコネクタのピンアサイン
データ信号用の4レーン全てをDisplayPortで使い、独立したUSB 2.0チャネルで利用する例。USB Power Deliveryもこの状態で利用できる
Alt Modeを用いて4本全てをDisplayPortに利用し、DisplayPortコネクタへ変換することもできる
ドッキングステーションの利用例

(多和田 新也)