デル株式会社とイー・モバイル株式会社は7日、「Vostro 3500」シリーズのデータ通信モジュール内蔵モデルの販売を開始した。

　発売中の15.6型ノート「Vostro 3500」に、イー・モバイルの通信モジュールを組み込み、6カ月間の通信サービスを付けた製品。通信サービス期間終了後は更新サービスを提供する。価格は1年間48,000円だが、早割を使うと1年間36,000円になる。

　イー・モバイルの通信速度は下り7.2Mbps、上り5.8Mbpsのモジュールで、秋予定の42Mbpsサービスには非対応。また、SIMスロットと通信モジュールはイー・モバイル専用となる。

　6カ月間データ通信が付属する固定仕様モデルの価格は、Celeron P4500(1.86GHz、ビデオ機能内蔵)、HDD 160GB搭載モデルが57,979円、Core i3-350M(2.26GHz、同)、HDD 250GB搭載モデルが69,980円。後者は発売キャンペーンで3,000円値引きされ、66,980円になっている。

　固定仕様のため「デル特急便」に対応。イー・モバイルとの契約終了後、翌営業日に出荷される。

　そのほかの仕様はほぼ共通で、メモリ2GB、DVDスーパーマルチドライブ、Windows XP Professional(Windows 7ダウングレード)、IEEE 802.11b/g/n無線LANなどを搭載する。

　BTOで用意されるデータ通信1年間モデルは、上記スペックでの価格は順に72,980円、84,980円。

Vostro 3500。外観は従来と同じ	バッテリを外すと右側にSIMスロットがある	インストールされるイー・モバイル用ユーティリティ

　そのほかの仕様は発売中のVostro 3500とほぼ同じ。

　両社は同日、都内で発表会を開催。デル株式会社 スモール&ミディアムビジネス(SMB) マーケティング本部 北アジア地区本部長の原田洋次氏は、「イー・モバイルと共同発表できることを喜ばしく思う」と挨拶し、新製品のメリットとして、工事が不要であることや、PCと通信契約が一括であること、固定回線無しでワイヤレス環境が構築できることなどを挙げた。

　イー・モバイル株式会社 取締役副社長の阿部基成氏は、同社がデータ通信市場で57.5%のシェア1位であることや、人口カバー率が90%を超えていることを紹介。デルとの協業について、「これまでモデムの提供や、ネットブック、A4ノートで協業してきたが、個人向けが中心だった。今後は法人市場にも取り組む」とした。従来は通信費やモジュールを含めたオールインワンの扱いではなく、イー・モバイルの2年契約でデルのPC販売価格を3～4万円値下げするという、量販店と同じ手法のみだった。イー・モバイルは法人市場の取り組みの強化として、デルとの協業でSMB市場の本格展開を目指す。

デル株式会社 スモール&ミディアムビジネス マーケティング本部 北アジア地区本部長 原田洋次氏	イー・モバイル株式会社 取締役副社長 阿部基成氏