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無接点充電“Qi”対応の小型PC「LIVE STATION」

~LIVAに続くECSの新しいコンパクトシリーズ

「LIVE STATION」

 小さなお弁当箱のような小型PCとして話題を呼んだECSの「LIVA」シリーズ。同社はこれをさらにコンパクトにしたほぼ正方形の小型PC「LIVE STATION」を都内開催の製品説明会の中でお披露目した。

 注目は無接点充電機能の「Qi」に対応していること。本体の上面が充電インターフェイスになっており、Qi対応のスマートフォンを置くだけで給電が開始される。当然スマートフォンなどのデバイス側がQiに対応している必要はあるが、サードパーティー製のQi対応充電カバーを使うことでiPhoneでも利用が可能だ。

Galaxy S6 Edgeを充電している様子
iPhone 6sをサードパーティ製のQi対応カバーを使って充電

 小型PCということで「LIVA X2」との被りが気になるところだが、販売代理店のリンクスインターナショナルによれば、LIVA X2はファンレス設計であり、その静音仕様を活かしたリビングPCなどとして使われることを想定としているが、一方の「LIVE STATION」はファン付きのPCということで、小型PCに性能を求めるユーザーに向けて訴求していく製品だという。

 ただし、現状のCPUはBay TrailのCeleron N2830で高性能とは言えないし、無線LAN機能もIEEE 802.11acに非対応なため、機能的に劣っている。ECSは今後の展開でCore iシリーズを搭載することを示唆しており、段階を踏んで切り替わっていくと予想される。

 LIVE STATIONの発売日は4月9日で、Windows 10 Homeを搭載したPC版と、OSなしのベアボーン版を用意。価格は両社とも34,980円となるが、前者はメモリ2GBでストレージ32GB、後者はメモリ4GBでストレージ64GBという違いがある。なお、ストレージはモジュール型のSATADOM(Serial ATA Disk On Module)を採用している。

 それ以外の仕様は共通で、CPUがCeleron N2830(2.16GHz、ビデオ機能内蔵)、インターフェイスはUSB 3.0×2、USB 2.0×2、HDMI 1.4出力、Gigabit Ethernet、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、Qi、音声入出力などを装備。

 本体サイズは116.6×112×45.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約536g。

正面
背面
左側面
右側面

 製品説明会では、LIVE STATIONのほかにも別記事掲載のWindows 10 Pro版「LIVA X2 Pro」や、組み込み用基板、文教向け2in1などを紹介。ECSとリンクスインターナショナルはB2Bでの製品拡充も図っていく構えだ。

組み込み基板の「BAT-MINI」初代LIVAで使われていたものだが、法人ユーザーの要望により、組み込みとして製品提供を開始した経緯がある
BAT-MINIの2世代目「BAT-MINI2」。こちらはベアボーンの「LIVA X」に使われている基板。同じく組み込みとして法人用途でも使われている。ストレージはeMMCだけだった前モデルと違いmSATAが使えるため、UEFI非対応のOSでも使用でき、活用の幅が広がったという
文教向けに展開する10.1型の2in1。キーボードとは接点による物理接続で、タブレットのみバッテリを備えている。CPUにはCherry Trailが使われているという。こちらはインテルと協力し、ICT利活用といった製品展開が進められているという
キーボードとのドッキング部分
こちらはクラムシェル型の文教向けの11.6型ノート。CPUにはBraswell-Mが使われるようだ

(中村 真司)