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Huawei、Cortex-A72を世界で初めて商用化したモバイルSoC「Kirin 950」

Kirin 950

 中国Huaweiは5日(現地時間)、ハイエンドスマートフォン向けの高性能SoC「Kirin 950」を発表した。

 同社傘下のHiSiliconが開発したハイエンドなモバイル向けSoC。世界で初めてTSMCの16nm FinFET+プロセスを採用し、30億トランジスタを集積する。28HPMプロセスと比較して、性能は65%向上し、消費電力を70%削減。20nmと比較しても性能は40%向上し、消費電力は60%削減したという。

 また、業界で初めてCortex-A72に基づくプロセッサアーキテクチャを商用化。従来のハイエンド向けCortex-A57と比較して性能が11%向上し、消費電力を20%低減。このCortex-A72を4コア搭載するのに加え、Cortex-A53も4コア搭載したbig.LITTLE構成を採用する。

 GPUはARMが設計したMali-T880を採用。グラフィックス性能および演算能力は前世代と比較して2倍となった。操作から画面表示までのレスポンスについても最適化を行ない、通常利用においては100msec以内の応答を確保した。

 また、各種センサーのデータを常に収集し、メインプロセッサをスリープ状態から瞬時に復帰させられるCortex-M7ベースの「i5」サブプロセッサを内包。消費電流を6.5mAに抑え待機電流を減らすことで、従来からスマートフォンのバッテリ駆動時間を10時間延長し、約2日間の駆動を可能とした。

 i5プロセッサでは新たに浮動小数点演算が可能となった。これにより「Fused Location Provider」を搭載し、GPS、基地局、Wi-Fi、センサーなど、複数のデータから定位を行なうことで、室内やビル密集地、および室内などでのGPS定位精度を高めた。

 メモリコントローラはLPDDR4となり、新割り込みコントローラ「GIC-500」、新フロントサイドバス/FBCを備える。

 イメージセンサープロセッサ(ISP)は新たに自社開発した。14bitのデュアルISPを搭載し、9億6,000万画素/secの処理能力を誇る。センサーは1,300万画素×2または3,200万画素×1に対応し、撮影後の各種DSP処理も行なえる。顔検出機能も備え、35人の同時/追従認識が行なえる。

 内蔵モデムはシングルチップでキャリアアグリゲーションに対応。従来はデュアルチップだったため、低消費電力化を実現。対応周波数は450MHz~3.5GHz。またVoLTEをサポートする。

 Kirin 950を搭載したHuaweiのフラグシップ製品はまもなく登場するとしている。

(劉 尭)